【本レビュー】『投資で一番大切な20の教え』-賢い投資家になるための隠れた常識-

知り合いに勧められ貸してもらった本です。人間がいかに非効率的な行動をするかをわかりやすいすく説明しています。題名からは特に投資家へのメッセージを書いているかのように受け取れますが、実は投資家に限らず、すべての人間が良く生きていくのに必要な2次的思考について投資というサンプルを通してその重要性とその思考の身に着け方のヒントを伝えている本です。さらに本質的価値について知り付加価値生み出す事の重要性も説いています。
副題の隠れた常識は英語の原題ではuncommon Senseです。卓越した判断能力を磨いた者だけが賢い投資家(人間)になれるというわけです。

236ページにアルジェリア出身のタレブさんが書いた『まぐれ』というほんとにおもしろい本からの引用をつかってさらに面白いことを言っています。
「多くの人は・・・・、少なくとも過去は既知で不動だと感じている。しょせん過去は歴史であり、不変だ。だがタレブは、実際に起こったことは、起きる可能性があったことの小さな集まりにすぎないと指摘している。ある計略あるいは行動がよいけっかをもたらしたとしても、その背景にあった決断が賢明であったとは限らないのだ。…運が良かっただけかもしれない。…その決断は軽率だった可能性もある。・・・
決断の良し悪しは結果で判断されるものではないという点だ。・・・」

結果を重視するウォール街の過酷な世界では、短期的には賢い投資家は成果を上げることが難しい場合がりますので、結果を重視してあえて運のいいい愚か者の道をたどる方々もいらっしゃるようです。
236ページの表を見てもらうと一目瞭然ですが「運がいいだけの愚か者」は、能力ではなく運、必然性ではなく偶然性、確定的ではなく確率的、知識や革新ではなく思い込みと憶測、現実ではなく理論、因果律や法則ではなくて逸話や偶然、アウトパーフォーマンスではなくて生存バイアスによって動かされるという特質があります。

(私は残念ながら運のいい愚か者にも該当しません。そこで考えたところ、もし「運のわるい愚か者」というカテゴリーがあれば、そこに自分は当てはまるような気がします。)

「運がいいだけの愚か者」と命名したタレブさんの本『まぐれ』では、投資家に限らずいろんなケースを表にまとめてありますので、お暇な時にお読みになると楽しい時が過ごせるかもしれません。

「並外れた洞察力を持つ投資家だけがつねに未来の出来事の確立を表す確率分布を描け、左側のテールが示すリスクに見合うリターンが見込まれるタイミングを察知できる・・・」
と最後にまとめています。

ちなみに日本の題名の20の教えには以下のものが入っています。
1.ニ次的思考をめぐらす。
2.市場の効率性を理解する
3.バリュー投資を行う
4.価格と価値の関係性に目を向ける
5.リスクを理解する
6.リスクを認識する
7.リスクをコントロールする
8.サイクルに注意を向ける
9.振り子を意識する
10.心理的要因の悪影響をかわす
12.逆張りをする
13.我慢強くチャンスを待つ
14.無知を知る
15.今どこにいるかを感じとる
16.運の影響力を認識する
17.ディフェンシブ投資をする
18.落とし穴を避ける
19.付加価値を生み出す
20.すべての極意をまとめて実践する

どうですか?やあ実際かなり難易度が高そうな教えです・・・が、現実にできなくてもああこういう風に考えることもできるんだなあと投資という側面だけではなく、投資を通して彼の生き方を知ることができただけでも十分楽しかったです。知り合いに借りた本でしたが、実は別の友人に私も勧めてしまいました。
興味のある方はどうぞ 

投資で一番大切な20の教え―賢い投資家になるための隠れた常識 単行本 – 2012/10/23 ハワード・マークス (著), 貫井 佳子 (翻訳)
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