オスマン帝国外伝シーズン4 あらすじ 59話 E127 前編

セリムを出ていくように命じたバヤズィト(バヤジト)だが、セリムはカラアフメトとソコルルを味方につけ、まだ宮殿にのこっていた。

ヒュッレムとバヤジトはフーリジハンのことをセリムがスレイマンに話すのではないかと心配している。
だがこの事実を知っているものはほかにもいる。隠し通すことはできない。
「誰でも間違いは起こす。でもそれを皇帝は許さないわ」

とヒュッレムは厳しい面持ちになる。

「わかっている。そのためには子供の命さえいとわないのだからな」

とバヤズィトは答える。さてフーリジハン問題でバヤズィトもムスタファと同じような道をたどるのだろうか。

ヒュッレムの忠実な付き人のファーリエが飲み物を彼女に差し出せしていると、そこへ少し腰の曲がったスンビュルが入ってくる。ヌールバーヌーが来たことを知らせに来たのだ。
ヒュッレムは彼女に

「お前の義務は息子の悪癖を排除し彼の敵から遠ざけることだ」

と忠告すると

「初めからずっと私のしてきたことがこれだということをあなたはごぞんじです」

と答えると少し皮肉な微笑みを浮かべヒュッレムは、

「それ以外のこともしている」

と続けた。

「何か粗相を犯しましたか」

おまえだろう?フーリジハンをサライに呼んだのは・・・皇子バヤズィトの結婚をみんなに言いふらしたの者はおまえよ!」

「いいえ」

スルタン と言い訳を始めようとすると手で合図して止めさせ近くに寄るようにという仕草をする。

「もしももう一度皇子たちの間をわるくするようなことがあれば、彼らをなかたがいさせるようなことをしようとすれば、溺れ死にさせるわ。わかったの?私を・・」

と声のトーンを低くして静かに言うと、

「お許しください、スルタン様。唯一の私の望みは皇子を守ることです」

といって頼みヒュッレムのドレスの裾に忠誠を尽くすという意味で口づけする。

フーリジハンファトマギュルフェムがお茶を飲んでいる。以前初めてイスタンブルに来た頃は親子のように仲の良かったフーリジハンとファトマ叔母だが、今は微妙に違う。

ギュルフェムがカラアフメットがプレゼントしたという豪華なファトマのブレスレッドをほめると、嬉しそうに話だすファトマ。

フーリジハンが

「セリムはまだハレムにいるの」

と尋ねると

「あなたはバヤズィト以外にも目が行くのね」

と答えるファトマ。話がリュステムのことになると、フーリジハンは

「私も彼を大嫌いですが、バヤズィトを支えてくれているのよ。彼がサライにいることは問題ないとおもうわ」

と言う。フーリジハンは恋に一筋だ。
愛しいバヤズィトのためならリュステムへの憎悪も抑えることができるようだ。
だがファトマとフーリジハンは完全に異なった道を歩みだしていた。

一方今話題になったリュステムはヒュッレムに会いたがっていた。
彼はヒュッレムに会うと

「どこへ行っても私を狙っている。バヤズィトさまの警護があるためなんとか守りのために命を長らえています」

と現状を説明し、さらに今宮廷ではセリムとからアフメトとソコルルの同盟が結ばれている情報を知らせる。

そしてバヤズィトかセリムかどちらの味方かを明確にしなければならないときだとリュステムはいうが、ヒュッレムは苦しそうな表情になる。

アマスヤ
アマスヤではスレイマンの足の具合がまだよくなっていないようだ。その手当てを受けながら

「昔は遠征での勝利に心がウキウキして帰還したものだが、今はそのような高揚からは程遠い」

と悲しそうにスレイマンが話すと付き人は、カラスとコウノトリの話をしだす。

 「人というものは幸せやと喜びではなく、同じ痛みと過ちによってお互いを近づけます」

インサンラル サーデト ヴ ェセヴィンチ デイール、アイヌ アジラル ヴェ クスルラル ビルビリネ ヤクンラシュトゥルル

と慰める。

今の話を聞いてスレイマンは何か吹っ切れたようだ。
宮殿に戻る準備をするようにと告げる。それにしてもスレイマンの心の沈みを高揚させることのできるものは、もうこの世に何もないだろう。ムスタファそしてジハンギルの死の痛みを持ち続けながら彼は生きるのだ。

セリムと息子のムラトがチェスをしている。セリムはシャーを手に取り、

「シャーを失えばゲームに負ける」

と話しているとヌールバーヌーがやってくる。そしてヒュッレムとの出来事話すと、セリムは

「彼女はもはや私の味方でないことはわかっている。これからは自分のことは自分でする」と答える。

宮殿では

「季節が変わるわ。ジハンギルは春を見ることはできないわ。ミフリュニーサは正しかったわ。私たちには終わることのない冬が始まったわ。この後私たちは二度と春を見ることはないでしょう」

とヒュッレムはスンビュルに語っていた。
彼女は自分たちの将来を考えて憂鬱そうだ。
街ではアトマジャたちがリュステムを血眼になって探しているが、その当人リュステムは今宮殿にいる。

 リュステムは弟を亡くした痛みから何ととか立ちなおろうとしていたが、彼の心の痛みは復讐しなければおさまらないようだ。

バヤズィトと会ったリュステム。2人は兄弟を失った痛みを共感する。だがリュステムはその後すぐに

「ムスタファ皇子の死はバヤズィトにとって良かった」

と言うと、バヤズィットは激怒する。

彼は私の兄だ。お前が何を考えようと全く関心がない。だが私の前でおまえはこんなふうに話すことはできない」

と・・
「お許しください。兄弟を亡くしたことについてひどいことを言いました。ですが真実はこれです。もうムスタファ皇子はおりません。
それを踏まえて行動しなければなりません。
私はいつもあなたの味方です。
どうかわたしをあきらめないでください。そうすればあなたの進む皇位への道で私は最も強い武器となりましょう。」

というとバヤズィトは黙る。

政府の高官がセリムについている、強い高官がバックにいない皇子には重きが置かれない。そうだと勝負に勝てない。バヤズィトはそのためリュステムを大宰相に再びもどしたいと思う。
 そこへ手紙が届く。アトマジャからだった。

 リュステムを探すアトマジャは

「これからバヤズィト(バヤジト)皇子に会う」

と仲間にいう。すると彼は危険だと止めるが・・・

コーヒー店でバヤズィトとアトマジャは会う約束をしていた。 

「故ムスタファ兄が最も信頼していたものの話を聞きたい」

とバヤズィトはアトマジャにいうと、アトマジャは話しだす。

「ムスタファが命を取られた前日 私の皇子は私にある約束をすることを望みました。その約束とはあなたと関係があります。

『もし私がこの世から去ることがあればお前の場所は、弟のバヤズィトのそばにある』

と彼は私におっしゃいました。
あなたの皇位への道のために、あなたに忠誠を尽くすようにとおっしゃいました。これから後あなたに命を捧げます。最後の一瞬まであなたに忠誠をつくすことを誓います」

「 あなたのような兵士を私ものぞむ。ではまず最初の命令を与える。リュステムから遠ざかるように。以前のノートは閉じられた。彼が私には必要だ」

というと、アトマジャは困惑する。

「私は言うべきことを言った。あとはお前が決めることだ」

とボールをアトマジャに投げた。
果たしてアトマジャは?

(あなたがアトマジャならリュステムをどうしますか?)
やあ、ほんとにアトマジャは苦渋の選択を迫られた。

「我々の道が分かれるか、それともこれからずっと一緒に歩むかだ」

と続けるバヤズィト。

ファトマがヌールバーヌーを呼ぶ。

「バヤズィトの秘密がスレイマンの耳に入れれば、セリムは大きな一歩を踏み出すわ。私が望んだように」

というとヌールバーヌーは喜ぶふりをする。だが彼女は読めない。彼女が何を考えているか謎だ。
一方フーリジハンがそれを知る。

「ファトマ叔母が自分に背を向けていることがわかるわ」

とギュルフェムに言う。ギュルフェムは

「彼女の目的はヒュッレムとリュステムです。そのために何でもするでしょう」

「あなたも同じ考えなのですね?」

 とフーリジハンがきくというと、ギュルフェムはあくまでもハティジェの忘れ形見のフーリジハンを援けようとする。彼女はヒュッレムと仲良くせようとアドバイスする。

バヤズィトを皇位に付けさせたいのならそうするほうが良いのはフーリジハンにも分かっていた。
フーリジハンはどうするだろう?

ヒュッレムはセリムを訪ねる。そして

「サンジャクへ帰るように」

というとセリムは

「バヤジト(バヤズィト)に頼まれたのか」

と怒る。彼女はセリムとバヤズィトを取り持つことは困難なことを知る。
ヒュッレムは

「みんなの悪いの祈りが受け入れられたようだわ。息子たち同士が争うことになるとは・・・」

と2人の息子の間で立ち往生していた。
そんな中ファトマとカラアフメットチームの暗躍が始まった。

  60話
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