信頼していた者は最大の敵? 哀れなヒュッレム・・・ オスマン帝国外伝シーズン3 15話ハイライトから

廊下を難しそうな顔でヒュッレムが歩いていると、スンビュルがやってきて
「王妃様」と言う。
ヒュッレムが女性について何も言わないでと強く止めると、
「いいえ、皇子メフメット様のために来ました、彼のために女奴隷を選ぶようにおっしゃいましたね。私も何人か選びました。お望みなら今晩その一人をお送りましょう」と言う。
連れてこようとすると、「必要ないわ。他の女性を私はえらんだから」
と彼女は言う。
それからスンビュルはその女性を探しにいくが、なかなか見つからなかった。

あっいたいた!
彼女はカーヌーンを弾いていた。
声が美しく素敵だ。
もう少し聞きたいとおもっているところへ、スンビュルが現れる。
「フィルーゼ、ここにいたのかい、いろんなところを探したのだ」と言う。
嗚呼なんてこと!やっぱり、ヒュッレムの決めた女性はフィルーゼだったのだ。
「どうしましたか?」とフィルーゼは弾くのをやめて答えた。
「メフメット皇子のところへ行くのだよ」とスンビュルが言うと、フィルーゼの顔色が変わる。
えらいことになった。フィルーゼはどうするだろう?
そのあと
フィルーゼはヒュッレムのところへ連れていかれる。
ヒュッレムはやさしく
「フィルーゼ」と呼ぶ。
「メフメット皇子のところへ行くようにと言われましたが」
とフィルーゼは言う。
すると、ヒュッレムは
「そばによって。そうなの、あなたを望んでいるわ。私は誰も信じていないから。でもあなたは別よ。あなたへの信頼は完璧だっから。
うつくしいし、頭がいいいし、何よりも私に忠誠を尽くしているわ」というと、
フィルーゼは
「私はあなたが思うようなものではありません」
「どういう意味?前にもそんなことを言ってたわね」
「私をお許しください。けれども皇子のそばには行けません。これは不可能です。決してありえません」
するとヒュッレムは何とも言えない表情で
「何故ダメなの?」
とフィルーゼをわかりかねたように困惑して聞いた。

少しの沈黙の後、フィルーゼは重い口を開いた。

「何故なら私は皇帝のものだからです。あなたがお探しの女性は私です、王妃様。その側めは私なのです」
と言う。

その時のヒュッレムの衝撃はすざましかった。誰にこんな悲劇が想像きるだろうか?
自分がいちばん信じていたものが嘘をついていただけでなく、
実は自分にとって最大の敵だと知った時のショックを、今ヒュッレムは受け止められずにおり、立ち尽くすのみだった。

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