【長期投資】P&Gの懸念材料と安心材料

1837年起業して以来安定した生活必需品を販売し続けてきました。私たちにもなじみの深い洗剤アリエールjoy、シャンプーのパンテーンや消臭剤ファブリーズを販売しています。男性なら使い勝手の良いgilletteを一度は皆さんも手にしたことがあるでしょう。

P&Gは2017年の売り上げを地域別にみてみると北アメリカ45%、ヨーロッパ23%、アジア太平洋9%、中華圏8%、南アメリカ8%、インド、中東とアフリカ8%であり全体の35%が新興市場での売り上げとなっています。
つまりP&Gには多くの強みがあります。グローバルに成長するチャンスを持っています。
これは安心材料といえます。

P&Gは過去連続で売り上げが減少し、問題を抱えているようにも見えます。これは研究開発と広告予算を増大させたこと100以上のブランドを売却する長期的計画によるものです。 170あったブランドが65に減りました。カテゴリーも16から10へと減少しました。この残りの65のブランドが売上高と利益の90%以上を確保しています。売り上げ高は毎年10億ドル以上にもなります。 ということは見込みのないブランドを売るという計画は妥当な選択だと思えます。
経営陣は長期的に年間売り上げ1%増を目標とし、さらに非効率な部分を改善し70億ドル以上の削減に成功していますが、これらの取り組みは始まったばかりです。これから製造自動化に力を入れることにより5年間で100億ドル費用を削減する予定のようです。

株の買い戻しの傾向が強くなり、長期的には株数が大幅に減少するので配当性向が低くなり続けるとも考えられますが、P&Gは約100年以上!株主に配当を支払い続けています。5年平均配当利回り3.17%です。P&Gのすごさは強力なブランド力と消費者の動向を鋭く観察しているところでしょう。そして消費者の希望にこたえるべく技術開発の研究に熱心です。広告費も半端ではありません。莫大な売り上げの10%以上を使っています。現に私のような高い製品は使わない者でもP&Gのブランドの製品名はたくさん知っています。時にはつい買ってしまうこともあります。品質がいいのですよね。シャンプーや洗剤に関して言えば洗い心地を考えると決して割高とはいえないですが、一般消費者にとっては高い設定価格だと感じられるとこが懸念材料の一つです。

そして買収した会社の売り上げを除くと、自社だけの現状の製品やサービスの売り上げの成長は頭打ちになっています。小型ブランドの増加し、コスト削減を行ったため、過去10年間に市場のシェアーを失っています。最近はスマホから簡単により安いブランド商品をチェックし購入し易くなっているので、彼らに押され気味なのが懸念材料です。それだけでなく 消費財やヘルスケアー業界は保守的で安定している一方で、業者内での競争が激しくなってきています。ユニリーバー、キンバリークラーク、クロロックス・カンパニー (CLX)など競合が乱立している状態です。

高額な広告費の額を見直し、そのコストを価格設定の引き下げに反映させるべきです。経済的に苦しい時、私たちは付加価値が同じならば、より低価格な商品を求めますから・・・ 

2018年6月の決算では売上高が増えているのに利益は減ってしまいました。
この減益は16年に41ブランドを売却したからとみられています。
売上高はビューティ系は1兆3770億円でしたが、グルーミング系7271億円とベビーファミリーケアー系2兆円でした。ビューティ系はSK-IIとパッケージを変えたオレイ(OLAY)の売上が好調でした。けれどもジレットはダラーシェイブクラブやハリーズの新ブランドに押され気味で売り上げは減少しました。
CEOのデビッド・テイラーは
おむつの原材料紙パルプの価格が上昇したうえ輸送の費用も増えたため、
さらなるコスト削減と組織改革を目指すとコメントしました。
急激なコスト削減は長期的には懸念材料になるかもしれません。

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