オスマン帝国外伝シーズン4あらすじ 93話前半 E139の4 スレイマンの最後の出陣

杖を片手に庭に座り、スレイマンはここでの思い出にふける。

「この庭は天国のようでみんなが愛をはぐくんだ。愛は雨のように降り注ぎみんなの上にその雨が降りかかると、あたりは緑になり生き返る。みんなが愛するための理由を探すのだ」
と・・・
スレイマンの中の思いでの中ではみんなが笑っていた。この世でお互い争った者たちも笑顔で幸せそうだった。

スレイマンは立ち上がりハレムの中を通り過ぎる。みんながお辞儀をしている状態でピクリとも動かない。すると

「スルタン・スレイマン」

という声が聞こえてきた。

その声には聞き覚えがあった。
それはアレクサンドラがスレイマンを呼び止める声だった。

そうなのだ、ここで初めてアレクサンドラとスレイマンは出会ったのだ。

部屋にもどるとマトラークチュの本について語る。
マトラークチュが死ぬその時まで描き続けたというその作品をスレイマンは尊んだ。
そして別の本を差し出し

「この本の最後のページは空白だ。 そこにこれから出発する遠征の様子を事細かく記述するのだ。後世にオスマン帝国の栄光をしらしめるのだ。」

といって、学者に本を返した。。

スレイマンだけでなく宮廷中が出発の準備でおお忙しだった。あるものが

「スルタン・スレイマンの出陣の姿を見れるなんて光栄だわ」

とスンビュルに話しかける。スンビュルは

「ここで何をしているのだ早く準備に取り掛かれ」

と昔のようにはきのある声で女奴隷にはっぱをかける。
(なんだか当時のはなやかな様子を思い出してスンビュルはうれしくなった。)

いよいよ遠征に出発する日が来た。
広い衣装に身を包み7階建ての兜をかぶり、

「私はスレイマン、父はセリム、 母はハフサ、オスマン帝国の代10代皇帝である。 サファヴィー マルムーク シリア パレスチナ ヒジャーズを治める皇帝である。東から西へかけ走る旗を最西端まで運ぶ。民たちの幸せと正義のために歩み、足を踏みしめたどの土地もやすらぎと信頼と繁栄をもたらす。」

とナレートする。

皆の別れの挨拶を受けいざ出陣だ!

だがその足取りは重い。
平安の門を出ると外には民衆たちが待ち構えていた。
スレイマンは白馬に乗って出てくる。
誰もが馬に乗れるとは思っていなかったので驚きながらも喜んだ。

その様子を見ていたヨーロッパ人のロセは以下のように国へ手紙を送った。 

「だれもが彼の葬式を待っていたところ、彼は若き頃と同様の堂々とした皇帝としてのすがたでみんなの前に現れたのだ。広いあごひげと白いカフタンはまさにミナーレのようだと人々は口々に言った。人々は興奮と喜びでスレイマンと兵士たちを見送った。
46年間皇位につき、ここだと目につけた土地はすべて手に入れた皇帝は、敵にとっては恐怖の夢である。
スレイマン皇帝はもう一度皇帝の中の皇帝であることをみんなに証明した」とかかれてあった。

スレイマンは
「準備をすぐに開始せよ。
城の門を閉め、兵士たちを準備させよ」といった。

それから壮麗なるスレイマンは死を覚悟してしてヨーロッパの心臓に向かっていると
道の途中でスレイマンは立ち止まり、うめき声をあげる。急いで医者が駆け付ける。
スレイマンは馬から降り馬車にのっていた。

手当てをしようとすると「いまではない、この先に戦いが待っているのだ」と言って呻きながらも手当てをせず進軍する。

ミフリマーフは

「何度彼の帰りをまったかわかりません。
でも今回は戻らないわ。もう二度と会えないかもしれないわ。」

と言うとスンビュルは

「皇帝をお守りくださいますように、希望を捨てないでください、長い間こんなにうれしそうな皇帝をみたことがありませんでした。なんと素晴らしいことでしょう、素晴らしいことよ、マーシャッラーマーシャッラー」

と言ってミフリマーフを励ます。

「祈りましょう、スンビュル、神は皇帝に壮麗なる生涯をお与えになったわ。この最後の戦いも勝利しますように」

「アーミン」

と答えるスンビュル・・・

ベオグラード近郊のゼムーンで

テントの椅子に腰を掛けるスレイマン。そこへソコッルがやってくる。
一人の若者が謁見したいというのだ。
彼は会うのを許され、こう言い始めた。

「皇帝様、あなたに毎日感謝しています。
あなたがいらっしゃらなければ、私は今ここにはおりません。
呼吸することさえあなたに借りがあります。
皇帝の中の皇帝様、アレキサンダー大王のように決して忘れられない皇帝様」

その昔彼が赤んぼだった時、彼はスレイマンに会っている。
その時母の手に抱かれていた。
そう!この若者はヤーノシュ・ジグモンド 後のヤーノシュ2世だった。

「愛すべきジグモンドよ、甘えを最後に見たのは母親の腕の中でだった。
今はりっぱな青年になったものだ。
私の庇護はいつでもあなたのうえにあるぞ。
今度の遠征の目的も、敵に則を超えさせないためだ。
私のあなたへの望みはあなたがオーストリアの城をおさえるということだ」

とスレイマンはいう。

今回の戦いはオスマン軍にかなり厳しいようだ。 

セリムがムラトを呼ぶ。

「メフメットパシャからいつも手紙が来るのだが、皇帝の様態はどんどん悪くなっているとのことだ。
行く前にもし遠征に出かければ戻れないと忠告したそうだが」

「スルタンスレイマンを誰が止められれましょうか?インシャアッラー元気で戻られるでしょう 」
とムラトは答えると彼の母が

「死はアッラーの命じるところによる、これから逃げることはできない、スルタン・スレイマンでも例外ではない。」

という。そしてセリムが

「今日でなくともいつか皇艇の座に私がつくことになるだろう。
その準備もしなければならない。
我々の時代が始まるのだ」

と言うとムラトは頷く。

戦場ではアルスラーン・パシャが捕まえられる。彼は寄付をよこどりした罪で処刑された。
スレイマンの状態もわるい。痛みがまし、こらえきれない様子だ。

ハレムではミフリマーフとスンビュルが2階の廊下に立って下を見下ろしながら話していた。

「ここで母はまっていたわ。そして父の姿を見つけると目が輝いたわ」

とミフリマーフ。

「私が証人です。スルタン・スレイマンは彼の勝利だけが語られるのではありません。
スルタン・スレイマンと聞けばヒュッレム・スルタンとの愛の物語も語られることでしょう」

とスンビュル。

するとミフリマーフは

「エディルネへ行きましょう、スンビュル」

と突然言い出す。

「彼らが勝ったのよ、山のような弟が逝ってしまったわ、私たちは敗北したのよ」

とつぶやいた。

ミフリマーフはセリムたちが宮廷に来る前に宮殿から去ろうとしたのだ。

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