ニギャールは娘が生きていたことを知る オスマン帝国外伝シーズン3 27話ハイライト
カデルは新しいお家に連れていかれた。
イブラヒムはハティジェとカデルを一緒に済ませることを望まなかったのだ。
マトラークチュはカデルの新居にやってきて、
イブラヒムに「あとどれほどこのようなことが続くのだろうか?」と問いかける。そして
「小さな女の子には彼女を面倒見る母親が必要だだよ」
と言う。
「母親は結婚したよ。
そうなければ、どうすればよいか私もわかっているのだ」と答えるイブラヒム。
イブラヒムはニギャールをそのままにしておこうと思っていた。
「だがヒュッレム妃がご存じだ」とマトラークチュは答える。
「今まで言わなかったことを見ると、彼女の頭の中には何か考えがあるのだよ」
と言いながら二人はやさしい目でカデルを見つめた。
カデルも引っ越しばかりで、何が何だかわからないだろう。でも彼女はかなり落ち着いていた。
きっとイブラヒムの愛情を肌で感じ取っていたのだろう。
カデルはイブラヒムを拒否することはかなった。
次の日
朝早くニギャールの家をマトラークチュが訪れる。
ニギャールは「リュステムに会いに来たのなら、彼はもう出かけた」と伝える。
するとマトラークチュは
「いいや違うんだ。あなたと話しに来たのだよ。よろしいかな?」
ニギャールは少し戸惑って、
「マトラークチュ様、中にお入りになってと言いたかったのですが、どなたかが見て、勘違いするかもしれません。」とニギャールは申し訳なさそうに言った。
そういえばマトラークチュはい前ニギャールと名ばかりの結婚をしていたことがある。
ニギャールが心配するのも当然だ。
あなたが会いたがっている人がいるんだ」
「なに?誰なの?」とニギャ―ルは質問した。
「くればわかるさ」とマトラークチュは言う。
「わかりましたが、私は・・・」とためらうニギャールに
「私を信用していないのかい?」
「勿論信用していますわ。でもイブラヒムパシャがあなたをよこされたのですよね。私は彼をもう信用していませんの」
と言うとマトラークチュは頷く。
「イブラヒムパシャとは何の関係もない。怖がらないで、あなたに害は及ばないから」と言う。
どうやらイブラヒムの使いではさそうだ。
こうして二人は出かけた。マトイラークチュは彼女を庭のある家に連れていいた。
「なぜここへ来たのですか、どうか何かおしゃっててください。これは誰のお庭なのすか?」
「静かに、少し我慢して」といい、それから「さあ」と言って庭を見せる。
庭にはバラの花の香りをかいでいる小さな女の子がいた。
「あの子はカデルでしょう?」
とニギャールはアマトラクチュに尋ねる。
彼は驚いて
「どうして知っているんだい?
と反対聞いた。
「以前ハレムでこの子を見たのです。ジャーリエの先生であるアフメト先生の娘だとスンビュルアーが言いってました」
マトラークチュは何を言っていいのかわからず沈黙したままだった。
するとまもなく家の中から男が庭に出てきた。そしてその男はカデルのおでこに口づけをしたのだ。
ニギャールは二人を穴のあくほど見つめた。
彼女の頭の中は大波が押し寄せてきて 波にのまれたときのようにくるくるまり始めた。
そして「どうなっているのかしら?」と独り言のように声を発した。それからマトラークチュに向かって
「これはどういうことですか?パシャ様が彼女に何のようがあるのですか」
でもまだわからないニギャール。
そこへマトラークチュが
(オ セニン クズ ニギャールハートゥン)
「あの子はあなたの娘だよ、ニギャールさん」と言ったのだった。
そのあとのニギャールの驚いた顔は何とも言えない。
彼女はカデルとイブラヒムの方に目を向けながら、頭の中が真っ白になっていくのを感じた。
ニギャールはマトラークチュの計らいで、
カデルが自分の娘であることを知ることになった。
ヒュッレムのトリックにかかる前に、ニギャールは娘のことをマトラークチュを通して知ることができたのだ。なんてやさしい人なの、マトラークチュは・・・
こうして彼はニギャールを地獄から連れ出した。
たとえこれから一緒に住めなかったとしても、いのちを奪われたと思っていて実の娘が生きていることを知るだけでも ニギャールにとってはこの上ない幸せなことだった。
とても難しいことだけれど、
カデルとにギュアールが共に暮らしていけるとイイなあと思う。
そうすればニギャールの今までの悲しみ、苦しみがすべ消えるだろうから・・・。