ヒュッレムの軌跡 シーズン4 15 エブッスードへのヒュッレムの信頼はあつい
イスラム長老とエブッスードとのトラブルについてヒュッレムはリュステムに聞いた。
だがリュステムの様子がおかしい。
それを心配したヒュッレムは
「あなたに必要なのは安らぎではなく力よ」と言って、彼を奮い立たせようとした。
リュステムは力なく心配しないようにと言った。ヒュッレムと皇帝以外は誰も彼を害することできないというのだが、リュステムの頭を悩ましていることは何だろうか?
ヒュッレムはイスラム長老を訪れて、何が起こっているか把握しようとしたが、エブッスードは
イスラム長老と自分の間には何も問題ありません。ですが、イスラム長老様と考えの違いがあることはあります」
と答えた。
「その件についてはあなたが正しいのは確信していますわ」とヒュッレムは言った。そして
「皇帝も同じようにかんがえておいでですわ。そもそもあなたがその地位につくべきではないかと思うのですよ。あなたのご経験は申し分ないですしね。」
と付け加えた。ヒュッレムは彼をイスラム長老にしたかったのだ。エブッスードはお礼を言い「ラウフ・マフフーズ(Lawh al-Mahfuz、守られた書板)にかかれた通りに従うのみです。今まで与えられたどの地位を私は望みませんでした。これからも望みません。皇帝がお望みの場所に私はいることでしょう」と答えた。
彼が信じている教えではこの世で生起する全ての事象が書かれていた板が天に存在し、それにかかれた通りに人は行動すると考えられていた。
エブッスードはその書かれた通りに従う、つまり運命に従うといいたかったのだ。
ヒュッレムは「間違いなくそのとおりですね」
と深く相槌をうった。ヒュッレムは彼を強く信頼していた。エブッスードはオスマン帝国の中で決して忘れてはいけない重要な法改正を実施した重要人物だ。
スレイマン皇帝は立法者という称号もあるけれど、その名を得た功績にエブッスードが大きく貢献していたことは間違いない。