離婚後娘を探すのに懸命なニギャールが頼れるのはマトラークチュだけ・・・ オスマン帝国外伝シーズン3 81話ハイライト

 ニギャールは一方的に離婚宣言をされた。何故ならリュステムがミフリマーフと結婚するからだ。ニギャールはイスタンブルに戻り、シャーを訪れた。でもなんのためにきたのだろう?

「リュステムが追い出したのね」とシャーが言った。

「ヒュッレム妃から知らせが届くとすぐに私を離縁しました。命を奪われたほうがましです」

と嘆いた、するとハティジェが

「私がいなかったらもっと前にこうなっていたはずよ。慰謝料をくれたのだったのならそれだけで感謝になくちゃね」

と言うと、ニギャールは

「何もよこしませんでした。でも大丈夫です。長い間すこしずつ貯めたお金があります。こうなることはわかっていましたから・・」

と答えた。どうやらちゃんと準備をしていたようだ。ではなぜシャーを訪れたのだろう?

でもシャーは「法官に不平を申し立てればいいのでは」と提案した。

「どうしてそんなことができるでしょうか、私が法官にたどり着く前に私の首がとんだことでしょう。命が助かっただけでもありがたいことです」

とニギャールが言うとシャーも

「そのとおりね。彼にに恐れと言うものがなくなったものね」と同意した。

 「これからどうするの」とハティジェは意外と優しいトーンでニギャールをいたわるように聞いた。なんともこの二人の過去を考えると、なぜハティジェがニギャールにやさしいのかよくわからない・・・もしかしたらただ女性として彼女の状況を哀れと思ったのかもしれない。

ニギャールは「他の方法を考えますわ。おかげさまで貯金がありますから、お金には困りません。生きていくのには十分ですわ」と答えた。

それでもシャーは「困ったことがあったら言ってね。かなしまないで」とやさしく言った。シャーはこんな時自分の味方の者には寛大で優しい態度をとる。(史実では彼女は素敵な方では書かれています)

そのあとニギャールはマトラークチュを訪れた。ニギャ―ルの元夫だ。彼は

 「ここで何を?」と言ってからなるほどといったようすで 

「リュステムか。彼が離縁したんだな」と彼女を中にいれて飲み物を持ってきた。

 「わたしはもう離婚された女なの。ごめんさない。あなたをたずねましたが、他にいけるところがないの。お金が少しあります。家を借りたいの。助けてくれる?」

と言った。この二人もみょうに奇妙な関係だった。マトラークチュは

「それは簡単なことだよ。その後どうするつもりだ?」と手伝う意思を伝えた。マトラークチュはいつもニギャールにはやさしい。

「家を借りれば十分よ。そんなに長くとどまらないつもりなの。 ここから出て行くわ」と続けて聞いた。

「どこへいくんだ?」

「それはあなたが教えてくれるわ。マトラークチュ様。私に娘の居場所を教えて。どこにいてもいいから、彼女のそばに行きたいの」と頼んだ。彼女は娘を探しに来たようだ。だがマトラークチュが

「あれから3年がたったんだ。彼女がどこにいるか神のみがご存知だ」

というと涙ながらに

「私の人生にはむすめしかいないのよ。おねがいだから(教えて)。のこりの人生を彼女とに過ごしたいのよ。長い間の私の過ちにもかかわらず、あなたはずっと私をたすけてくれたわ。どうか助けて。これが最後のお願いよ。助けて後生だから。私を娘のそばに行かせて」 

と懸命に娘の居所を聞いた哀れなニギャール!

彼女は女官として懸命に務めていたがイブラヒムと恋に落ち、娘を授かった。だが出産の後すぐに娘は亡くなったと知らされた。どんなにつらかったことだろう。

ところがその娘は生きておりハティジェが世話をさせていた。そのことがヒュッレム経由でイブラヒムに知らされ、イブラヒムはフィルーゼを追い出すということと引き換えに娘と会うことができた。

だがニギャールはその後しばらくのあいだその娘のことを知ることはできなかった。

その時マトラークチュがイブラヒムに「子供には母親が必要だよ」と説得し、ようやくニギャールは娘に会うことができた。しばらくは娘と幸せに過ごすことができたのだが、そのことがハティジェにばれてしまい、ハティジェは絶対あわせないと言い切った。

そこでニギャールは娘をつれて逃げようとしたが、失敗し、 そのあとニギャールは子供に会っていなかった。

それからイブラヒムがなくなり、娘はイブラヒムの家族(たぶん父と弟)の家にマトラークチュが逃がした。

そしてそれから3年の月日がたち、今こうしてニギャールはマトラークチュに居場所を教えてもらいに来たというわけだ。

でもここで一つ疑問が皆さんの脳裏に浮かぶことだろう。

何故イブラヒムの死後娘を引き取らなっかたのかと。(ほんとそうですよね)

それはその時リュステムと結婚していたからだった。ニギャ―ルは娘の存在を知った時必死に離婚してくれと頼んだが、冷徹なリュステムは「自分が望んだときに離婚する」と言ってこれを拒否したのだ。

それから3年間彼女は耐えてきた。ところがようやく離婚が成立し、娘と暮らせることになった今は、今度は娘が行方不明だということなのだ。

今までずっと陰といなく日向となくニギャールとその娘を助け続けたマトラークチュ。彼がもし知っていたら隠すはずなんてない!ほんとに行方不明なのだ。

マトラークチュもニギャールの不運な人生を思い、心が砕けそうだった。

娘がみつかるといいなあ・・

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