[トルコ小説】「心の園にてメヴラーナ」その13 メヴラーナの名について

博物館、墓、そしてメヴレヴイーについての知識4

「すみません、名前について知りたいのですが」

「メヴラーナ・ジェラーレッディーン・ルーミーは有名な名前です。当時、アナトリアはルーム地域と呼ばれていました。ルーミーはルームの(人) という意味になります。本名はフセイン・ハーティブ・オウル・ムハンマド・オウル・ムハンマドです。ルーミーとしてよく知られた原因は、長い間コンヤに定 住し「ルーム・エフェンディ」という呼び名で有名になったからです。彼に与えられた称号メヴラーナは「民の偉大な方」、メヴラーという単語から起こり、そ の単語にアラビア語の一人称複数の人称語尾のナーをつけて合成させ、メヴラーナーとなりました」

「ありがとうございます。どうか続けてください」

「アッ ラーヘの情熱溢れる愛が、人間の心の中で満たされると、人間は、アッラー以外に何も見えなくなります。絶えずアッラーの高さまで、自分自身を高めるように 努め、どの瞬間も、どの場所でも、アッラーによって満されていると感じます。心で感じるのです。人間は、アッラーについて沈黙を破り、言葉と声によって、 アッラーを顕現させる存在です。神の御言葉を話す者、カラームッラー・ナートゥクです。アッラーは、さまざまな形の中に違った資質によって顕現されます。 人間がこの宇宙で見るさまざまな存在の種類、色、音、協調、調和、秩序、美のような資質は、アッラーの顕現にほかなりません。人間は情熱溢れる愛によっ て、一段一段アッラーに近づいていきます。そして、明らかに完全さの段階に到達します。到達した段階ごとにアッラーの異なった資質を感じることができま す。この点から熱く燃える心、つまり情熱溢れる愛によって高まること、成熟さと知識力を備えることが、アッラーに近づくことの意味になります。すべての人 間たちが、地上で手にする知識、すなわち情熱溢れる愛によって手にする知識は、その段階に応じて、アッラーを映し出す存在であるので、人間を愛すること は、つまりアッラーを愛することなのです。

メ ヴレヴィーとしての愛に支えられた人間の捉え方は、人間にさまざまな種類が存在する中で、それぞれの異なった価値を大切にすることから始まります。人間と は、万有の本質、存在のすべてを言い伝える言葉、見えるものを見せる目です。メヴレヴィーの教えによると、全宇宙と人間は土、火、空気そして水のような4 つの基礎となる物質から成り立ちます。天においても、人間の本質、構造の基礎は一つで同じです。ただ天命を司るきまりが違うだけです。なぜなら、それらは ある種の精神的段階を意味するからです。

  被造物の中で、最も高貴なのは人間です。人間の高貴さは、アッラーヘの近さや、神に関わる心の姿と神の顕現に関する部分があるために生じます。アッラー は、人間を、神のさまざまな特徴と共に、高い資質と能力によって一体として飾られました。創造物の中でも、かれらをいと高く創られました。そして、これを 意味し、この高さの概念を表す知をイルファン(霊 知)といいます。知識は、情熱溢れる愛と熱き愛によって得られま す。心に、情熱溢れる愛の炎を、そして魂にアッラーへの愛を見出さぬものは、この深い意味を理解することはできません。人間の本質の中に秘められた「神の 秘密」には到達することはできません。この秘密の到達する道は、情熱溢れる愛によって燃え、熱き愛によって熟すことです。聖メヴラーナの精神的旅が、完成 に近づいたことは、『我は未熟なりき、我は熟し、燃え焦がれけり』という言葉に集約されています。聖メヴラーナの成熟は、学者たちの王(称号)であるバ ハーエッディーン・ヴェレド(バハーウッディーン・ワラド)とセイイド・ブルハーネッディーン(サイイド・ブルハーヌッディーン)の歓喜の息吹によって、 そしてまた、燃焼はシェムスの光り輝く鏡に映し出された自らの美しさ、情熱溢れる愛の炎によって、成し遂げられました」
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