オスマン帝国外伝シーズン3 56話ハイライト ある種の痛みは一生消えない。だがその痛みは償いになる

ヤフヤーの元を訪れたスレイマン。

二人は同じ乳をのんだなかだ。

スレイマンは彼のことを

「兄弟よ」

よ呼ぶ。

ヤフヤーは本を熱中してよんでいたところだった。 その様子をみてフレイマンは

「あなたは知識の海で泳いでいるようにみえる」が

と優しい目で言った。

スレイマンのみにつけているターバンは素敵だ 。

「偉大な数学者アリクッシジの書いたエル リサラアト アル ムハムマディアと言う本を手にしていました」

と嬉しそうに語る。

彼の様子からは、彼は本について何時間も語りたがっている感じがする。
本当に本が好きで、彼は医学書だけでなく、幅広い本に興味を持っていた。
彼はスレイマンにその本を読むように勧め、スレイマンも熱心に読んでいた。

しばらくして
スレイマンは隣にヤフヤーを座らせ、 もう一度挨拶をした。
「元気でしたか。もう長いことお会いしていませんでしたね」

「あなたに会えて元気になりました、兄弟よ。
あなたの病気が気になります。よくなるとよいのです」とヤフヤー。

「私の状況を話そう。あなたのことばにすがりたいのだ」 とスレイマン。

「おぼえていますか?以前夢について話したことがありましたね。あなたもそれが重要な決断を迫られていると言いましたね。私はその決定を下しました。だがあなたが言った通り、私の悲しみは去ることがないようです」

「イブラヒムパシャについてですか? 」とヤフヤーがきく。

スレイマンは頷く。そして

「何季節が過ぎただろうか?何度春がそして何度冬が過ぎたかわからないのです。何が夜で何が昼かもわからなくなってしまいました
私には眠りが禁じられました。火の中で焼かれているようです。
いつも同じ夢を見るのです。

手に血が付いたままベッドにいてそこで目覚めます。耳にはイブラヒムの声が・・・ヤフヤーいつこれが終わるのか教えてください。いつこの胸につまった失望の痛みの火がおわるのでしょうか?
いつ私の耳に彼の声が聞こえなくなるのでしょうか?
おしえてください」

とスレイマンは苦悩に満ちた顔でヤフヤーに懇願した。
「あなたの最期の日が来るまであなたと共に痛みがないことをいのるしかございません。

「何を言うのですかきょうだいよ 」
スレイマンが言うと、
「ある種の痛みは死ぬまで消えません。
その痛みは墓までずっとついていきます。
良心が痛みには害なのです」と真実を語ると、

「私の心は二度と平安にはなれないとあなたは言うのですか? 」と苦悩するが、

「あなたにより大きな痛みを神が与えないように祈ります。 」

とヤフヤーは言うにみだった。

ヤフヤーエフェンディは人間の痛みと言うものについてよく知っている。

そうなのだ。ある種の痛みは決して消えない。だがその痛みと共に生きることが痛み(痛みを産んだ原因)に対しての一番の償いとなる。
だから心が痛むことは決して悪いことではない。それによって償うことができるのだから・・・

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