ポロス インド古代英雄伝 シーズン2 20話 プルは罪を否認せず牢へ、

 プルは義理の兄をかばって兄の代わりに罪を認めたのだがバムニ王に理由がわからなかった。

そこでその理由をダレイオス王が語り始めた。彼は、プルはカニシカ王殺害だけでなく、パウラヴァの穀物倉庫も襲撃し、さらにペルシャの船も襲ったというのだった。すべては次期王になるためだというのだが、バムニ王は信じられない。でもあまりにも話が上手なので少しだけ彼に疑惑も生まれた。ダレイオスの言葉は妙につじつまが合っていた。すべての証拠がプルが犯人であることを示していた。

だが事実だけを見てみると、違った真実を発見することも可能かもしれない。

皆が知っている事実は

「カニシカ王子が背後から刺されたこと

カニシカ王子が振り向いたとき、そこにプルがたっていたのをカニシカ王子が見たこと

ダスユが穀物倉庫を襲撃したこと

オウルがペルシャの船を襲ったとこと」

 だ。

本当はすべてペルシャの王の策略だった。目的はバムニ王とプルを仲たがいさせ、二人ともあの世に送り、インドを自分のものにすることだった。

ダレイオスの考え通り、ダスユに穀物倉庫を襲わせ、カニシカ王子をダスユ育ちのハスティに襲わせ命を奪うことだった。それによってパウラヴァを混乱に陥れ、プルとバムニ王を対立させ、二人を戦わせてどちらか残ったほうを自分が手にかけるという計画通り今事が運んでいた。

さらにダレイオスは抜かりがない。財宝を積んだようにみせかけたパルシャの船をプルに襲わせた。そしてその後ころあいのよい時期を見計らって、パウラヴァの軍に襲撃事件を知らせたのだ。そのためダスユたちはパウラヴァの軍に攻撃を受け、壊滅状態となっていた。

 プルはこのような状況の中でも兄をかばい続け、自分がやったといい続けた。

バムニ王はつらい決断を迫られたが、他に方法はなかった。国賊に違いない行動を見せかけではプルがしたことになっていたからだ。

 そのために明日、処刑されることになった。

それでもつらい決定を下したバムニ王は耐えられず、ナイフをにぎって、手の平から血を流しながら、プルの行く末を案じていた。

プルは鞭をうたれながらなにをかんがえていたのだろう?もう彼には自分を救う手立てはないのに・・・ 

そんなところへ弟のカニシカ王子がやってきて暴言を吐いた。本当はプルが彼を助けたのだ。ハスティが背後から襲った後、もう一度刺そうとしたところをプルが止め、さらに逃げようとしたハスティを追いかけることはせず、カニシカの手当てを優先したのだった。彼は多量の状態だったから、プルの判断は正しかった。発見から手当てまでの速さがカニシカを救ったともいえる。

真実はこうなのに、全部プルのせいになった。一方ハスティはダレイオス王から褒美をもらい宮殿から無事出ることに・・・

世の中こういうことがよくあるのではないだろうか。

事実を上手に組み合わせて、つじつまの合う話をして納得させたものの言葉が、真実として受け入れられる。 ダレイオスのようなものが世の中を動かしている。それは21世紀の今も紀元前も全く変わらない人間社会の特徴なのかもしれない。

バムニ王、どうか真実に気が付いてください。自分の子を2度も亡くさないでくださいと祈るばかりだ。

明日が楽しみ!プルはどうやって助かるのだろうか?


 

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