マヒデブランの説得はムスタファには届かない オスマン帝国外伝シーズン3 76話ハイライト
夜になった。 ルメイサがムスタファの部屋のろうそくに火をともしている。(彼女はいつムスタファのかかりになったのかな。マヒデブランに付き人だったはずだけど)
ムスタファが疲れた様子で座っていた。 彼はどうも肩が凝っているようだ。ムスタファに近づいてカタモミをルメイサは始めた。でも彼女の目的はカタモミではなかった。ムスタファを誘ううとしていた。
ムスタファはこれで十分だといって彼女の誘いにはのらなかった。このルメイサは本名がルクレシアでガブリエラの妹だ。シーズン4に出てくるムスタファの皇子メフメトの実の母だで、ドラマではルメイサはイスタンブルから戻るときに矢にさされて死んだことになっている。https://osmanteikokugaiden.blogspot.com/2020/06/39_18.html
ムスタファの部屋の外の廊下では、 マヒデブランがヤフヤーに
「皇帝から何かしらせが届いたか?」と心配そうに聞いた。するとヤフヤーはまだだと伝えると この一連の出来事に対して
「あなたが皇子を止めなければならなかったのに、ヤフヤー!この事を決してさせてはいけなかったのよ」
とマヒデブランはヤフヤーを責めたが
「皇子様に盾をつくことはできません」言った。ちょうどその時ムスタファの部屋からルメイサが出てきたのをマヒデブランは見た。彼女はルメイサの後ろ姿に何かを感じたようだ。
マヒデブランは部屋に入りムスタファに
「皇帝に手紙を書きなさい。何を躊躇しているのですか? 」と促すが、
「心配なさらないでください、フズル総督が正しく皇帝に何が起こったかを知らせてくれするでしょう」
と動こうとしなかった。そこで
「フズルパシャを信頼しているわ。でも誰もあなたと皇帝に間には入れないほうがよいわ」
と言った。すると
「まだわからないのですか。私と父の間には山や海ほどの大きな障壁ができてしまっているのですよ。そして罠を仕掛ける者がいるのですよ」と悲しそうに言った。
「こんな風に考えて得をするのはヒュッレムだけよ。まさにこれが彼女の望みヨ! あなたを父から離れさせるため彼女は動いているの。でも成功しないわ!皇帝の心に住んでいる子供はあなただから! 」
と母に言われるとムスタファはメフメトがいったことを思い出していた。メフメトは父がメフメトを皇位につかせるというようなことを暗示する夢の話をしたことをムスタファに話したのだ。メフメトはムスタファを悲しませたことには気が付かなかった。もちろんそんなつもりは全くなかった。だがムスタファはそれを聞いたとき不安になった。
それで
「その子はもしかしたら私ではないかもしれない」とマヒデブランに言ったのだった。
マヒデブランは父への信頼が薄らいでいるムスタファを見て、言いようのない恐怖に襲われた。一度思い込んだ子供の考えを変えることはとても難しい。ましてやそのような思い込みがムスタファの場合には死に直接つながるということをマヒデブランはよく知っていた。