オスマン帝国シーズン3 47話 ヤフヤーの苦悩 愛か忠誠か?
ヤフヤーは今ハティジェの家にいる。
そこにミフリマーフの付き人ズムルトやってきてヤフヤー様と声をかけた。
ヤフヤーは
「やあ、ズムルト 皇女様から何かメッセージがあるか」
ときくと、
「ミフリマーフ様がこれをあなたにわたしたいとのことです」
と言って手紙をうけとって、
「明日おまちしていますとつたえてくれ」
と言って去ろうとすると、ズムルトが呼び止める。
そして
「ヒュッレムスルタンに禁止されています。
もしこのことが明らかになったら、ただあなただけではなく、皇女様の悲しむことになるでしょう」
「何がいいたいのか?」
「分をこえましたが、私はただ皇女様の未来を考えているだけでございます」
と言うと、
「自分の仕事をせよ」
とヤフヤーは言った。だが彼は悩んでいた。
だが問題はそのことの前に、その様子を窓から見ていたものがいたことだ。
マヒデブランだ。
彼女はヤフヤーのところへやってきて
「手紙を送ってきたの?」
と尋ねた。
「后妃様、想像なさっているようなことではありません。他のことです」
と言うと、
「わたしによこして」
と言われ躊躇するヤフヤー。
勿論マヒデブランから逃れることはできない。彼女はもう一度
「よこしなさい」
と強い口調で言った。
しかたがなく、ヤフヤーは渡す。
よんだマヒデブランは
「つまりあうのね、ミフリマ―フも母親のように勇敢なことね。
私はあなたに何と言ったの!
この愛をあきらめなさいといわなかった?」
ときつく、いう。
実は以前マニサにもミフリマーフから手紙が届いていた。ちょうどムスタファ暗殺未遂事件が起こっている最中のことだ。
手紙を読んでいるヤフヤーをマヒデブランは偶然見かけ、彼を疑ったのだ。
その時あきらめるように忠告した。このことはムスタファは知らなかった。
ヤフヤーは
「皇子様お許しください、私はできません。」
「あなたはあきらめなければならないわ。やふやー!
あなたはムスタファ皇子の 腹心の友ですよ。
彼を守らなければならないわ。
なのに一人の女性のことで、画策しようとしているのよ」
「后妃様」とヤフヤーは頭を下げる。
「あなたに悪い意図があってしているのではないことをわかっているわ。
あなたは皇子に忠誠を尽くしているわ。
ですがこの愛はあなたを弱くするわ。
これを許すことはできません。
さらにこの弱さが我々の敵と共に反逆するところにまであなたを落とすわ」
「后妃様、私は決してあなたがたを裏切ることはしません」
「あなたは決断するのよ。私たちと共にマニサに来るかここにのこるかをね」
といって去っていった。
わあこれは大変なことになった。
でもマヒデブランの言っていることにも一理ある。
このままでは、いつかもしかしたらヤフヤーはミフリマーフの側につくかもしれない。
つかないとしても重要な情報がしらぬまにミフリマーフに洩れるかもしれない。
ヤフヤーはどうするのだろう?