ムスタファは天国から地獄へ オスマン帝国外伝シーズン3 86話ハイライト
ムスタファは元イブラヒムの館を訪れた。そしてその昔イブラヒムがブルサで言った時のことを思い出していた。
「メフメトが生まれたとき皇位に彼が付いていたのをみたそうです」とムスタファが言うと、
「時がきたらその皇位にはあなたが就くのだ、ムスタファ。さもなければ、皇位も、統治もヒュッレム妃のてにおちるのだ。それでようのか?
とイブラヒムは言っっていた。ムスタファはまるでそこにイブラヒムがいるかのように、
「いや、承知しません、パシャ。けっして」と幻のイブラヒムに答えていた。
ハティジェマヒデブランの様子を見ては落ちついてはいられなかった。そのことをシャーに話すが、シャーはかなり落ち着いた様子で、放置するように伝えた。
するとハティジェは「ヒュッレムがあなたを相当怖がらせたようねと言うと、
「あなた方が周りにいるとヒュッレムはより益を得るのよ」
と言い返した。「悪いのは私たちなのね」と笑いながらハティジェは言った。その時ふとハティジェは窓を見た。その向こうにはムスタファがいた。ハティジェは急いでムスタファに駆け寄った。そして
「どうしたの?」と聞いた。すると彼は
「彼は生涯皇帝に忠誠を尽くしてきました。一度も謀反を起こしたり拒否したりしませんでした。ですがそれに対して彼は何を得たのですか?ただ私を慕ったという理由だけで、彼を殺したのです。私には見えます。一歩一歩近づいてくる私の末路が・・・イブラヒムパシャの命を奪った者たちは私の命も奪うことでしょう。私はそのことを知っている」と言うと、
「ムスタファム(綿のムスタファ)コルクトマ ベニ(私を怖がらせないで)どうしたの?」とハティジェは不安になり泣きそうな声で言った。
すると
「アマスィヤに左遷されられました」と答えた。
えええ!なんとムスタファはサンジャクを変えられたのだった。今までマニサで働いていたのだが、黒海沿岸の地方へと送らることになった。(歴代マニササンジャクはこちらから)
理由は再度にわたるスレイマンの許可を得ずにした行動だが、極めつけはオーストリア大使にあったことだった。そのためイスタンブルにフズル海軍提督によって連れてこられたのだった。
「 皇帝は私を天国から追放したのです。私はもう地獄にいます」
と言うと、ハティジェは彼を抱き慰めた。それを聞いたシャーも悲しそうだった。