嫁と妹に挟まれて・・・ヒュッレムの行方を知っているのはアリアー? オスマン帝国外伝シーズン3 90話ハイライト
夜中にマルコチョールとマトラークチュが話していた。実はマルコチョールはサライを離れたいと遠征中にスレイマンにお願いしていた。もうマルコチョールは宮廷暮らしには飽き飽きしていた。もともと全線で戦うアクンジュ(軽騎兵)の出身だし、野原を餉餉まわっている方が性に似合っていた。ヒュッレム妃が見つかっていないこともあってなかなかお暇できなかったのだ。そこへある知らせが届いた。ヒュッレム妃に手紙を持ってきたムラトと言う男が捕まったというのだった。事件のカギを握るこの男の行方が分からず、すっと探していたのだった。
マルコチョールはすぐに彼を尋問した。誰に命じられたのかを聞くが、もちろん男はなかなか答えなかった。そこへスレイマンもやってきて自ら尋問した。
「わたしがだれだかわかるか?」といい、「ヒュッレム妃はどこだ?」 と何度も同じ質問を聞くと、
男は「私に罪はありません。彼女の居場所を知りません。それに私は手紙を渡すように言われただけです」と答えた。
誰に言われたと聞かれ、「アリアーです」と答えた。
ちょうどその時リュステムも牢に来ていたのだが、彼が「私はアリアーを知っている。以前尋問したことがある」というとスレイマンは
「誰だ?」と聞くと
「彼はハティジェ皇女の部下の一人です」と答えた。
何と!やはり犯人はハティジェだったんだ。先日はあんなにスレイマンのことを心配していたのに・・・
もう一度以前のように妹としてやり直したいとおねがいしていたハティジェ!スレイマンと仲なおりしたばかりのハティジェだった!
ハティジェは自分でスレイマンから最愛の人を奪っておきながら、あんなことを言うなんて・・・
でもなんとなくわかる気もする・・・過去にいろんなことがあって憎いと思っていた兄が、理由はともあれ目の前で急に落ち込み元気がなくなるのを見ると、ほっとはおけなくなるというのが兄弟姉妹の情というものかもしれない。
でもここで疑問が・・・もしハティジェがスレイマンを本当に心配していたのならヒュッレム妃を返してあげることもできたけれどそうはしなかった。なぜか?答えは簡単。そうすればまた兄スレイマンとの仲が悪くなるからだ。
けれど、兄が悲しむのを見ているのはつらいという気持ちもハティジェの本心だった。
一見矛盾しているようなハティジェだが、彼女はただ妹として愛スレイマンにされたかっただけなのだ。
スレイマンもハティジェ皇女とヒュッレム妃の両方を愛したかったに違いない。だが現実(いやドラマ)はそう簡単にはいかない。
今日でもスレイマンの立場の人は妹と嫁の間に入ってがんばっている。ハティジェの立場の人は兄嫁や弟嫁との間で苦がんばっている。そしてヒュレム妃の立場の人も嫁として義理の兄弟姉妹と仲良くやろうと頑張っている。こうしてみると遠い国の遠い昔のお話だけれど、かなり身近な話題を投げかけてくれているようだ。そこもこのドラマの魅力なのかもしれない・・・