オスマン帝国外伝シーズン3 52話ハイライト シェイタンよりもひどいシャーのお芝居

スレイマンが重傷を負いムスタファが帝都に攻めてくるという情報の翻弄されたヒュッレムは、皇子たちの命を守るために

重大な決断を下した。

シャーにも預けず、安全な場所に移そうとした。

その馬車で護送されている途中で、皇子たちは拉致されてしまった。

そのことを聞いて、ヒュッレムはすぐにさがしに出かかた。

そこへファーリエが現れ、馬車を止めた。

「どうしたの？あしあとをみつけられたの？」

「森の中まで追跡しましたが、私にはきがつきませんでした。 彼らは小屋につれていきました。 私はお知らせしようと戻ってきたのです」

と息を切らせながらファーリエは伝えた。

ファーリエを馬車にのせすぐに追いかけるヒュッレム。彼らはレンガ造りふるぼけた小屋についた。

ここに皇子たちはいるのだろうか？

犯人はだれなのだろうか？

ファーリエは

「ここにはいりました」と言った。

「何人ぐらいだった？ 」ときくと

「たくさんいました」横たえた。

「ここでお待ちを、兵士たちを連れてきます 」

と従者が言うと

「いいえすぐにはいるわ」

と急いでヒュッレムは中に入った。 だがそこにはこうしたちはいなかった。

暗い小屋の中からあらわれたのはなんとシャーだった。

その時のヒュッレムの表情は何とも言えない。
何が起こったのかすぐわかったが、なぜかはわからなかった。
まさかシャーが甥っ子たちを手にかけるはずもない。

ではなぜ？

そんなことが頭の中をよぎる。

ヒュッレムは彼女に近づいていく。
そしてシャーと対面した。 シャーは

「やっときたわね。あなたをまっていたのよ」

といった。ヒュッレムをまっていたようだ。

「どういうことですか、皇女様、子どもたちはどこですか」

と当たり前の質問をした。 すると

「そうあわてないで、皇子たちは無事よ。宮殿へおくりとどけたわ」

「なにがおこったのでしょうか？ 」

ヒュッレムがもう一度聞くと、

「まだわからないの？すべてお芝居よ。皇帝はおかげさまで元気よ。けがもしていないわ。勿論メフメトもセリムもね。
ムスタファパシャに私がその情報をあたえたのよ
それにムスタファ皇子はマニサをでていないわ。
彼はこのことについてなにもしらないのよ。
あなたに情報を持ってきた者は私の従者なの」

と語り始めた。え？そうなの？

なんとまあ！

驚いたのは私たちだけではない。ヒュッレムも相当驚いたに違いない。

ともかく危機が去ったという安堵感が体中を駆け回り、脱力感が彼女を襲った。

だが同時に湧き上がる怒りの念も半端じゃなかった。

それらの気持ちを抑えながら

「おめでとうございます。こんなことは悪魔でさえも思いつかないですわ。」

といった。

「これらのことの意味は何かを尋ねたわね。では聞いてヒュッレム」

そして続けた。

「私たちは他のものとは違うわ。ルトフィはイブラヒムに、そして私はハティジェに似ていないわと忠告したのにあなたは耳も貸さなかったわね。
あなたにもう一度おもいださせたかったのよ。
わかったでしょう？」

「ほんとの目的は何なのかおしゃってください。イブラヒムパシャの復讐ですか？」

と聞くと、

「イブラヒムパシャのことはあなたにより多くの教訓をあたえているわ。

イブラヒムパシャもあなたと同じように一人の奴隷だったわ。
でも分をわきまえずに、自分は何も失わないと思っても、一瞬にして失うわよ」

というと、ヒュッレムの怒りが爆発して

「私はあなたを信じましたわ。

なぜならオスマン家の人であなたが初めて私に良く接してくれたからですわ。
私を理解しようとして下さるので、とても好きでしたわ。
つまり、初めから私の敵だったのですね。他の者たちと同じように・・」

ヒュッレムは本当に惨めだった。シャーの言葉で初めて彼女は自分をオスマン家の者として感じることができたし、ヒュッレムも彼女に対して心から情愛の念を示してきた。

にもかかわらず、このようなことをするなんて、彼女はダブルパンチではなくトリプルパンチを食らった気分だった。

思えばヒュッレムは自分に敵対しないものを最初から敵としてみなし、ひどく扱うことはなかった。

ヒュッレムは気持ちを抑えきれなくなって、なきながら

「あなたはハティジェ皇女様に似ていないとおっしゃいましたね。
本当ね、
あなたが正しいですわ」

といった。 そして声を荒げて

「でもあなた方の行く末は同じだということをあなたに誓いますわ」

と叫びお辞儀をして出て行った。

手ごわいシャー。でもこんなことをして大丈夫なんだろうか？スレイマンがしったらえらいことになるのに・・・