【イブラヒム】大宰相・ハティジェの夫、スレイマンの義理の弟 (オスマン帝国外伝)

イブラヒムの呼び方はたくさんある。
パルガル・イブラヒムパシャ、マクブール・イブラヒムパシャ、フランク・イブラヒムパシャ、そして死後はマクトゥール・イブラヒムパシャとも呼ばれる 。

良くスレイマンがイブラヒムのことをパルガル とよぶが、マクブールはアラビア語で受け入れられた、マクトゥールは殺されたと言う意味だ。1493年パルガで生まれ1536年3月15日に死亡、 1523年6月27日から1536年3月15日まで大宰相を務めた。

パルガで生まれ子供時代パルガで過ごす。父は漁夫のマノリス、本名はテオ。ニコと言う双子の兄弟がいた。

子どものころ家族から離れて困難な人生が始まる。
オスマンの地に住む裕福な夫人に奴隷として買われる。
夫人は奴隷市場でイブラヒムが今にも死にそうになっている隣の子どものために水を欲したことが気に入ったのだった。
その夫人はとてもいい人で、彼を優しく育てた。
よく教育し字を書くことやイブラヒムが実母から学んだヴァイオリンも続けて学ばせてくれた。
家族とは離れたがイブラヒムは夫人と共にそれなりに幸せな日々を過ごしていた。

ある日、皇子だったスレイマンが狩りに出た時イブラヒムの弾くヴァイオリンを耳にする。スレイマンはその音色に導かれ、イブラヒムと出会った。

その後のイブラヒムの人生は死ぬまで常にスレイマンと共にあった。

スレイマンは彼を従者としてだけでなく、友とも、同行者ともみなした。イブラヒムとスレイマンはローマ征服の夢を語るのだった。
こうしてイブラヒムはスレイマンにはなくてはならない人物になっていった。

1520年 セリム1世が亡くなってマニサからイスタンブルへ向かうが、スレイマンを皇帝と初めて兵士たちの前で呼んだのもイブラヒムだった。

イスタンブルでは激務が待っていた。
小姓頭に抜擢されたのだ。

一方でヴァイオリンを愛するイブラヒムは皇帝の部屋の近くのバルコニーでよくヴァイオリンを奏でたものだった。その音は宮殿中に響き渡り人々を魅了した。

その中の一人に、のちにイブラヒムの妻となるハティジェがいた。

二人は秘密に愛を育てていった。

恋煩いのハティジェを元気がないと勘違いし母后はピーリー・レイスの息子のメフメト・チェレビとの結婚話を進めた。
そしてイブラヒムの愛するハティジェは婚約することになる。
だがメフメト・チェレビは病で倒れ、この話はなくなりイブラヒムは一安心する。

かといってイブラヒムのかなわぬ恋は実るはずもなかった。
イブラヒムはハティジェへの愛のため、持っているすべての物を捨てようとまでした。

そしてスレイマンの許可なくハティジェへの思い、心の痛みに耐えきれず、パルガへ戻ってしまった。

こうしてみるとイブラヒムも一時は愛に生きる人だったのだ。

政治面では、度重なる大宰相ピーリーメフメットの失態のため、彼の後任に小姓頭だったイブラヒムは大宰相に抜擢される。
帝国の大事な決定をする時にはいつもそこにイブラヒム大宰相の姿があった。
遠征でも国内の仕事でも優秀な働きぶりを見せた。

戦いでも強く、内務もしっかりこなした有能なイブラヒムだったがヒュッレムとの戦いでは最終的に負けてしまう。
たぶんヒュッレムを過小評価していたに違いない。
初めのころはイブラヒムが確かに優勢だった。
ヒュッレムの元婚約者のレオの日記を手に入れた。
だがイブラヒムはスレイマンを思いヒュッレムの息の根を止めなかった。

シーズン2
そうこうしているうちにヒュッレムがイブラヒムを毒殺しようとしたため、ついにその日記をスレイマンに見せる。
だがハティジェの自殺未遂騒ぎで日記はマヒデブランの手に入り、その後ニギャールが土に埋めて隠す。

日記の行方はまた今度お話しすることにして、話を先にすすめると、

ある時イブラヒムはヒュッレムに呼び出されヒュッレムの部下たちに襲われるが、さすがイブラヒムは強い!彼は何人もの敵を切り倒し自分も傷だらけにはなったがどうにか一命はとりとめた。

最後はヒュッレムの物理的な武器ではなく、言葉によって命を取られることになる。

イブラヒムとハティジェの関係が悪くなることが時々あった。どんな大恋愛でむすばれても、結婚生活になると話は変わる。めでたしめでたしとはいかない。ハティジェとイブラヒムもそうだった。

ところでイブラヒムの人生にいくつか地雷が埋められていたが、その一つがニギャールだった。
ニギャールはかなり以前からイブラヒムに好意を寄せていた。
ハティジェの出産のためイブラヒム邸に行きハティジェを助けるようニギャールは皇太后に命じられる。

ニギャールはよく仕えたが、ハティジェの息子が亡くなってしまう。
その時ハティジェはショックでイブラヒムを独りにして、エディルネ宮殿で過ごす。
ハティジェのいないイブラヒム邸では、
子供を亡くしたばかりの苦しみにたえながらも、ハティジェの言葉に傷つけられたイブラヒムとその彼を密かに慕うニギャールが残った。

イブラヒムはニギャールと一夜を共にする。だがイブラヒムは次の日すぐ後悔しトプカプハレムに戻るようニギャールに命じる。

しばらくして、イブラヒムは生まれながらの皇女であるハティジェの気位の高さについていけず、ニギャールを再び受けいれる。

ニギャールはその後マトラークチュと結婚することになるが、この結婚にはイブラヒムが関係していた。
イブラヒムはニギャールとの仲を知ったうえで、結婚することをマトラークチュに了承させる。

イブラヒムはハティジェに嘘をつきながらニギャールとの愛を深めていくが、このことをダイェもそして母后も知ってしまいイブラヒムは窮地に陥った。

イブラヒムはニギャールと別れようとすると、ニギャールは身ごもったことをイブラヒムに伝える。
その話をギュルシャーが聞いてしまう。

そしてギュルシャーはヒュッレムにその情報を伝える。(あれなぜマヒデブランではなくてヒュッレムにかって?
マヒデブランに捨てられたギュルシャーはヒュッレムに助けられた。)

(イブラヒムよ、明らかにならない秘密などどこにも存在しないのだ。ましてやヒュッレムの存在する空間ではなおさらだ。 )

ハティジェはヒュッレムの手紙によってニギャールの居場所を知る。ニギャールを目撃したハティジェはイブラヒムとの離婚を決意する。

シーズン3
ニギャール捕らえられたまま、イブラヒムの子を出産し、子は死産だったと伝えられる。だがその子は実は生きていた。
ハティジェが隠れて世話をさせていた。ここでまたイブラヒムの宿敵が現れて、その娘を見つけサライに連れて行く。

イブラヒムは娘に弱く、娘のためには何でもする父親だった。
ヒュッレムがフィルーゼを追い出すことと引き換えにこの娘カデルを渡すと言うとその条件を受け入れる。

その後娘カデルの優しい父親となりニギャールにも娘を会わせるがハティジェとはカデル問題で間がまた悪くなる。
イブラヒムは娘の安全のためイブラヒムの故郷に子たちの元へ送った。 

ハティジェがイブラヒムとニギャールの件をスレイマンに話したことからイブラヒムの没落は決定的になった。
以前からもイブラヒムの行動にしばしば不信を抱き始めていたスレイマンにとっては大打撃だった。

逃げるようにして遠征に向かったイブラヒムは、そこで事実を知ったスレイマンに会い身の置き所がなくなるほど恥ずかしい思いをする。

だが遠征から戻るとハティジェは気を変え、離婚は取り消された。イブラヒムとハティジェのぎくしゃくした結婚生活は続いたが、なぜか仲直りできたようだった。

これでやっと落ち着けたかなと思ったが、それは甘かった。
ムスタファのヘレナ問題に頭を抱えたマヒデブランがイブラヒムに説得を頼んできた。
そこでイブラヒムはブルサでムスタファと会うため出かけた。スレイマンにはエディルネに行くと言った。

このことを知ったヒュッレムは2人が密会し謀反を企てているとスレイマンにそれとなく話した。

スレイマンはこの言葉に惑わされ、ラマザーン中のイフタルの食事にイブラヒムを呼ぶ。
そうとも知らずイブラヒムはスレイマンとの最後の晩餐を楽しむ。
その後スレイマンは彼に留まっていくようにと誘う。

スレイマンに厚遇されたと思い、感慨にふけるイブラヒム。イブラヒムはその時幸福の絶頂にあった。そして彼は快い幸福感と共に眠りについた。(イブラヒムの最後の詳しい様子はこちら)

ところがそこへ黒尽くめの男たちが現れイブラヒムを謀殺した。
隣ではイブラヒムの断末魔の声をスレイマンが聞いていた。 

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