ヒュスレブパシャがハティジェを訪問する オスマン帝国外伝シーズン3 66話ハイライト

「エスメハンは若いわ。結婚させる必要があるわ」
とシャーが言った。

「どこから出たんだ?何をいそぐひつようがあるのだ?」とルトフィは突然の話に驚いていった。

「遠征がどのくらい続くかわかりません。少なくとも婚約ををすべきだわ」

とシャーは続けた。

「そう話すところをみるとほしいむこがいるのだな」

と聞くとハティジェが

「マルコチョールバーリベイよ。エスメハンを彼と結婚させたいのです」

と言う。

一瞬考えてルトフィはフウンといい、それから

「これはどうも政略結婚のようだな」

「私は別にかまわないわ。それにマルコチョールさまは皇家に忠誠をつくしているかたですわ。これによってヒュッレムに対し私たちは強力になりますから」

というと、ルトフィが

「ヒュスレヴパシャもそうだよな。だがハティジェ様が結婚したくないのですよね」

と突っ込む。するとハティジェは

「おなじではないわ」

と言った。そこへちょうどヒュスレヴがやってきた。

「どういうことなぜここに彼を呼んだの?」

とハティジェは慌てだした。 どうやら彼が来ることを知らなかったらしい。

「ハティジェ落ち着いて、ただほうもんにきただけよ。それにこれから知り合いになってはなすのよ。」

とシャーは言った。

それからヒュスレヴとハティジェは二人きりになった。(実際はありえないと思う。まだ婚約もしていないのに二人だけで部屋にいることは当時許されていなかった。)

ヒュスレヴは

「お許しください。けれどもあなたにお会いしたかったのですが、それは今日だったのですね。 でもあなたは私に会いたくないのですね」

「これはあなた個人とは関係ありません」
というとうなずくヒュスレヴ。 彼はハティジェがイブラヒムのことを忘れられないことを素直に理解した。めずらしい。今までの登場人物は何が何でも結婚しようとしていたのだが彼は、

「皇帝様が遠征の式を挙げるようにと命じました。ですが、ご安心ください。あなたが承諾しなければいたしません、お暇します」

と言いて去っていった。ヒュスレヴパシャはなかなか潔い紳士だ。
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