スレイマンのメフメトへの教訓は、もしかして自分への教訓なの? オスマン帝国外伝シーズン3 87話ハイライト
ヒュスレヴがメフメトパシャがブダを包囲したと伝えた。どうやらブダはフェルディナントの攻撃から守られたようだ。この遠征の目的はイサベラ女王から援助が求められたためにその攻撃から守るために始まった。
次にエブッスードが教会について話し始めた。
「皇帝様、ブダには有名な 教会があります。マシュー教会です。神の許しを得て、もう一度ブダに入城した暁には、その教会をモスクにすることをお勧めいたします。そこで初めての礼拝を勝利宣言をいたしましょう」というと
「私はまだにブダについて最終的な決定をしていない。だがあなたの意見はよくわかる。神が望めばそこで共に祈ろう」
というと
「神が望めば、皇帝様。あなたのような偉大な統治者がイスラム軍の長ならば、けっして負けることはないでしょう」
言うと
「他に何もなければ下がってよろしい」とスレイマンは言った。だがメフメトに「残れ」といった。そして
「お前はこの遠征中全く笑わないな。何か心配事でもあるのか?」とスレイマンは聞いた。すると彼は
「何度もあなたのご決定について考えています。何年もの間ムスタファ兄はそこをよく統治してきました。それにみんながムスタファ兄を素晴らしいと思い、彼を慕っています」と言った。
「お前も慕われているぞ」と皇帝が言うと、
「皇帝様お許しください、ですがまるで兄の座を奪ったかのように私は感じているのです」
と優しいメフメトは答えた。するとスレイマンは
「人はアリさえ傷つけたくはないものだ。そうだ、人は誰にも対しても間違いをしたり、心を傷つけたりしたくない、だがこれは不可能なことなのだよ、メフメト」
(なあるほど、なるほど、そうか・・・・そうかもしれない・・・)
「それに私のように世界の統治者ならばなおさらだ。みんなを喜ばせることはできないのだ。私はあなたをさるはんのサンジャクに任命した。
なぜならば私は疑いなくお前を信頼しているからなのだよ。
兄と同じように成功するよ。公的な仕事が何よりもいちばんだ。一番大切なのはそれだ。個人的なことは忘れなければならない。あなたを心配にさせたり悲しくさせたりする個人的な感情は捨て去らなければならない。
もし反対に弱みを見せたり、かわいそうに思ったり、感傷的になったりしたときに、彼らはお前を打ちのめすだろう。特にこれをお前が慈悲をかけた者たちがそれを行うだろう」と教訓を与えた。メフメトは何となくわかったというように頷いた。
統治者として生き残るためには、偽善的なヒューマニズムは通用しない。時には残虐にならなければ統治することは難しいのだとスレイマンは考えていた。Do or dieの緊迫した世界なのだ。
こののちスレイマンは何度も個人的な感情と統治のために一番必要なこととの間でずっと悩み続けることになる。この言葉はメフメトにというよりも、スレイマン自身へ対しての教訓だったのかもしれない・・・
その後スレイマンに起こることとは、例えばハティジェに対して(これはヒュッレム妃のことだから個人的なことになるんじゃないかな?)やムスタファやバヤズィトに対して(これらも公的なことだったのか?)だ。スレイマン自身はオスマン帝国のためにと考えておこなった決断だったと思うが、真実はどうだったのだろう?