オスマン帝国外伝シーズン4あらすじ 93話後半・ファイナル エピソード139の5 スレイマンの死・最後の言葉は?

シゲトヴァールでは包囲戦が開始されていた。
ソコルルが戦況を知らせると

「ソコルル、私に勝利について語れ」

と言った。
スレイマンは座っているのも苦しそうだ。早く戦争を終わらせたいのはよくわかるが敵もかなり強い。

立ち上がろうとすると足に痛みが走る。テントへ向かうスレイマン。
キュタフヤでは
ヌールバーヌーとサフィイェとの戦いも静かに始まっている。
ヌールバーヌーの指にはヒュッレムが初めてスレイマンからもらった愛の証の指輪がはめられている。
これは故ヒュッレムの指から盗まれたものだった。

この指輪のためにヒュッレムに忠誠を尽くしたファーリエは命を落としている。
それを眺めながらヌールバーヌーは何かを待っていいた。

そうだ。スレイマンの死を待っているのだ。
セリムが皇位につく日、自分が皇帝妃になる日をヌールバーヌーは待っていた。

付き人のカザンフェルが

「とてもよくお似合いです」

と指輪をほめると嬉しそうに指を見るヌールバーヌー。
するとそこでノックの音がする。サフィイェがやってくたのだ。

N:「あなたはムラトを幸せにしているようね。だがこれだけではスルタンにとって十分ではないわ。セリムの後、ムラトの時代は始まるわ。私は母后になるわ」

S:「ヒュッレムスルタンに起こらなかったことがインシャアッラー、あなたに起こりますわ」とサフィイェは臆さず答える。

N:「おそらくミフリマーフからヒュッレム・スルタンのことを聞いているわね。私は彼女の道と同じ道を歩いているのよ。今度は私の番よ」

S「後から来たの者は前にいる者を上回るといいますもの。
あなたがヒュッレムスルタン追い越すという確信がありますわ。
あなたの手にある指輪がそのことを聞いていますわ」

と言うとヌールバーヌーは指輪をみながら狼狽する。
彼女はそのゆびわがヌールバーヌーにはふさわしくないことを知っているようだった。

それにしても盗んだもので、一緒に埋めるようにヒュッレムが遺言しておいた指輪なら、隠しておくほうがいいと思うのだけれど、なぜかヌールバーヌーはそれをみんなの前ではめている。

イスタンブルの宮殿ではミフリマーフが庭にいる。

「できればあなたも一緒に来て切れたらよかったのに、スンビュル」

とスンビュルにミフリマーフが言う。そうなのだ、今日はミフリマーフが宮殿を去る日だった。

だがスンビュルは宮殿の秩序が乱れることを心配して、そこを離れなれることはできなかった。根っからの宦官なのだ。

スンビュルは

「手紙を書いてくださいね」

と頼む。彼はミフリマーフの家族のことが気になる。

もしスレイマンがいなくなったら、ミフリマーフの心配をしてくれる人は世界広しといえどもスンビュルしかいないだろう。

別れを惜しみながらもミフリマーフは馬車に乗り去っていった。

ミフリマーフを見送った後、がらんとしたヒュッレムの住んでいた部屋にスンビュルは座っている。
スンビュルはヒュッレムの遺言を思い出していた。
ヒュッレムがスンビュルに預けた日記帳のことだった。
スンビュルはその日記帳をいとおしそうに見つめる。
それはヒュッレムがこのハレムで生きた証拠だった。

 日記帳には
「私の魂、これらの建物、これらの部屋、庭、私の涙、私の愛する者、私の愛、私の声、歌、笑い声、秘密の涙と泣き声・・・
季節が過ぎ、星々が消えて・・・ 
人生は一瞬の瞬きのようだった。
眼があけられ、そしてとじられる。
生涯とは一日のようだった。
ぱっと現れさっと消えた。
私の存在はすべて愛のためだった。
私たちの人生、この宮殿・・・・ 」

とつづられており、ヒュッレムの声がどこからともなく聞こえてくる。

スンビュルはその日記帳をか抱えながら、誰もいないハレムをゆっくりと歩き続ける。

ジャーリイェたちの声、

メフメト皇子が来た時のこと、

ヒュッレムがスュンビュル アーと正しく発音しないでスンブル アガと言った時のこと、

ギュルアーのヤサク(禁止)という声、ジャーリエの笑い声、

「スンビュルどうしたの(スンビュル ネ オルヨル)」
というヒュッレムの声 等々、
スンビュルの思い出は計り知れない。

彼は誰もいない2階の通りを見上げて一礼する。

あたかもそこにはヒュッレムがいるかのようだ。

距離は短いがスンビュルにとっては長く感じた女奴隷たちの居住地をこうしてとおり過ぎる。

ふり返りながら扉をゆっくりと閉める。

その時スンビュルの頬には光り輝く真珠のような涙が見えた。

その真珠の涙の中には、ヒュッレムの子供たちと最愛のヒュッレム、そしてスンビュルの一生分の思い出が刻まれていた。

その思い出の一つ一つが真珠の輝きを増していった。
ヒュッレムがハレムに来たその日からヒュッレムのすべてを見てきたのはスンビュルだっただろう。

セリムの元に手紙が届く。
戦場からだった。
手紙は開かれ、カザンフェルが剣をセリムに差し出す。
するとみんなが一斉に礼をする。

ブルサではろうそくの元でマヒデブランがクルアーンを読んでいる。
すると風で火が消えてしまう。マヒデブランはろうそくの日が消えるとともにスレイマンが旅立ったと感じた。

スィゲトヴァールでは

この前線ではスレイマンは薬を飲み続けながら痛みと戦い続ける。薬を渡すのはフェルハトだ。
スレイマンは彼の手を借りてようやく立ち上がる、

そしてテントの外へゆっくりと向かう。
外では兵士たちが整列していた。
杖を手渡すスレイマン。

それから戦況をソコルルに尋ねる。

「城はなかなか落ちそうもありません」と彼は答える。

すると一人のイェニチェリの長が

「もうすぐ冬になります。一番良いのはベオグラードまで戻ることです。
そこで来春まで準備を整えれば、より良い結果をえられるでしょう」

というと、

「我々の前にはもう春はこない」

といい、兵士たちのほうへ向かう。
そして最後の力を振り絞って

「獅子たちよ、誉れ高き勇者たちよ、神の御名によって敵に向かって進め。
おいかぜだ!
私は信じる、勝利は我々に!」

兵士たちを激励すると、兵士たちもそれに応えた。

力尽きたスレイマンはテントに戻ると倒れる。
スレイマンはベッドに横たわり動かないスレイマンのそばではヤースィン章が朗読されている。

「ヤー・スィーン。英知に満ちた、クルアーンによって誓う。本当にあなたは、使徒の一人で、正しい道の上に(人びとを導く者である)。(これは)偉力ならびなく慈悲深き御方の啓示で・・・。あなたは、訓戒に従う者、また目に見えない慈悲深き御方を畏れる者だけに、警告しなさい・・・」

そこまで来ると今度はどこからともなく違った声が聞こえてくる。その声は

「わが皇帝よ、時が来ました。(フンキャールム、ヴァキット ゲルディ)」
だった。

スレイマンはその声に答えるように「イブラヒム」と声に出し、彼を呼ぶ。
時が到来したことを伝えた声の主はイブラヒムだった。

それがスレイマンの最後の言葉だった・・・

シーンは変わりスレイマンが白いカフタンを着て7階建てのゴージャスな冠をかぶり、と剣を手にテントから出てくる。

「私はスレイマンである。スルタンセリムハーンとハフサ・ヴァーリデ・スルタンの息子、オスマン帝国の10番目の皇帝である。

世界を統治し、東と西をわれらは手にした。

土からきて土にかえる。私はスレイマンである。

親友の声が私を呼んでいる(ドストゥム ベニ チャウルヨル)・・・」

と言いながら夕日に向かってゆったりと歩き出す。

足取りは軽い。
そして草原に置かれた玉座に座る。

遠くには砲弾で燃え上がるヨーロッパの地が見える。
すると右方からは白馬がスレイマンに走り寄る。

その時

「死を迎え権力も玉座も財産も消えうせた。あとにのこったのはあわれな神のしもべの一人、アダムの子、年老いた弱きスレイマンのみ」

と彼は感じた。1566年9月7日のことだった。

幾多の遠征で勝利し続けた強きスレイマン。

3大陸にまたがる広大な地の覇者となったスレイマン。

だが彼はその帝国の安泰のために、多くの大切なものを犠牲にした。

父としての情愛よりも、イブラヒムとの友情よりも帝国の維持を優先したスレイマンだった。

だがただ一つヒュッレムへの愛のみは貫いた。それは永遠に人々の心に残ることだろう。
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