バヤジトはムスタファ兄の葬式へ参加するが・・・オスマン帝国外伝シーズン4 51話ハイライト
ヒュッレムはバイジトのことをソコルルに聞いた。
「非常に激怒しておられます。ムスタファ皇子がなくなったことで心の中に深い傷を負ってしまったようですね、葬式のためにブルサに行くとお決めになれました。どうかお防ぎください。あそこは大変危険です」と言われ、ヒュッレムはバヤジトを止めに行くが、
「あなたから許しを請うつもりはありません。(葬式への参加は)ムスタファ兄上のためにできる最後のことですよ」
とバヤジトは半泣きで抗議した。
すると「私は正しいことをしたのです。正しいことをいったのです。ムスタファ皇子を殺したのは私ではないわ。罪をここで探すのはやめなさい。彼を死に向かわせたのは彼自身の驕りと野心だったのよ!」とヒュッレムは声を荒げた。するとバヤジトは左手でもう十分だと合図しながら
「私を一人にしてください」こみあげる怒りと悲しみと我慢しながら言った。このようにヒュッレムとバヤジトの見解は全く違ったものだった。ヒュッレムは怒りながら出ていった。
シーンは変わって、 マヒデブランが馬車から降りた。そして棺のところまでよろよろとやってきた。
ムスタファは白い衣装で白いターバン姿でなかった。今はケフェと呼ばれる白い布にまかれた彼が横たわっていた。
マヒデブランは「目を覚ましておきて、あなたの他に誰もいないのよ」となきながらムスタファに話しかけた。勿論返事はなかった。ミフリュニーサも近づき跪いた。
マヒデブランは悲鳴を上げながら泣いた。その声に鳥たちも驚き飛び立つほどだった。そこへバヤジトが到着した。バヤジトに気が付いたマヒデブランは
「何のようなの!」とバヤジトをに殴りかかった。そして
「どんな顔してやってきたの。あなたとあなたの母は満足していないの?!ほかに何を望むというの!」と続けた。
「私の心も焼かれるように痛いのです。まるで命がとられたようです。もし知っていたら、行くのを止めたでしょう」とバヤジトは答えた。
マヒデブランは
「貴方にも罪があるのよ。彼はあなたの秘密を固く守ったのに、あなたは今私の前にきて罪がないとでもいうのですか?(秘密の結婚のことを言っているのだろう)
「神に誓って私に罪はありません」と言うが
「あなたはヒュッレムの息子よ。今日でなくてもいつかは争うことになるわ」
と言った。
バヤジトはみんなの冷たい視線を感じながら、ムスタファのそばに寄った。ムスタファ意外と安らかな表情をしていた。
それからバヤジトはムスタファを土の中に埋めた。そして彼のために祈りをささげた。ムスタファの遺体の上に板が敷かれそしてみんなが少しずつ土をかけた。帰り道バヤジトがララに
「何故皇帝が私を留守居役にしたのかと考えていたのだ。答えがわかったよ。もし私がそこにいたならムスタファ兄上が死にむかっていくのを必ず防いだことだろう。だから私を遠征に行かせたくなかったのだ」
と悔しそうに言うと、
「もうそのことは考えないでください。これからのことが大切ですよ。これからはセリム皇子とあなたがいるのですよ。あなた方の戦争が始まるのですよ」
「今はよせ」とバヤジトはいった。兄思いのバヤジトは今は兄をなくした痛みで頭が働かなかったのだ。だが
「夏は40日間続き、終わりますが、それからも人生は続くのですよ」とララはバヤジトにぐずぐずしている場合ではないと忠告した。
このララは今はバヤジトに忠誠を誓っているが、後にバヤジトを裏切ることになる。
(永遠の忠誠心などは存在しないのだ。なぜかむなしいなあ)