ものがたり「守り人たち」4~皇女ラナの守り人 ~
皇女ラナの守り人
その時ドーーーンと突然大きな音がした。雷でも落ちたかと思ったが校長室からだった。みんなはとっさにそこへ走った。手にアイスを持ったまま明菜も走りドアを開けた。中は何も変わった様子はない。ただテーブルの上に桜の花びらの形をした小物入れが置いてある。音に驚いてアイスの中に隠れていた守り人たちが姿を現した。いつもだったら人間にみられることはないのだが、アイスクリームのべとべとと大きな音のショックで動きが鈍ってしまったようだ。明菜が手のひらにのせよくよくみると、それは人の形をしていて頭にスカーフして腰にはホッチキスの針ほど細くて小さい半月型の剣をさしていた。彼らが明菜の日本語をわかるはずもないのに、ご明菜はく自然に彼らに話しかけた。
明菜:「こんにちは、私は明菜よ。」すると
橙:「ワタシハ ダイダイのコスモス。エム ナナ ベータ セイノ コウジョ ラナノ モリビト」と、橙色のピパが答えた。明菜が、
明菜:「そうだったの。ところで、ここで何をしているの」
チョコ:「ワタシタチハ サガシテイル」
とチョコ色のターバンを巻いた太っちょのチョコが言った。
明菜:「何を?」
橙が頭を振ってスカーフからアイスクリームをふるい落としてから、
橙:「この前、皇女ラナが地球を訪れたとき、このあたりに大切な物を預けたんです。」
と続けた。
明菜:「へえ、何かしら?」 と首をかしげる。
どうやら守り人たちはなにやら探し物をしているようだ。