マルコチョールとミフリマーフ 特集① 

シーズン3の半ばマルコチョールが突然現れてミフリマーフは恋する乙女に大変身。その様子を半分までまとめてみました。
馬に乗りに来るミフリマーフ。
そこにはミフリマーフの初恋の人マルコチョールがいた。
当時幼かったミフリマーフだったが今は立派な女性だ。
これからまた恋の予感が・・・ (マルコチョールにはいつも女性の影がある)
そのミフリマーフは
「馬に乗るためにきました」と言うと、
「ようこそ」マルコチョールが答え、
「スルタンの馬の準備を」馬を世話する者に声をかける 。

ミフリマーフ:「遠征に出かける前にあなたにお会いできてうれしいですわ。メフメットとセリムに注意してくれるようにたのむつもりだったですよ。彼らは初陣なの」

マルコチョール:「心配姉妹でください。彼らに万全の注意を払います」

ミフリマーフ:「まご自身にも注意さなってください。ご無事にお戻りになることをお祈りしておりますわ。あなたにわたしたいものがあります」

と言ってジェヴシェンを渡しながら、
ミフリマーフ:「これですべての災難から守られます」
マルコチョール:「感謝いたします。はなみ放さずもっています」

そこへリュステムが来て
「皇女様(スルターヌ)」とあいさつすると、

「あなたもここにいたのね」とふりむきながら返事をするミフリマーフ。
リュステムは「遠征のためによばれました、お元気でしたか? 」

「ありがとう、元気よ」と言いマルコチョールの方へ向き直り

「馬に乗るために来たのよ。そしたらマルコチョールと会ったの」とリュステムに言い、さらに「また今度の機会にね」とマルコチョールに言って去っていった。(あれ、うまにのりにきたのではなかったたのね)

彼女が去った後不満げなリュステム。
ミフリマーフがひそかに思いを寄せているマルコチョールが、新しい任務を快く思っていない。
そこで「この仕事は危険だぞ」と言うと、マルコチョールは
「故イブラヒムパシャはこの高貴な国で素晴らしい奉仕いたしました。貴重なお方でした
彼の道をたどることができていることを誉に存じております。」

と言って去る。

マルコチョールはイブラヒムパシャを慕っていた。

ということでシーズン3ではミフリマーフとエスメハンとマルコチョールさらにそれに介入するヒュッレムの間でいろんな出来事が起こります。お楽しみに

 マルコチョールからのミフリマーフへの手紙

あさミフリマーフがおきるとミフリマーフに手紙が届いた。

「かけがえのない皇女様

私はあなたとあなたのご家族を守ることが私の任務であることをお知らせしたいのです 。

このほかの夢を見ることは不可能です。

オスマン帝国の忠実は奉仕者であり、私はあなたに特別な個人的感情を抱いておりません。

ご理解下さることを懇願します。お許しください。
マルコチョールバーリベイより 」
いかがですか?こんな手紙をもらったら誰でもブルーになりますよね。勿論ミフリマーフもそうでしたが、そこは皇女、自尊心を傷けられたのですから、その後のマルコチョールへの態度がどのようなものかご推測いただけるかと思います。。

実はこれはミフリマーフがマルコチョールに出した手紙の返事でした。
でもミフリマーフは直接渡したわけではなく、マルコチョールの仕事部屋の机の上に召使に置かせました。

それが事の始まりです。

いつもマルコチョールを目の敵にしているリュステムがその手紙を盗み見したのです。

そしてその手紙リュステムに持ち去られました。

ではなぜ返事が来たかって?


そのとおり!

みなさんのご推測の通りです。

リュステムが偽の手紙を書いたのでした。

そしてこれから彼女の態度は何度も何度も変わっていきます。
彼女の心の変化は見ていくのも面白いですが、こうしてまたマルコチョールの女難がは決まりました。

ところで皆さんはラヴレターや失恋の手紙をもらったことがありますか?
最近は手紙が衰退してしまっているので、ラブレターとかは書かないのでしょうか?

ミフリマーフの偽の手紙をみたマルコチョールは

傷だらけハティジェにマルコチョールがよばれる。マルコチョールは

「あなたをどのようにお助けできますか」

と聞くと、ハティジェは

「女奴隷たちが私のことについて話していることを知っています。 あなたもしんじているの? 」
と心配そうに尋ねた。

「真実が何であれ必ず明らかになります」

とマルコチョールらしい答えをした。

「故人はいつもあなたをほめていました。 あなたへの信頼は完璧なものでした。あなたと率直にはなすわ。 皇帝に一番近いのはあなたよ。 あなたがヒュッレムの敵になることだけでじゅうぶんよ。 彼女に対して注意深くならなければならないわ。 彼女の悪から、皇帝を守ってください。

と言うとマルコチョールは頷きながら

「いつもオスマン家のために注意し続けます。ごしんぱいなさらないように 」

といった。 ハティジェは満足そうにかすかに表情を和らげた。
庭にはエスメハンがいた。マルコチョールが出てくると彼にあいさつした。 その様子をミフリマーフがたまたまやってきて見てしまった。
嫉妬心失恋の痛みとプライドを傷つけられたときに感じる怒りがミフリマーフの心の中で渦巻いた。
ミフリマーフはあいさつにマルコチョールのそばに来た。
いつもとは違った様子で冷たく去っていこうとする彼女にマルコチョールは

「何か知らずに私は粗相を犯しましたか? 」

と尋ねるとミヒリマーフは

「何もないわ。あなたが望んだように対応しているだけよ。大変重要な任務で忙しいでしょうから」といった。

「お許しください。ですが何についてお話なのか分かりません」

と言うとミフリマーフは少しカチンときたので下を向く。そして一瞬 怒らないようにと息をついて作り笑顔で

「私に書いた手紙のことですわ。マルコチョールさん」

といった。

「何か行き違いがございます私はあなたにてがみをかいていません」

と返事をすると、

「書いてないとはどういうこと? 手紙は私の部屋にあるわ」

という。すると

「すぐにそれをみたいです」

とマルコチョールはいった。

「それは私の書いたものではありません」

「どういうことなの?」

とミヒリマーフは何が何だかわからないという様子で

「私はあなたに手紙を送りました。そのあとで返事の手紙が送られてきました。ええ、あの部屋に誰かがおいたそうです」

と説明し始めた。

「あなたの手紙ももらっていませんし、あなたに手紙を書いていないのも確かです。誰かがお芝居をしたようですね」

それから二人は手紙を見に行った。
やはりマルコチョールのかいたものではなかった。

「だれがかいたかわかる? 」

と彼女は質問した。

「手紙をみたものが書いたのでしょう」

と彼は答えた。

「あなたの机の上に置いたのよ。」
とミヒリマーフが言うとマルコチョールはある時リュステムが自分尾部屋にいたことを思い出した。
「この手紙は私の手元に、誰が書いたかわかりませんが見つけなければなりません」

「そうね」

と言ってミヒリマーフはほっとした様子だった。彼女はいまのところは失恋したわけでもなかったわけだから・・・
ミフリマーフが失恋しなくてよかったですね。でもヤフヤーへの思いはどこへいったのかなあ?マルコチョールの出現であっという間にミフリマーフの心から彼への思いが消えてしまったようですね。

ミフリマーフはマルコチョールにふられる

ミフリマーフはヒュッレムの部屋のバルコニーから上を眺めた。そこにはスレイマンの外廊下のバルコニーがある。
ドラマの中で何組ものカップルの思いがそれらのバルコニーを行き来したが、今回はミフリマーフとマルコチョールだった。
ミフリマーフはそのあと廊下でマルコチョールから手紙をの返事をもらった。
リュステムがミフリマーフのマルコチョールへの手紙を盗んでしまったため、返事が遅れたのだった。

「あの手紙の返事をお待ちになっていたそうですね。またせて申し訳ありませんでした。」

手紙をもらって部屋に戻るとそこにはエスメハンが待っていた。どうやら二人はマルコチョールのことを話していたらしい。
その時エスメハンがマルコチョールに話にいったがよいと勧めていたのだった。
エスメハンは

「どうしましたか?話すことができましたか?」

と聞くと

「その必要はなかったわ」

と嬉しそうに手にした手紙を見せた。 二人は座り、ミフリマーフは手紙を読み始めた。 エスメハンは

「どうしたの。マルコチョール様はなんて書いたの?」

そして内容を話した。

「会いたいとのことだったわ」

「それだけ?」

「そうよ、会って話したいそうよ。もう遅いわ。休みたいの」

と言うミフリマーフの声には少し元気がなかった。
想い人に会いたいと言われてこんなに沈んでいるのもなんだが、 エスメハンは

「わかったわ。おやすみなさい」

と言って出ていった。 その後ミフリマーフはもう一度手紙を読み直した。 今回はマルコチョールの声で手紙は読み上げられた。
「皇女様、あなたを悲しませる気持ちは毛頭ありません。
悲しませないために返事が遅れてしまいました。
私の沈黙を勘違いなさらないことを・・
あなたに私の名でどなたが手紙を書いたかわかりませんが、ですがその中にかかれたことはほぼ正しいです。
私は皇帝様と祖のご家族に忠誠を尽くす一介の兵士にしかすぎません。
私は生涯これまでそうであったように、これからもこうのようであります。
私に他の夢はありません。
それは不可能です。
どうか私をお許しください。」

だった。なんとまあ!
天下の皇女が見事ふられたのだ!さすがマルコチョール!
彼は地位や権力には目もくれないのだった。

マルコチョールへの手紙がよみあげられる

ミフリマーフが頭のマッサージをしてもらっていると、彼女の部屋に女奴隷がやってきて
「マルコチョーさまがあなたに書いた手紙が見つけられた。女奴隷たちがそれを見ている」

伝えると、ミヒリマーフは途方に暮れる。
女奴隷たちは手紙を楽しんでいる。

その手紙にはマルコチョールは
「手紙を誰が代わりに書いたかわからないが、その文は正しいです。
私はいと高き皇帝とオスマン家に忠誠心で結びついている一人の兵士です。いままでもそうでしたし、これからもそのように生きます。
私は他に何も望むものはありません。
どうかお許しください。マルコチョールより」
と書いた。

そこまで言うところまで読み上げると、ミフリマーフがやってくる。

振り向くとミフリマーフがいるので女奴隷は驚く。みんなの前を通り過ぎるミフリマーフ。そして

「手紙を誰が渡したのか」

と厳しく読み上げた奴隷に問い詰める。

「皇女様、誓って申し上げますが、何も存じません。ここで初めて見つけたのです。私の寝床に置いたようです」

すると

「エスメハンね」

と言って頷くミフリマーフ。
そうなのだ、これはエスメハンの仕業だった。ミフリマーフは窮地に立たされた。

ミフリマーフの告白とマルコチョールの結婚話

マルコチョール仕事部屋に入るとそこにミフリマーフがいた。そして

「マルコチョール」

と呼びかけた .気が付いたマルコチョールは

「あなたはここでなにを・・・」

と言うと彼女が近づいてきた。
ライトグリーンのさやかかな衣装とライトベージュのスカーフとても似合っている。彼女は

「あなたを待っていたのよ。あなたと話すときが来たと思ったから。そうでしょう? 」

するとやれやれと言う感じでマルコチョールが

「お許しください。あなたにここに来るのは良くないと何度も忠告しましたが・・・」

「心配しないで、誰も知らないから。それに皇帝の近侍に会うのを誰が止めることができるというの? 」
(誰も知らないということあるだろうか。サライで誰も知らないことがあるとは思えない。必ず誰かが何かを聞き何かを見ているのだから)

「でていかなければなりません」

とマルコチョールが言うと逆にミフリマーフは一歩マルコチョールに近づき、

「私を見て、こどもにみえるかしら?」

「いいえ。勿論子供ではありません皇女様。ですから私の言うことをお聞きください。出ていかなければならないのです。二度と・・・」

とそこまで言うと彼女は

「ならばもう私を子供のように扱うのはやめてちょうだい」

と言った。

マルコチョールは

「皇女様」

と答えるしかなかった。それからミフリマーフは意外な行動に出た。
マルコチョールのリストに手を載せたのだ。そして

「マルコチョール、私が見えないの?私があなたをどのように見つめているかわからないの?私の心の鼓動が聞こえないの?」

と告白を始めたのだ。 するとマルコチョールは

「これは起こりえないことだとお書きしましたが」

と言うと手をはなしながら

「アイビゲのせいね。彼女との経験のせいなのね。同じことをしたくないのでしょう?そのためにご自分を我慢してるのでしょう?このために私を遠ざけるのですね。そうでしょう?

と迫った。マルコチョールはアイビゲの話を持ち出されて気分を害したにちがいない。それで

「何も関係ありません」

と答えたが

「だったらなんなの?なぜ私を望まないの?」

とこりもなく聞く。 初恋はこういうものなのかなあ?
その前にマフリマーフの初恋はヤフヤなの、それともマルコチョール?
どちらかわからないけれど、 ミフリマーフもヒュッレムと同じように恋に必死になるタイプのようだ。

次のシーンでは
ミフリマーフはハレムでうわさばなしを耳にした。マルコチョールの恋のお相手の話だ。
それを聞いたミフリマーフが自分のことが知れ渡ったのだとおもって、
噂していた彼女たちに

「ここへ来なさい」

ときつく命じた。

「何を話しているのあなた方は? 私の噂をすることが許されると思っているの? 」

と聞く。すると

「皇女様お許しください。ですが、あなた様についてではありません。」

「ないとはどういうこと? 少し前に聞いたことは何? 」

「あなたがお聞きになったことはエスメハン様のことです。
おゆるしください、皇女様私たちには何の罪もありません。そう噂されています」

「話してみて」

とミフリマーフは不思議に思ってさらに聞いた。

「きいたところによるとエスメハン様とマルコチョール様がひそかに会っているそうです。
相思相愛の仲だそうです」

え!と驚いたミフリマーフ。
ほんとになぜこんなことが?
自分についての噂よりもこれにはもっと驚いたのだ。

そうとは知らずミフリマーフは侍女にエスメハンを探さなければと言って部屋に戻った。
そこへエスメハンが呼ばれてやってきた。

「やっときたわね 」

とミフリマーフが恨めしそうに言うと、 エスメハンは

「時間がないの、母が気づく前にすぐに戻らなければならないわ。あなたと私も話したかったの。何が起こったか知ってなら・・・」

「何が起こったか知っているわ。みんながあなたのことを話しているから。マルコチョールと一緒だったそうね」

とミフリマーフがいうと、エスメハンも困った様子で

「どうしてこのうわさが出たのかわからないわ。母の耳にもはいったのよ」

と言うと、

「え?何?シャーおばさまもご存じなの?」

と聞かれた唾をのむエスメハン。それから態度が一変したミフリマーフは

「何もないのにどこからこのうわさが出たというの、エスメハン。さもなければ私の知らないことがあるのかしら?あなたは私を裏切っているの?」

鋭い目つきで彼女を責め始めた。

「どういう意味?何を私がしているというの?ひそかに私がマルコチョール様と会っているとでも?これを信じているの?」

と言うとミフリマーフフンフンとせせら笑うように

「いいえ、もちろん違うわ。でも誰か私たちの間を壊そうとしている者がいることも確かよ。手紙のことを忘れていないわ。マルコチョール様もこのために躊躇しているのよ」

と言った。そうまでいわれるとエスメハンもさすがに起こり始めた。そして

「自分ではないわ」と言って出て行った。

これはリュステムが故意に流した噂だった。

シーンは変わってミフリマーフはヒュッレムに会いに行くヒュッレムはつくらせようとするモスクの模型を見せた。 でもヒュッレムはミフリマーフの様子が変なのにきがついた。
そこで彼女が尋ねるとミフリマーフはマルコチョールの噂についてを話し始めた。
「シャースルタンもご存じでマルコチョール様と結婚させたがっていますわ。これは良い知らせではありませんね」

とミフリマーフは言った。
彼女は頭がいい。もしそうヒュッレムに言えば200%の確率でマルコチョールとエスメハンの結婚を妨害しようとすることを知っていた。
だからこそヒュッレムに今エスメハンから聞いたばかりの話をヒュッレムにしたのだった。

マルコチョールがエスメハンの夫になるということは、シャーの味方になるということだからヒュッレムにとっては危機なのだ。

ミフリマーフとエスメハンそしてマルコチョールはどうなるのだろう?シャーはマルコチョールを婿にすることができるのだろうか?

マルコチョールはシャーに娘と結婚せよ

ニギャールがシャーをおとずれた。そしてエスメハンとマルコチョールの噂をつたえた。 ニギャールはディヤルバクルにいるはずだが、このころまだニギャールは帝都にいた
夫のリュステムがムスタファのそばに行ったからだ。ムスタファは反乱を抑えるため遠征に出かけていた。

娘の悪い噂をを知ったシャーはマルコチョールを呼んだ。なんとまあ、マルコチョールはいつも女性問題に巻き込まれる。(そういうキャラなのかな?)
シャーは
「あることがみみにはいってきたの」と言い始めた。

「あなたを傾聴します、皇女さま」

とマルコチョールは丁寧に答えた。

「あなたと率直にお話しするわね。マルチョール。あなたも同じようにすると信じているわ。娘のエスメハンとあなたが何か関係があるといわれているのよ」

とニギャールから聞いたうわさについて切り出した。

「本当ですか 。誰が言ったかわかりませんが、嘘です、皇女様。 これは中傷です。このようなことは全くありません。ありえません」

とマルコチョールは断固否定した。

「ではなぜみんながこのはなしをしているの? 」

「わかりません、皇女様 。ですがすぐに私は調査することは確かです」

するとマルコチョールの方に近づい

「いいえきいて、あなたはとても皇家に忠実な軽騎兵の兵士です。皇帝があなたを信頼していることは知っています。あなたは彼の近侍になりました。あなたの言葉で十分ですよ。 でもわかったことは誰かがあなたをおとしいれたがっているのは確かですね」

とマルコチョールのことを信じたようだ。

「 あなたが私を信じてくださったことが何よりも重要です、皇女様 」

と安心したようにマルコチョールは答えた。

「今大事なことはこれからどうするかですよ 、私の娘の将来に係ることですからね。 一度噂になってしまったからには、ルトフィ・パシャや皇帝にも知られるわね。 このような場合は娘とあなたを守らなければならないわ]

と一瞬黙ってから、シャーは

「そのためあなたを娘と結婚させることに決めたわ」

といった。
マルコチョールの目の前は真っ暗になった。
彼にはないも罪も落ち度もない。でも彼は今また窮地に立たされている。

マルコチョールはエスメハンもミフリマーフも結婚相手には選びたくなかった。
だがシャーの申し出を断ることなどできるはずもない・・・

さてマルコチョールはどうするのだろう?

マルコチョールの罪はハンサムで強くて情熱的であること?

マルコチョールがマトラークチュに悩みを打ち明けていた。

「板挟みになってしまったよ。どうすればいいのやら・・・」

「なにもいえない。片方はミフリマーフ皇女様そしてもう片方はエスメハン皇女様だものな。この状態ではあなたは決定しなければならないね」

とマトラークチュも困った様子だった。

「もうシャー様は決断してしまっているのだ。『結婚するのよ』と彼女は言ったよ。どうすればいいのだ?」

と言うマルコチョールに、マトラークチュは

「ミフリマーフ様と話するのはどうかな? 彼女が自ら妨害しようとするよ」

と栗島切れの案を出してみた。

「いやこれは不可能だ」

とマルコチョールは言う。

「何故できない? ミフリマーフ様は世界の支配者の娘だよ」

とマトラークチュがそこまで話すとノックする音が聞こえた。 手紙を持ってきたのだ。

「それは皇女様が私に会いがっている。終わりにするときが来たな」

と言いてマルコチョールは出ていった。

シーンは変わってヒュッレムとスンビュルがシャーの決定について話していた。

「シャー様は本当にかしこいです。マルコチョールを味方につけるためには最高の方法ですよ」

とスンビュルが困ったようにいうと、

「これをくいとめなければならないわ。この結婚を破談にしなければね」

と言うが、スンビュルは

「お許しください、ですが、なにもできませんよ」

と答えた。

「マルコチョール様はシャー様に断ることはできませんから」

「皇帝の許可がなければできないもの」 とヒュッレムはいった。

「それはそうですが、皇帝様がなぜこの結婚に反対するのですか?」

とスンビュルが言った。確かに皇帝はシャーをなぜか気にいっている。マルコチョールも気にいっている。皇帝にとっては喜ばしい縁談だった。それを十分知っているヒュッレムは

「この結婚が成立すればシャースルタンの権力が増大し、何をしてもくずすことはできないわ」

とかなり追い詰められた様子で言った。そこへファーリエが入ってきて

「皇帝妃様、マルコチョール様がエスメハン様と大理石の間でお会いになるとのことです」

と知らせに来た。ミヒリマーフの付き人が知らせたとのことだった。

「ミフリマーフもこのことが気にいっていないのね。あっていることを明らかにしなければならないわ」

とヒュッレムはいいながら、大理石の間へ急いだ。 だが中に入ると、エスメハンはいなかった。 マルコチョールと会っていたのはミフリマーフだった。
この時ばかりはヒュッレムムかなり驚いたことだろう。
エスメハンではなく自分のむすめが密会している現場に乗り込んだのだから。
それも娘がいるとは知らずに・・・

ミフリマーフは懸命に弁解しようとしたが、ヒュッレムは激怒し、

「すぐに、ハレムへ戻りなさい」

と静かだが怖い声で命じた。 残されたマルコチョールはなんともかわいそうだ。 彼はそれからヒュッレムに尋問された。

「ミフリマーフ様が個人的なことでお話したいとのことでした。しらせをいただいてすぐに来ました」

と答えた。

「個人的なことは明らかね。密会していたのだから。私はあなたを皇帝の近侍だと思っていたわ。彼のそばにいつもいなければならないはずなのに、あなたは皇女たちの後を追いかけまわっているのですね」

と卑しめた。すると

「それはしんじつではあいりません」

とマルコチョールが返すと、フフンとあきれてヒュッレムは

「真実とは何!いってごらん!彼女たちがあなたの周りをうろついてるといいたいの。そう皇女たちをぶじょくしたいわけ?」

と言うと、マルコチョールは弁解しようとしたが、ヒュッレムは聞く耳を持たなかった。

「気をつけなさい、マルコチョール!あなたは間違いを犯しているわ。金(イブラヒムの財産)についてシャー様たちを守ったのをどうやってまもったかを知っているわ。
それからそのあとでエスメハンとの噂が出たわね。
でもいまあなたと私の娘が一緒にいるのを見たのよ、インシャアラー、これが彼らと陰でけったくしていることでないことをいのるわ」
というと

「ご心配なさらないでください。私は誰とも手を組むことはありません。ただ偉大なる皇帝様にお仕えするだけです」

と彼はきっぱりと答えた。

本当にマルコチョールは何も悪くないのに、いつも責められるのは皇女たちではなく家来たちの方だ。これはとても理不尽なことだ。
もしマルコチョールに罪があるとすれば、それは彼がハンサムで強くそして情熱的だからと言うことだろう。

さてこれからマルコチョールはどうするのだろうか?

ミフリマーフはマルコチョールと結婚したい

「何故したのですか。
マルコチョール様がばっせれるだけでなく自分自身も大変なことになるわよ」

とエスメハンは心配しながら聞いた。

ミフリマーフは

「いいえ、私たち二人にとって良いことをしたのよ」

と言った。やはり何かわけあげがあってのことらしい。
「そうでなければマルコチョールはずっと私から逃げたことでしょ。もう今は秘密にする必要がなくなったのよ」

と言った。

「いいけれど、彼のいのちが危険よ。もし皇帝様の耳に届いたらどうするの? 」

「私の望んでいたことはこれよ。インシャアラーだれかが話すでしょう。そうすればマルコチョール様の恐怖も消えることでしょう。それに相手が私なのだから誰も彼を害することはできないわ。」

そうだったのか、公にしたかったんだ。ミフリマーフはマルコチョールが自分のことを好きだけれど、アイビゲのことがあるので、彼が彼女に近づくのを怖がっていると思っているんだ。その恐怖を取り除かせるためにしくんだことだったのだ。

でもちょっと待ってください、でも今までのことを考えると、マルコチョールはもし自分が好きになったなら、決してとどまることはしないのだからミフリマーフは何か勘違いしているのかもしれない。

皇女である自分を拒むものはいないと自信があるようだ。

だがそこへヒュッレムが怖い顔をして入っててる。そしてミフリマーフに強い口調で

「あなたは右の耳から入って左の耳に私の言葉が抜けてしまったようね。だからあなたを大理石の間でみかけることになったのよね。
わかったわ、あなたの将来のことを考えないのはわかったわ。でも皇帝の将来を全く考えないのはどういうことなの? 」

といった。するとミフリマーフは言い訳をし始めた。

「あなたが考えたようなことはありません」

するとヒュッレムは

「マルコチョールはあなたが呼んだといいましたよ。そうなの?」

と聞いた。

「はい私が呼びました。でも誰かがしらせに来て同じように彼も会いたいとのことでしたわ」
とありもしないことを言った。

「どういうこと?」

とヒュッレムが聞くと、

「エスメハンの噂について話そうと思ってよんだそうです。私に少し興味もあったのですよ」

と言うのだが、呆れたようにヒュッレムは ミフリマーフと言った。

「マルコチョールと結婚したいとあなたが言っていたのを覚えているわ。それでもマルコチョールのせいにするの」

「いいえ。私たちはただ話をしてただけですわ。どうか信じて、私も彼もあなたに恥ずかしい思いをさせることはなにもしていません」

というと、ヒュッレムは強硬手段に出た。

「今後ハレムから出ることは禁止よ。黄金の道のむこう側へは行ってはだめよ」

とうのだ。

「そんな」
と反論すると ヒュッレムは

「黙りなさい、マルコチョールはいないのよ。忘れなさい。2度と彼をあってはなりません」

と強い口調でいってでていこうとすると、ミフリマーフは

「私にやくそくしたでしょう?」
といった。
ヒュッレムは反応して振り返り、

「何のこと?」

と尋ねながらも昔のことを思い出していた。それは遠い昔の約束だった。

「あなたが好きな人と、あなたの心をドキドキさせる人とあなたは結婚してもいいのよ」

といったことを・・・

「と言うことはあなたは結婚したいのね。そのためにあなたは見つかってほしかったのね」

と言うとミフリマーフは無言のイエスを語った。

ヒュッレムはため息をしながらやれやれたいへんなことになったわと内心思った。

シーンがかわって、ミフリマーフがマルコチョールを見張っていることが分かった。

マルコチョールは酒場にいた。結婚をせまる女性がそこにもいた。

マルコチョールは結婚話にうんざりした様子だった。

あそこでも、ここでも、どこへ行っても結婚話がなぜか彼には持ち上がる。

結婚したらよい夫になりそうにもないのだが、なぜか女性たちの心を彼は惹きつけた。

ミフリマーフはマルコチョールと結婚できるのだろうか?

エスメハンの葛藤

エスメハンが鏡の前で髪をととのえていると母のシャーがはいってきて

「エスメハン、今日は顔にバラの花が咲いたようね」

というと

「お許しください、いらしたのに気が付きませんでした」

とエスメハンは答えた。エスメハンの黄緑色の衣装もとても素敵だ。エスメハンは淡い色が似合う皇女だった。笑顔もどこか品があって皇女ぽい。 シャーは
「誰のためにこんなにきれいにしているの?」と優しく尋ねた。

「だれも」

とはにかみながら答えるエスメハン。

「心に思ったことがあったなんでも言ってね。もう子供ではないのだから。あることを話す時期が来たわ」
「お伝えすることは何もありません」

と微笑みながら言うエスメハン。

「今日でなくてもいつかご縁があるわ。そしてあなたは結婚するのよ。誰だかも明らかだしね。マルコチョール様と話したわ」

と言った瞬間顔からエスメハンの笑顔が消えた。一瞬に不安と消沈した気持ちが現れた。 そこへ父が来た。エスメハンは授業があるからと言って出ていった。彼はシャーにムスタファが大きな罪を犯しスレイマンがお怒りだと伝えた。

そのあとエスメハンは薄ピンクの衣装でメフメト皇子の部屋を訪れた。この色も素敵!(それに彼女に似合ってる。) エスメハンは

「噂についてお耳にはいったと思います」

と言った。するとメフメトは

「なんのことについていっているのだ?」と尋ねた。

「マルコチョール様と私の関係についてです。とても残念なことですわ。決してそのようなことはありません。ありえませんわ」

と一生懸命いいわけをした。するとメフメトは

「今初めてあなたからきいたよ。マルコチョール様は皇帝の近侍だ。彼のよくないことがあってはならない」

と答えた。エスメハンはガーーーンと金づちで頭をなぐられたような衝撃を受けた。
なんともかわいそうなエスメハン・・・
彼女はメフメト皇子に恋をしていた。その相手が自分のことを何も気にかけていないだけでなく、 マルコチョールの心配をしたのだから、絶望的な気持ちになるのは当たり前だ。
そんな気持ち部屋から出るとたまたまミフリマーフがやってきて、

「エスメハンどうしたの?様子が変よ」

「何でもないわ 」

「メフメトとの間になにがおこったの?あなたをかなしませることをなにかいったの?」

「いいえ、何をいえるというの?」

「彼の言葉に感じたことには目を閉じなければならないわ」とミフリマーフが言った。

「わかったことはメフメトはしらないということよ 」とエスメハン。


「エスメハン、我にかえりなさい。このようなことが不可能だということをしらないの?彼は皇子なのよ、このような関係はありえないわ。勿論あなたもね 決して(ありえない)!」

と言うとエスメハンは部屋から出てきたときよりもより悲しい顔になって去っていた。
ある人が起こったつらい事実や悲しい真実を自分の頭の中だけで考え理解している時よりも、言葉や文字とし自分の頭の中から外に出した時、つらさや悲しさがより強くなる場合がある。
そんな時は外に出さないでじっとうずくまって、そのつらさや悲しみがおさまるのを待つ方が、負の感情を少なく感じられるような気がする。

だからエスメハンはミフリマーフにいうべきではなかった。エスメハンの悲しみはより深まってしまったからだ。
反対にミフリマーフはエスメハンの胸にグサッとくぎを打ち込んだ。そして得意げに絶望したエスメハンを見送ったのだった。 だがその釘は自分の胸に差され返されることになるのをミフリマーフはこの時知らなかった。

エスメハンとの結婚をスレイマンに打診されるマルコチョール

シャーとハティジェはムスタファのことを心配していた。そこへ突然エスメハンが入ってきて爆弾宣言をした!

「私に決めるようにと望んでいられましたね。つまりマルコチョール様とのことです」

「ええ」 とシャーが答える。

「私は決めましたわ。マルコチョール様と結婚することを受けいれますわ」

というと、ハティジェは良かったというように微笑み、シャーも驚いたようだった。

次のシーンでは

ミフリマーフはムスタファのお供をして帝都に来ていたヤフヤーに久しぶりに廊下であった。

「皇女様、私は・・・なんてもうしあげてよいかわかりません。あの日から平安は私には禁じられました。眠りも禁じられました」

と悩まし気にいうと、

「いつの日のことをいっているの?」

ときくミフリマーフ。

「あなたとお別れした日のことです。とてもつらかったのです。信じてください。いまだに痛みと悲しみの中で生きています。何をしてもあなたへの愛が・・・」

と言うところでミフリマーフは彼の言葉を冷たく遮った。

「なんという侮辱!目の前にいるのが皇女であることをあなたは忘れたようね」

と言い捨てて去っていった。残されたヤフヤーは頭をガツンと殴られたような顔をした。何が何だかわからないという表情だった。

でもこれはヤフヤーにとっては良かったのかもしれない。彼もミフリマーフへの思いがこれできっぱり振り切れただろう。

部屋にもどったミフリマーフの元へエスメハンが来た。

「マルコチョール様と結婚することに決めたわ。今母が皇帝様とあっているの」とエスメハンは勝ち誇ったようにいった。

最初は同じ年頃の娘としてミフリマーフの恋を応援していたエスメハンだったが、このころには二人の間は以前のようではなかった。

噂が流れ、ミフリマーフがエスメハンにひどいことを言ったからだ。エスメハンはメフメト皇子に思いを寄せていたが、それについてもミフリマーフはかなり厳しいことを彼女に言った。

結果的にはメフメト皇子とエスメハンについていったミフリマーフの言葉が、エスメハンがマルコチョールとの結婚を決めるきっかけとなってしまった。
シャーは皇帝と会い、そして

「エスメハンを結婚させたいのですが」というと、

「誰を考えているのだ 」

「もしあなたがおゆるしくだされば、近侍のマルコチョール様を考えています」

と言うとスレイマンは良い縁談だと思いながら微笑んだ。それからマルコチョールがスレイマンの部屋に入り、

「エジプトの知事スレイマンパシャから知らせが届きました」と手紙を渡そうとすると、マルコチョールに読むように命じた。

ポルトガルに不穏の動きがあり、放置するとインドはポルトガルの手に落ちるだろうことと、スエズ運河での軍艦はほぼ完成し準備万全であること、出陣を命じてほしいということなどがかかれてあった。

スレイマンは

「アヤスに伝え御前会議で検討するように」

と言いそして

「ローマ法王は何してる?」

と聞いた 。

「今のところ情報はありません。ですが監視を続けています」

とマルコチョールが答えると、スレイマンは彼を見て

「ここにきて座れ」と言った。

スレイマンは部下を座らせたことはまれだ。 なんだか嫌な予感がしたマルコチョールだった。

「最近お前は何かおかしい。問題や悩みがあるならいってみよ」

とスレイマンは兄のように優しく尋ねた。

「どんな悩みもございません。ただ遠征の準備でいそがしいです」

とマルコチョールは答えた。本当は今皇女たちのことでえらい目にあっているのだ。

「時の流れるのははやいものだな。家族を持つ時がまだこないのかい? 」

とスレイマンは話し出した。ほら来た、どうしよう、エスメハンのことだきっと思いながらマルコチョールは

「ご縁がありませんでした」と答えた。

「お前は私のそばにいるのだからそろそろ身を固めなくてはな。やすらかになるときがひつようだよ」と優しく話しかけた。 そして

「シャーが今日来たよ お前のことを話したんだ。お前を娘のエスメハンはどうかというのだがね。私もよいと思う。思えはどう思う?」

と言った。やっぱりこの話だったかと気持ちがうつむき加減になるマルコチョールは

「光栄です」

と悲しく答えた。すると

「お前のこころにうかんだことをはなしてみなさい」とマルコチョールを促した。

それからマルコチョールが部屋から出るとそこにはヒュッレム親子がスレイマンに会うために待っていた。 中に入ったヒュッレムはマルコチョールのことを聞いた。するとスレイマンは

「すこしはなしたよ。シャーの娘エスメハンとの結婚についてだ」と言った。

するとヒュッレムは

「良かったですわおめでとうございます」

と引きつった顔でお祝いの言葉を述べた。するとスレイマンは

「だがマルコチョールは結婚したくなさそうだった。心に想う人があるようだね」

と言った。ミフリマーフはほっとしたよ言う表情をし、ヒュッレムは良かったけど良くないという顔をした。

エスメハンとの結婚がなかったのは良かったが、マルコチョールの思い人がミフリマーフだったらよくないからだった。

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