ほのぼのとした気持ちになる日本映画 『コーヒーが冷めないうちに』
2015年出版された川口俊和さんの処女作の小説を映画化した作品です。彼の作品はすべタイトルの最期に「~ないうちに」がついています。
たとえば
『コーヒーが冷めないうちに」
『思い出が消えないうちに』
『この嘘がばれないうちに」
というような感じです。
この映画の特徴は未来を変えられるかもしれないと感じられることです。
もしあなたが過去に何らかのわだかまり、行き違い、悔等々の何か負の思い出があったとしたら、もしできるならあなたはその過去を書き換えたと思うに違いありません。『コーヒーが冷めないうちに』という作品の中で描かれている人々はそういった過去を持っている人たちでした。
ある喫茶店の特別なテーブルに座って、注がれたコーヒー・・・そのコーヒーが冷めないうちに飲み干す等のいくつルールを守れば過去の一時刻に戻ることができるというのです。
そのルールとは
1.過去に戻っても、この喫茶店を訪れた事のない者には会う事はできない。
2.過去に戻って、どんな努力をしても、現実は変わらない。
3.過去に戻れる席には先客(幽霊、主人公の母)がいる。その席に座れるのは、その先客が席を立った時だけ。
4.過去に戻っても、席を立って移動する事はできない。
5.過去に戻れるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまでの間だけ。
という感じです。どうですか?あなたもトライしてみたくなるんじゃないでしょうか?(私も戻りたい時刻がいっぱいありすぎて、どこへ戻りたいのかわからないくらいです。)
でもその喫茶店に行ったことがなければだめなのなら、ごく限られた場所と人に限ってしまいますよね。
それでも
この不思議なコーヒーを飲んだ方々は、過去を変えることはできなくても、コーヒーが冷めないという短い間だけでも、会いたい人にことによって、言い残しを伝えたり自分が感じていた誤解などを解くことができたのです。
現在に戻った主人公たちのもちろん過去は変わりませんでした。ですので、現在も何も変わっていません。
それでも変わったことがあるのです。彼らの未来です。
彼らが現在することが変わり、それにつれて未来がかなり変わっていき、彼らが幸せになります。
ここにこのコーヒーの意味が隠されていました。コーヒーは幸せとは何かを考えるきっかけを与えてくれる何かだったのです。
「あなたも私も過去や現在は変えられないが、現在の行動次第で未来を変え、幸せになることもできる」ということをこの映画を観て強く思いました。
貴方や私が幸せになれるかもしれないというほのぼのとした気持ちになれる作品でした。
是非本か映画でご覧くださいませ。