オスマン帝国外伝シーズン3 45話ハイライトイブラヒムが運ばれるのを見たスンビュルは・・

イブラヒム・パシャが黒づくめの男たちに運ばれる時、

「私はイブラヒム

深い水の中で泳ぎを覚えたイブラヒム

心が血を流しても得られない答えを

天空に、星々に、奇数と偶数の数字の中に、文字の中に、山の頂上で、

真っ暗な井戸や地下に(探し求めるイブラヒム)

強力な目の中に恐怖を感じるものを探し続ける(イブラヒム)

こうして得た答えにまた新しく光を与えるイブラヒム

自分自身と言う地獄で燃える(イブライム)

安らかな眠りが禁じられているイブラヒム」

とイブラヒム役のオカンさんの低い声でナレートされると
次にスレイマンが

「イブラヒム、

パルガ生まれのイブラヒム。

私の鷹匠頭、

私の小姓頭 

私の大宰相、

私の君侯、

私のイエニチェリ、

私の狩猟仲間、

私のみちづれ

私の同志、

私は私の心をあなたに送った。

それがまた私の元に戻ってくることは決してない。

ありえない」

とナレートしながら、うずくまる。

スレイマンは彼の心(gönül)をイブラヒムにすべてささげてしまったようだ。
それほどイブラヒムへの愛は強かった。スレイマンは二度と彼のような人物を得ることができないだろうと感じていた。

これは本当に辛くわびしい感じ方だ。
よく「心にぽっかり穴が開いた」と言われる。
その穴を大帝のばあい時が味方してくれて徐々に埋まっていくものだが、スレイマンの心は違った。

イブラヒムパシャが連れていかれるのを廊下で偶然その様子を見ていたものがいた。スンビュルだった。彼は頬に手を当て

信じられない!

と言う驚きの表情をして急いでは走って行く。

どこへって?それはもちろんヒュッレムのところだ。

夜中なのでヒュッレムは寝ていた。

ナズルが出てきて

スンビュル さま」
とどうしたのかときこうとすると

すぐにヒュッレム一会わなければなりません」
とあわてていうと、
「よいことですよねインシャアラー。こんな時間に・・・」

「はやくしなさい」

と怒るスンビュル。

「スルタンをすぐにおこしなさい」

と言う声でヒュッレムは目覚めた。

ナズルが

朝にお願いよ

というと

「ヤーサブール、ヤーラヒーム、起こしてスルタン様を」

とせかせる。

ヒュッレムが

「ナズル、どうしたの?」と目を抑えながら尋ねた。

スンビュルの来たことを伝えると、ようやくスンビュルは仲には入れた。

そしてかけよると、
ヒュッレムは

「どうしたの、もしや子供たちに何かあったの?」

と聞く。ヒュッレムの一番の関心ごとは今も昔もそしてこれから先も子供たちだ。

「いいえ彼らはとてもげんきですおかげさまで。

ですが先ほどものすごいものを見てしまいまして、大地が揺れに揺れることでしょう」

となかなか要点をはなさないのでヒュッレムはいらいらして、
つまり何?何を見たのか言いなさい!スンビュル!」

としかりつけるように言葉を発した。

彼女はみんなを引き下がらせた。それからスンビュルは

「イブラヒムパシャですよ。彼はとうとう皇帝様のお怒りにふれ・・・」

「なにをいってるの? どうしたですって?」

処刑人たちをみました。イブラヒムパシャのご遺体を運んでいきました」

というと、ヒュッレムは

「スンビュルよ、イブラヒムパシャの遺体だというのは確かなの?」と聞く。

スンビュルが

「自分の目でみました。イブラヒムパシャ様でした」

と言ったときのヒュッレムの顔は何とも形容しがたい。

彼女は望みがやっとかなったのにうれしいというよりも、信じられないという以外にも感じていなかっただろう。

ヒュッレムは確かめにさっそく皇帝の元へ出かけた。

スレイマンはうずくまっていた。

ヒュッレムが入ってくると、無言で彼女を見つめ、それからまたうつむいた。

そしてずっとうつむいたままだった・・・

(やあ、スレイマンの表情!しぐさ!
やはりハリットさんは名優ですね。
素晴らしい演技でした!)
















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