物語でメレクの心をとかすゼイネプおばあさん トルコドラマMother 69話ハイライト

 次の日ギョニュルはゼイネプを会っていた。家にはゼイネプおばあさんとメレクが朝食を取っていた。

メレクはゼイネプおばあさんに「あそぼう」と聞くと「どうやって」おばあさんが言ったので「座りながらできることをしましょう」と答えた。

するとゼイネプおばあさんは

「いいよ、ではまずよくご飯を食べてね」と言って、また物語を始めた。でもこの物語は昔の話ではなかった。

「昔々あるところの王女様がいました。王女様は娘が大好きでした。ある日彼女は重い病気になりました。死にそうになったのですが、王女様がその時思っていたのは娘のことだけでした。『私が病気になったことを知れば娘はとても悲しがるわ』と考えました。『でも私の死を知ればもっと悲しむわ。一番いい方法はむすめに行きなさい、遠くへ行きなさい。もうあなたが欲しくないわ』ということね・・・」というところまで話すとメレクは「娘は悲しんだでしょうね」と言った。

「そうね」とうなずきながらおばあさんは話を続けた。

「とても悲しんだわ。でもよく考えて。もしお母さんが亡くなったことを知ったらもっと悲しむとは思わない?王女はわざと娘を突き放したのね。

それから時がたって、奇跡が起こったのよ。王女は元気になったの。そして元気になるとすぐ『娘を連れてきて』と言ったそうよ。

宮殿の人々は娘を探しまわったのだけれど見つからなかったの。すると王女は寂しくて「娘娘よ」と嘆き悲しんだわ。まわりの人々はこのままではいけないと考え『一番いいのは彼女に娘が死んだと告げることだ』と思い始めたわけ。

そのことを聞いた王女はもっと悲惨な状態になったわ。病気がよくなり、命が助かったかとを後悔し、なにものまずなにも食べられなくなってしまったの。

それで周りの者たちはどうしようといい始めたわけなの。『私たちは彼女が生き続けるようにとうそをついたのに、その嘘が私たちから彼女を遠ざけることになってしまうわ」と考えて、それで誰も真実は話さなかったよ・・・

それからまた時が過ぎたわ。でも王女は娘のことを忘れたと思う?

いいえ、けっして!母親は娘や子供たちのことを決して忘れることができないのよ。わすれられないわ」

というとメレクは涙をこすりながら

「その続きは私も知っている話。話さなくてもわかるわ。ハサンを見に行くわ」と言ってを席を立った。

おばあさんの御物語がメレクの氷のような心を溶かしたのだった 。私も昔よく母に物語を聞かせてもらった。特に姉とけんかをしたりしたときにそれを物語風にして、誰が良いか割るかを伝えてくれたのだ。今思うとほんとにしあわせな時間だったんだなあつくづく思う。あなたにも素敵な物語を語ってくれる方がいますように、

物語を語るまたは語られる大切な方々がしあわせでありますように

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