ヒュッレムの時代から今の時代まで変わらずに受け継がれている慣習 ヒュッレムの軌跡16を見て思ったこと
シーズン4で ヒュッレムは年老いて、子供が産めない体になりました。5人(本当は6人一人は赤ちゃんの時に死亡)もの子供をスレイマン皇帝に授けたのに、まだ足りないのでしょうか!
ほんとうに胸が痛いシーンでした。今までのヒュッレムを見てきた私たちには彼女がどれほど誇り高く、嫉妬心が強く、スレイマン皇帝を独り占めしてきたことを知っています。(ご覧になっていなっ方のために捕捉いたしますと、ヒュッレムはマヒデブラン、ギュルフェムたちの後スレイマンに出会いました。それからは皇帝妃のマヒデブランさえ寄せ付けさせず、彼に近づく女性たちは、海の藻屑となりました。海に投げ込まれなかった者たちも、ハレムから追い出されました。
こうまでしてここまでヒュッレムはスレイマンの愛(?)を得続けようとしてきました。
それがこんな形でそのバトルのステージから降りることになるとは予想もしていませんでしたし、それに実際にはありえないと思います。
スレイマン皇帝の肩を持つわけではありませんが、高齢のスレイマン皇帝がヒュッレム以外の女性を望んだとは考えられません。史実では スレイマン皇帝の娘さんは ミフリマーフ、ラーズィエ そして名前のわからない娘さんの3人いますので、たぶんこの3番目の女性をヒントに描かれたシナリオでしょうが、このことはスレイマンがもうすこし若い頃のお話だと思います。
とは言えなぜ女性であるだけで、ヒュッレムがここまで我慢しなければならないのか!と憤慨しました。
でもこの憤慨の気持ちは日本の考え方で考えたときにおこることのようです。
昔ホームステイ先の叔母さんの家にお客さんが集まりました。その中に姉妹?に見えるお客さんがいました。ひとつストリートむこうの 隣人だそうです。一人は病気のようで若い方の女性が歩くとき彼女の腕を取って支えていたりもしました。
私はまだよく隣人の顔と名前を覚えていなかったので(お客さんの数が多くて覚えきれない)なかのよい姉妹なのかなと思いました。
そしてお客さんが去った後、「彼女たちは誰ですか」と聞いたところ、「病気の方が第一婦人で元気な方が第二婦人だよ」と答えました。
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と一瞬脳が機能停止しました。そしてとっさに
「え?」
と声を上げました。驚いたのです。話は聞いたことがありましたが、実際に二人が仲が良いのにもびっくりしました。スレイマン皇帝の時代と同じように彼らの教えでは、妻が病気の場合、妻の同意を得て、第二婦人を娶ることができるらしいのです。
そして私が初めて見た二人の関係は、とても良好に見えました。姉妹みたいな感じさ受けたのですから。
もう一つの例はかなり険悪な感じでした。おばさんお知り合いの方のお話です。
旦那さんは初めの奥様と離婚を申し立てたのですが、20年以上も受けいられず、第二婦人として過ごしました。 お子さんにも恵まれ、役所の証明書をみない限りは、どう見ても普通の家族としか見えません。
トルコでは現在はわかりませんが、少し前までにはこのような例がよくあったようです。
そういえば先日も友人から聞いた話なのですが、(男性の国はどこでしたか忘れました)日本の女性が第二婦人として結婚したそうです。(日本の法律ではもちろん認められていません)
ということで、最近は日本でも第二婦人という立場で生きる場合も出てきているようですね。
トルコでの過去の現実をみても、現在の日本の現実もみても、やはり、私の憤慨の気持ちはおさまりませんが、もし当事者同士が幸せならば、それはそれでよいのではふと思ったりもします。
とういことで、トルコという国にはヒュッレムの時代から今の時代まで変わらずに受け継がれている慣習?がまだまだ存在しているというお話でした。