バヤジトは偽ムスタファの仲間たちを助けようとするが オスマン帝国外伝シーズン4 61話ハイライト

 アトマジャは

「ウヴェイレさんに会いたいのです。」

「お前は誰だ、なぜウヴェイレを知っているのだ?」

「フセインがよろしくとのことです。反乱に加わりたいのなら彼を探せと言ったのです。ムスタファ皇子のところへ連れて行ってくれますか」と丁寧に聞いた。

すると「そうか、フセインか、よろしい、あなたは探しているものは目の前にいる。私がムスタファ皇子の大宰相だ。あなたは加わりたいのかね?

「もまず初めにムスタファ皇子にお会いしたいです。ムスタファが偽物だといわれているので」

「それはリュステムパシャの虚言だ、彼は本当のムスタファ皇子だ。何故そんなことを言うのか、お前は何様なのだ」

というと、「かつて私はムスタファ皇子と共に戦いました。その時彼にお会いする栄誉を与えられたのです。私に500人の仲間がいますが、確かめない限り参加することはできません」と答えた。

「皇子様と戦ったのだな、それでは少し待て、彼に伝えよう、それからあなたに知らせる」

と言った。アトマジャはわかったとうなずいた。

この時 バヤジトとアトマジャたちは偽ムスタファの制圧のためエディルネにいた。だがムスタファを慕う者たちを手にかけたくないと考えたバヤジトは偽ムスタファに直接会い、彼だけを捕らえようとした。

イスタンブルではスレイマンは今か今か朗報を持っていた。バヤジトが躊躇していると知ると皇帝はソコルルを派遣した。

ソコルルはエディルネにつくとそこの長であるラマザンアーに出動命令を下した。

ラマザンアーが「皇子様を待たなくて用のですか?」と言っては見たものの、ソコルルにはスレイマンの命令書があったため、皇子を待たず攻撃態勢に入った。

そうとは知らないバヤジトはアトマジャと共に偽ムスタファの部下たちをにあっていた。

偽ムスタファの部下は「皇子は信用できないものとはお会いしたくないそうだ」と答えるとムスタファは笑う。そして

「もちろん望まないだろう、ウソがばれるのを知っているからな。勇気が出ないだろうな」

すると偽ムスタファの部下たちがアトマジャに襲いかかろうとした。アトマジャは一言

「アーたちよ」

と声をかけると、林の茂みの中から弓隊が現れた。

ムスタファ皇子の名誉をけがす反逆者はあなた方みんあをだましているのだ。ムスタファ皇子は悲しいことにもう生きてはいらっしゃらない。

「をつくな、皇子様は生きている。逃げのびたのだ」

「もし私の兄が生きていたらどんなに良いか・・私たちと共に一緒にいたらどんなによかったか・・」とバヤジトは初めて口を開いた。

「兄上ですって?お前は誰だ?」

「丁寧に話せ、バヤジト皇子様だぞ」

「あなた方がウソツキでないとどうしてしることができるんだ?

お前がほんとのバヤジト皇子だとどうやってしることができるというんだ?」

するとアトマジャは命令書を見せた。

そこにはスレイマンの花押が押されてあった。

「手に持っている手紙には、反乱に参加した全員の首を取れと命じている。

花押をよくみなさい。本物だとわかるだろう。エディルネで何千もの兵士たちが待機しているのだ。私の一命で、直ちに攻撃するだろう。私が望めばお前を私の護衛が直ちにあの世へ送ることもできるのだ」

「ならばなぜ待っているのですか、なぜすぐに私たちをころさないのですか?」

「何故なら故ムスタファ皇子を信頼する者たちの命を奪いたくないのだ」

と優しい目をしてバヤジトは語った。

そして「私を信じるか?」と聞いた。するとみんなは片膝を下げ敬意を払い、忠誠を誓った。

「あなたの道は私たちの道です」と答えた。

よろしい、では「すぐに秘密裏に偽ムスタファをキャンプの外へ連れ連れてくるのだ。私が彼の首を取る。その後仲間たちに真実を話すように。許されたことを伝えよ」

というと、

「わかりました」といって去った。バヤジトとアトマジャは満足げにお互いの目を合わせた。

この時まだソコルルが総攻撃を仕掛けていたことを二人はしらなかったのだった。

バヤジトは人情ある英断を下したのだが、スレイマン皇帝はそんなことを許すはずもなかったのだ。

皇帝にとって自分の命令が絶対だから!

当時皇帝はたとえよりよい決断があろうともそれを認めることはできなくなっていた。

権力を長きに握っている者の宿命なのだろう。ひとたび他人の意見が良いと認めたら、自分の座が崩れ落ちてしまうと感じていたのかもしれない。

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