心が清らかでなけれ正誤は判断できない オスマン帝国外伝シーズン4 48話ハイライト
ムスタファ二スレイマンから手紙が届いた。遠征に参加せよとのことだった。お家族や忠臣からの反対をよそに、ムスタファは出陣することを決めた。
心配するマヒデブランはムスカというお守りを取りに行ったあと、ムスタファに会いに来た。彼女はムスタファの隣に座り
「あなたに何を言ってもだめでしょうね。私の言うことを聞かずに出かけるのよね」と優しく声をかけた。
「あなたは無駄に心配していますよ」と言って微笑み「皇帝は御怒りですが、私の言うことも聞いてくれますよ。私に過ちがないことをわかってくれます」というとマヒデブランは
「何が正しく何が間違っているかを理解するためにはその人の心が清らかでなければなりませんよ。あなたにとってあなたの父親の心は清らかですか?心に愛がありますか?あなたに耳を傾けてくれますか?良心の声が彼には聞こえますか?さもなければ彼の心の目は曇ってしまっていますか?突然冷酷な人になることはありませんか?」とマヒデブランは心から訴えがムスタファは
「私は人の心がどのようかはわかりません。ただ唯一わかることは自分の心がどのようかということです。私は父上を慕っています。そして彼を信じています」
と言った。マヒデブランは少し涙ぐみながら
「貴方と交わした約束を信じているのね。イブラヒムパシャのように・・・それはただの約束ではなかったわ、国法だったのよ」とイブラヒムの死を思い出させていた。そうだった、スレイマンは法としてイブラヒムを守ると宣言していたのにイブラヒムを絞殺させたのだ。
それでもムスタファは
「私は彼の息子です。そして彼は私の父なのです」と言うので、マヒデブランはため息をつくしかなかった。そして
「私の言ったことを覚えておいてね、そしてよく注意するように」と言ってムスタファの手にお守りを渡した。それを見ながら
「私たちは嵐を乗り越えてきました。そして多くの山や海を開きました。悲しまないでください」とムスタファは言った。
「インシャアッラー、息子よ、インシャアッラー あなたの母の祈りがあなたをまもるわ」とマヒデブランは半泣きで言った。
この時のマヒデブランの気持ちをかんがえるとたたまれない。
彼女は今回ばかりはムスタファの命がないと直感していたに違いない。死にゆく息子を止めることができない自分のふがいなさや息子の父への思いやスレイマン皇帝の怖さが入り混じった気持ちを胸に、マヒデブランにできることはただ祈ることのみだったようだ。
人は困ったとき、何かにすがりたい気持ちになる。それが石でも、人でも太陽でも神でもなんでもいいのだが、とにかくすがりたくなるものだ。そしてマヒデブランが神に祈ったように、人は何かに祈るのだ。
ところで当時のオスマン帝国では、子供のための両親の祈りはかなうと信じられていた。マヒデブランが「あなたの母の祈りがあなたをまもるわ」と言ったのにもそういう文化背景があるようだ。このシーンでのマヒデブランはとても素敵だ。どの言葉も胸に響くものがある・・・
これからムスタファはどうなってしまうのだろう?そしてマヒデブランは?