【トルコ小説】「メヴラーナ」その2 カラタイメドレセとインジェミナーレメドレセ

メヴラーナを小説でわかりやすく説明。主人公は典型的な日本人!仕事でトルコを訪れたタダトシがメヴラーナについて知る様子を描きます。
物語はタダトシの紹介で始まり、コンヤに観光のため出かけます。コンヤ巡りを始めた一行はメドレセを見学し始めます。

ガイドはカラタイ・メドレセについて説明をしていた。
「1251年に作られました。クッベ(半球型の天井)は、特徴的なセルジューク朝の色彩を醸し出す青緑 色と黒色からなり、見事に調和しています。そして、そこには葉や花の入り組んで描かれた見事な装飾芸術がみられます。クッベのちょうど真ん中の窓の下に作 られたプール(貯水池)から、当時天文学的観測が行われていたことが伺われます。

左側の鍵の形をした奇妙な配置は、水面を絶えず水平に保させる効果があり、諸星、天空を鏡のように映し出すために、水の流れを定めました」と説明し、何百年も前の科学者たちが、このメドレセの中央に存在するプールの水を望遠鏡として使用していたこと、水の流れから諸星の運行を観察し研究し、天文学に光を燈したこと、さらにはオックスフォード大学が、カラタイ・メドレセの観測機としての配置を模倣して作られたことなどガイドが伝えると、日本の人々は驚きで目を輝かせた。

ガイドはメヴラーナが熟考するためにこのメドレセをいつも訪れていたことや、一部の星からしばしば示唆を受けたこと、おそらく天空の観察にも参加し、さらにそこで、『メスネヴィー』の一節をも読んだことを伝えた。

「川の水に映る月のごとく、人間に見られるすべてのものは、かのお方(神)の映しである。そのアストロラーベの上の雲は、幽玄の天空と魂の灯火を明らかに知らせ、教えを授ける」メヴラーナの言葉をさらに続けた。「人間は神のアストロラーベである。しかし、アストロラーベをよく知る天文学者が必要である」と。

カラタイ・メドレセの後、文字装飾された冠の扉と大サロンによって特長づけられるインジェ・ミナーレ・メドレセの外観は、セルジューク朝の作品の中で重要な位置を占めるのだが、それほど感嘆するものではない。ただ、今まで経験した戦争の全貌を物語る掘り込みのある石が一塊となって、その一つ一つがしっかりとはめこまれた状態を保っていた。青色石によって装飾されたミナーレだけでなく、見事に細工された幾何学文様は、何世紀もの時が経たにもかかわらず色あせる ことなく、芸術作品の傑作といえる特徴を備えていた。歴史の香りを漂わせる雰囲気は、誰にでもそうであるように、日本の人々をも何百年も前の世界へと誘 (いざな)った。

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