メレクの決意 遺産放棄トルコドラマ MOTHER 84話ハイライト
ジェンギズのサイン入りの書類を盗んだ後、メレクの小さな胸は罪悪感で押しつぶされそうだった。
そこで、ハサンを連れてこっそりゼイネプに会おうとした。二人は公園で待ち合わせた。ゼイネプの顔を見たメレクは、彼女に抱きついた。
驚いたゼイネプはメレクにやさしく
「何かわるいことでも起こったの。どこから電話をかけたの?」と聞いた。
「ママ、あそこに電話ボックスがあるのよ。そこからかけたの。前にカードをくれたでしょ」と言った。
ゼイネプは「何かあったのかと思ってとても心配したわ。あなたが大好きよ。何よりもあなたが好きなの。しってるでしょう?」
と声をかけると、メレクはその優しい言葉に耐えられなくなって泣きながら
「ママ、ごめんなさい、ごめんなさい。ゆるして」となんどもゼイネプに謝った。
「どうしたの、何があったの、何か悪いことをされたの。さあ教えて」と言った。するとメレクは真実を話し始めた。
「いいえ、いいえ、私がしたのよ。ジェンギズにいさんが私を脅かしたの。『もう二度と弟に会いないぞ』といったの。そのために盗んだわ。
「私は悪い人になってしまったわ。もう私をすきにはならないでしょ?」と泣き続けた。
「私はいつもあなたが好きよ。ずっといつでも好きでいるわ。このことをけっしてわすれないで」言うと安心させると、メレクは頷いた。
ゼイネプは続けた。
「私に話してくれたら、そして一緒に問題を解決できたらよかったのに」
確かにゼイネプに話せばよかったと思うけれどメレクはそうしなかった。
「私には何でも話せるわね。二度と私に隠し事はしないでね。できるわね」と言ったので、メレクは「わかったわ。二度とかくしごとはしないわ」と約束した。
それからメレクはある提案した。
「あなたが私のママになった時、私たちにはお金が1リラもなかったわ。あのときのほうがもっと私たちはしあわせだったわ。私はもう一度そうなりたいわ。おばあちゃんの贈り物のせいでこんなめにあっているのよ。わたしのお金はいらないわ。おばあちゃんの贈り物を返せば、彼女は私を天国できらうかしら?」と言った。
その言葉を聞いてゼイネプはメレクを抱きしめた。
メレクは確かに頭がいい。遺産を相続しなければジャンギズから解放されるかもしれない。
もともとジェンギズは遺産の話を知るまで、メレクに興味はなかった。メレクはゼイネプの元に行くという約束は守られるはずだった。
ジャヒデが良かれと思って遺産をわけたのだったが、それが逆にメレクを苦しめることになった。皮肉な話だ。
ゼイネプたちはもっと気を付けるべきだった。
ジェンギズのような人々には遺産のことを知らせないようにしなければいけなかったのだ・・・