16 ヒュッレムは自分に打ち勝ち皇帝に女性を選んだが・・ ヒュッレムの軌跡 シーズン4 

 スレイマンがバルコニから外を眺めていた。そしてヒュッレムを呼んだ。

ヒュッレムは居心地の悪い顔をしながらそばに寄った。

そして「昨晩はインシャアラーお喜びになられたことでしょう」と話しかけた。

スレイマン皇帝は

「ヒュッレム、あの女性を私に送ったのはあなただそうだが、本当かい?」するとヒュッレムはとても微妙な表情で、

時というものは誰にとっても残酷なものですわ。特に女性には・・・あなたんもっと子供を与えたかったのですが、残念ながらできませんでした。今後は不可能です・・・そのために(送ったのです)」

といった。

スレイマンは複雑な気持ちでヒュッレムの言葉を遮り、ヒュッレムの手を取った。

(それにしても男というものは本当に残酷だ。特に皇帝のようにその残酷さを行使するのが許されている立場の者たちはより残酷と言える。(もちろん男性全員がそうではありません)

ヒュッレムは自分のみじめでやるせない気持ちを抑えながら

「貴方のしあわせだけをのぞんでいます。あなた喜ばせるためなら何でもしますわ」とけなげに言った。

あのヒュッレムが!ここまで変わるとは!

(本当に時というものは不思議だ。時は皇帝妃にも貧しく上に苦しむ女性にも同じように流れる。この点では人はみな平等なのだなあとすこし安堵感さえ感じる)

するとスレイマン皇帝は

「私のヒュッレムよ、私のパーディシャーよ、私の命よ、世界のすべての女性を集めてもあなたが私に与えた幸せと平安を彼女たちは芥子粒ほども私にあたえることはできないよ」

と言ってヒュッレムの頬を口づけした。

 

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