「行動ファイナンス入門」2章
2章のタイトルは「伝統的なファイナンスの揺らぎ」
伝統的なファイナンスと行動的なファイナンスのどこが違うのか?
というと、ずばり伝統的な理論は現実にそぐわないことが多い!と言う点です。理論を擁護するために例外がどんどん増えて行ってしまうわけです。そいうものは実際使い物にならないでしょう?
この本で言う伝統的ファイナンスの本質とは「高いリターンは高いリスクの報酬のみによって存在する」と言うことで、簡単に言うと「リスクが高いと儲けも多い」ってことです。
ではリスクについてですが、リスク指標としてよく知られているのがベータ指標ってものです。それ以外にも規模の大きさによるリスクや簿価時価の比率によってもリターンがかわることがわかりました。
規模の小さい株を買い大きい株を売ると儲けが多くなる
簿価時価比率の高い株を買って低い株を売ると儲けが多くなる(バリュー株を買ってグロース株を売ると儲けが多くなる)
んです。
と言うわけでリスクが高いほど儲けも多くなると言うことが確認されたところで、伝統的とファイナンスと行動ファイナンスの違いを一言でいうと、「人がいつでも合理的か否かと言う問題」の答えの違いです。
伝統的はあくまでも人は合理的であると言います。説明できないことがあるときはまだ見つかっていないリスク要因を見つけ出して、モデルをより完璧にすれば解決すると思っています。これに対して行動ファイナンスは「人は合理的な意思決定だけをするわけではない」と言います。
他にも為替レートの決まり方や親子上場のふしぎや株式分割の謎にも触れていますが極めつけおも白いのはお天気と株投資の関係に触れた部分です。天気がいいと株を買う人が増えると言うデータがあります。過去40年間で晴れた日だけを集めて平均したところ0.018%株価指数が上がっていると言うのです。
ええええ?
って思うでしょう。でもほんとなんです。晴れた日に株を買う儲かるといのはとても面白いです!
こういうところに行動ファイナンスのアプローチは注目します。天気は株の富そのものとは何の関連もないのに、投資家の幸せ度関数に影響を与えていると言うわけです。幸せ度関数ほぼイコール効用関数とみるなら、この要因を株価上昇に与える影響として見逃すわけにはいきません。今までみ逃していたこの点により注目したのが行動ファイナンスの特長です。
3章では人の心理的な部分にスポットをあてます。お楽しみに。