オスマン帝国外伝シーズン3あらすじ 【59話】真実よりトリックが勝つ? E89
夜になってみんながハティジェを探し始めた。
家から出てスレイマンに会ったことまで分かったが、その後どうなったのか誰も知らない。
シャースルタンは動転してヒュッレムを問い詰める。
そこへスレイマンがやってくる。
ハティジェがいなくなったことを話すと、スレイマンの顔は険しくなる。
スレイマンは直ちに捜索するようマルコチョールに命じる。
ハティジェは森の中に1人横たわっている。今にも狼に食われてしまいそうだ。
傷だらけのハティジェ。
でもかすかに手が動く。
ハティジェはむくっと体を起こした。
真っ暗な森の中で彼女は這いながら宮殿に戻ろうと懸命だ。
わあ、立ち上がった。
そしてふらふらしながら暗闇を歩き続ける。
夜が明ける。
だがハティジェはまだ戻らない。
そこへ情報が入る。
ハティジェの馬車を見つけたが、中には誰もいなかったとのことだ。
みんなの心配は募る。
そこへ目が晴れて傷だらけのハティジェが現れる。
ヒュッレムは真っ青になる。
ベッドに横たわったハティジェはヒュッレムの名を呼ぶ。
「ヒュッレムが傷つけた」
と言う。スレイマンは信じないが、いや信じたくないのだが、彼女は
「何度もたたかれた」
と息も絶え絶えに話し続けると、ついにハティジェを彼は信じ始め、
「ハティジェ直属の付き人はどこか」
とスレイマンは怒鳴る。目撃者の彼女は行方不明だった。
怒りに満ちた顔でスレイマンはヒュッレムのところへ向かった。
彼女の行為は死に値するとスレイマンは考えているだろう。
さてヒュッレムは罰せられるのだろうか?
それとも罪を逃れられるのだろうか?
ハティジェがすべてを明らかにした。
だがなぜヒュッレムがこのようなことをしたかをニギャールは疑う。
何故ならニギャールの知っているヒュッレムはとても頭がいいからだ。
もし感情に身を任せて、たたいたとしよう。
でもその後に森へすてるなんてことはかんがえられないといニギャールは思った。
スレイマンは横たわっているヒュッレムに
「君が彼女をたたき森へ捨てたのだね」
と言う。
ヒュッレムは
「自分は病気で動けなかったので、これはハティジェ様の罠かもしれません」
と答える。
イブラヒムの死をヒュッレムのせいにしているから、その復讐のつもりなのだと力説する。
そこへハティジェの付き人が発見され連れてこられる。
かの女は死んではいなかったのだ。
付き人はスレイマンに次のように話す。
「ハティジェと会った後で、一緒に車でハレムを出た。
彼女はシャースルタンの家に行くと思った。
だが車は途中で止められ、金を渡され解雇すると言われた。
故郷へ帰ろうと港に行った。
そこで兵士に捕まった」と。
スレイマンとシャースルタンはそれを聞いて驚く。金はハティジェが使う袋の中に入っており、ハティジェが渡したことを意味していた。
ハティジェはシャースルタンに付き人について聞かれたことがある。彼女は
「付き人はヒュッレムに命を奪われただろう」
と答えた。
証人を生かすはずがないと考えたのだ。だが彼女は生きていた。
ヒュッレムはハティジェより上手だった。
ニギャールが案じてた通りのことが現実となる。
すべてがヒュッレムの罠だった。
ハティジェは急に笑い出す。いや泣き出す。
もう何が何だかわからない。
スレイマンはもはやハティジェを信じない。
ハティジェが
「母が今の私を見たらどう思うだろう」
と言うとシャースルタンもやりきれなくなる。
身も心も傷だらけのハティジェの頭を撫ぜて、シャースルタンはハティジェを慰める。
マニサではガブリエラがムスタファに会いに来る。
彼が理由を聞くと問題が起こったらしい。
彼女の船が燃やされたそうだ。
事故だと言うが、そのことをガブリエラは信じていない。
そこでムスタファはヤフヤーに事の真実を調べるように命じる。
マヒデブランに手紙が届く。
ファーリエからの手紙だった。
シャースルタンの元で働くのがいやなので、マニサへ戻りたいと書いてあった。
確かにシャースルタンは誰に対しても横柄なのでファーリエがいやになるのも無理ない。
ハティジェはシャースルタンと共にハティジェがイブラヒムと過ごした宮殿に戻る。
ハティジェはイブラヒムが隠した金をシャースルタンに見せ、この金でヒュッレムに復讐するつもりだという。
ハティジェはイブラヒムが以前自分に何でも話したことを思い出す。
これは私と私の子供たちの物だという。
「ここに置いておくのは危ないわ」
とシャースルタンは忠告するが、ハティジェは耳を貸さない。
反対に内緒にするようにシャースルタンに言う。
一方、スレイマンも悲しみに沈んでいる。
妹と妻の板挟みで悩む。
ムスタファはガブリエラを訪ねる。火事について伝えに来たのだ。
「これは事故ではなかったので、犯人を探し続ける」
と彼はいう。
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