新・オスマン帝国外伝~影の女帝キョセム~ シーズン2 E34の3 バヤジトの母の目的は?
キョセムは昔いざこざがあったバヤジトの母と再会した。彼女は病気を理由に息子に会いに来たのだ。キョセムはそのことに反対したが皇帝ムラトはそれを許した。
彼女はキョセムに会うと、
政府の仕事を(他のものに)任せて、そろそろ楽になってはいかがですか」
と言った。
だがキョセムは顔色一つ変えず、その考えを一蹴した。このバヤジトの母は危険だ。バヤジトを皇帝に座につけようと病気を理由に戻ってきたのだった。
キョセムはもちろんそのことをわかっているが、ムラト皇帝とバヤジト皇子はもう少し安直に考えていた。彼女はただ息子に会いたかっただけだと考えていたのだ。でもたぶんまた彼女は謀反を起こすに違いない。
ムラト皇帝はけがをしたファルヤのことを考えながらも、来春遠征に出かけると公表したため賛否両論の意見が出た。キョセムはもちろん反対だった。皇帝が帝都を留守にすることは大変危険だとよく知っていたからだ。
その昔キョセムの夫アフメト皇帝も遠征に出かけて襲われたことがあった。
ところでアティケは刀持ちに好意を寄せている。そのことをファルヤ王女の言葉を借りて間接的に刀持ちにその伝えるが、彼は皇女の気持ちには気が付いていないようだった。
なぜなら「わかっていても火の中に飛び込んでしまう愛する気持ちを経験したことがあるか」という問いに刀持ちは、私の目的は皇帝を守ることだけです」と答えたのだった。
彼は皇帝一筋の男だ。どうやらアティケにはあまり希望はなさそうだ。刀持ちはアティケを皇帝の妹である皇女としか見ていなかった。オスマン家の一人に仕えるという意味で、彼女に接していた。だが彼の受け答えは時に少しアティケを悩ませるかもしれない。
彼は誰に対してもその安全を守るために全力を尽くすようなタイプだったからだ。その行動は多き乙女には誤解を与えかねない。自分に好意を持っているかもとアティケは感じていた。
豚の頭を置いたために牢屋に入れられたファルヤ皇女は、腕の傷が悪化し、寝たきりになってしまった。
ムラト皇帝はいよいよ彼女を見舞うが・・・
皇帝は彼女を許すのだろうか?