イブラヒムとスレイマンの出会いをメフメトに話す オスマン帝国外伝シーズン3 33話ハイライト

イブラヒムは語る。

「ある日 皇帝様がサルハンの農村にこられました。
あの当時は今のあなたのように若い皇子様でいらっしゃいました。
私にヴァイオリンを弾くことの望まれました。
私はもちろん弾きました。
そして帰るときに私をお供として連れていったのです。

その帰り道に彼の後ろを歩いていました。

振り向き突然私をお呼びになりました。

私はそばに行きました。
そしてこう仰せになりました。

『パルガルよ、私の後ろを歩く者たちは明らかである。
私はあなたを私の同行者となるようにと呼んだのだ。
あの日から今日まで一度も離れたことはありません』」

するとメフメトは
「この帝国はあなたに借りがたくさんあります。兄のムスタファもあなたが育てられたのですよね」と答えた。

するとイブラヒムはすかさず
「神に感謝します、彼は今サンジャクにいます。神が望めば、あなたもいつかサンジャクに赴任なさることでしょう」というと、
メフメトは「とても行きたいです。ですが父はお望みになりませんでした」

「彼はのぞまなかったからではありませんよ、ただまだ準備ができていないとお考えなのです」

「私は準備ができています。私の父がサンジャクに赴任したのはちょうど私の年頃でしたよ」

「その通りです。15歳で行ったそうですね。皇帝は輝きを放つ皇子だったようです。スルタンセリム様も彼をとても信頼していらっしゃたようですね」

と言うとメフメトは悲しそうな顔をした。

それを見つめるイブラヒムの表情はと言うと微妙だった。
イブラヒムはメフメトをサンジャクヘ行かせたがっていたのだ。
ヒュッレムを追い払うために。

こうして何事もないような会話が、実は重要な意味を持っていることが度々ある。
メフメトは知らず知らずにイブラヒムの思惑通りに動くように考えを加速したのだった。

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