オスマン帝国外伝シーズン3 50話ハイライト シャーとニギャールの計画
ニギャールはイブラヒムパシャが住んでいた家を訪れた。
そこにはシャーがいたからだ。
庭に彫像がなくなっているのを見て彼女は寂しそうな顔をした。
彼女はひとつづつイブラヒムの足跡がなくなっていくのだと実感した。
シャーは
「ようこそ」
と言い、ニギャールもそれに答えた。
(普通答えるときにホシュブルドゥクという人称複数(私たちは)で答えるのだが、今回ニギャールはホシュブルドゥムと一人称単数の(私は)で答えている。)
「貴方にお会いできて光栄ですわ」
とニギャールが笑顔で社交辞令を言った。それからシャーが元イブラヒムとハティジェが住んでいた館に住んでいることについて
「お許しください、あなたがこのサライに住まわれることを聞いて・・・」
とそこまでいうと、
「シャーは驚くことはないわ。皇帝の近くにいたかったのよ」と平然と答えた。
するとニギャールがすこしわらいながら
「ヒュッレム様がこのことを気にいっていらっしゃらないのはたしかです」
といった。
「私を皇帝から遠ざけようとひっしなのよ」
と言ってからニギャールの夫リュステムのことを尋ねた。
ニギャールは「遠征に参加します。彼が遠征中は帝都に私は残ります」
と言うと、シャーは満足そうに
「そうですか」
と答えた。
何やらまた怪しい雰囲気だ。シャーが何か罠を仕掛けるに違いない。
「あなたとやらなければならないことがあるから」とシャーはそのいった。
やっぱりそうだ。
どうやらニギャールを使ってヒュッレムをこまらせるつもりらしい。
ニギャールは
「ムスタファ様が遠征に参加しないと言われていますが」
と言うと
「皇帝がそれがふさわしいとおもったのでしょう」
と答え、ニギャールが
「ムスタファ様にとってはよいでしるしではありませんね。ハティジェ様の起こった出来事はご存知のとおりですわ。子供たちと共に都を離れたのは本当にかなしいことですわ」
「ハティジェがマニサに送られてから1年がたつわ。彼女も子供たちにもとてもあいたいわ」
というシャー。
そうなのだ、イブラヒムがなくなってもう1ねんがたつのだ。イブライムの死後ハティジェはマニサに行かされたのだ。
ニギャールは
「何故待っているのですか?かれらはいつ報いを受けるのですか?」
ともう待てないというようにイブラヒムの復讐を急き立てた。
すると、涼しい表情で
シャーは
「ときはみちたわ」
と答えた。
「明日皇帝は遠征にでかけるわ。ヒュッレムはひとりでのこるわ」
と言うと、ニギャールは
「どんなご計画をおかんがえですか?」
と尋ねた。
ニギャールはかなり年を取ったように見える。
そして以前のような情熱も明るさも残っていない。
彼女に残っているのは復讐という負の感情だけだった。
これからシャーとニギャールのの攻撃が始まる。