トルコドラマ エートス 11月12日放映 (ネットフリックス)
2020年11月12日
ネットフリックスで新トルコドラマが放送されました。
題名は「エートス」(原題Bir Başkadır)。エートスはギリシャア語で“ある時代や社会の成員や集団が持つ、他の時代や社会とは明確に区別された、価値観・信念・行動様式を指す”(英辞郎から引用)
【内容】
様々な社会的経済的環境の違ったイスタンブルに住む生活を描いています。全部で8話ですが、7話まで幸せな人が出てこない!不思議な映画です。
イスタンブルの人々がみんなこんな感じかっていうとそんなことは決してないと思いますが、出演者皆がそれぞれ何かしらの問題を抱えています。中には深刻な問題もあり、解決の糸口が見つからない場合もあります。
最終話の8話ではうって変わったように、メルエムさんの家族の問題は解決に向かい、初めて幸せそうな楽しい家族が描かれます。
登場する家族は次の通りです。
メルエムさんの家族
メルエムさんが通うカウンセラー・ペリンとその家族
カウンセラーのペリンのカウンセラーのグルビンとその家族
メルエムさんがよく相談するホジャとその家族
メルエムさんの雇い主シナンとその母親
ルイヤの村の友とその家族
【概要】
監督・原作 ベルクン オヤ
脚本 アリ・ファルコンデ
シーズン1 全8話 社会派ヒューマンドラマ
2020年11月12日放映
【キャスト】
メリエム (オイキュ・カライェルÖykü Karayel)
兄夫婦と同居で家政婦をしているヒジャブ姿の若い女性。義姉が体調が悪いためほぼ家事を彼女がしている。勤め先の男性に恋心を抱いている。ところが突然気を失うという病気にかかり、カウンセルを受け始める。最初カウンセラーのペリに心を開かなかったが、だんだんペリに会うのが楽しくなる。
ペリはメルエムの話をよく聞いてくれるからだ。ところがそれが仕事だといわれ、少し距離を置く。義姉失踪事件で、心細くなったメルエムは再びペリの元へ、ペリは初め、メルエムを嫌っていたが、心が通う瞬間が来て涙を流す。
ホジャのところで働くヒルミーが 彼女に好意を持ち、彼女に接近。メルエムは素敵なプレゼントをもらってまたもや気を失う。気が付いてもう一度プレゼントを眺めたメルエムは微笑む。
・ヤシン (ファティ・アートマン)メルエムの兄
軍隊でコマンド(特攻部隊)だった彼は除隊後、友人と会社を開くがうまくいかず、クラブの用心棒をして働いている。
妻のルイヤの面倒を見るのは限界が来ていた。そしかなり短気な感じで、ルイヤや妹のメルエムを抑圧する感じだったが、ルイヤ失踪事件で目が開き、ルイヤを大切にしようと心に決める。ルイヤは村に行っていたが、そこで心の問題を解決し、明るく元気になって家に戻る。ヤシンは初めて幸せそうな生活を見せた。
ルイヤ (フンダ・エリイート)メルエムの義姉
過去のある事件がきっかけで、家事もできないほど重いうつ病にかかってしまう。メルエムやヤシンとも思うように意思の疎通ができず苦しむ。ヤシンが自分からどんどん離れていきは蛇の娘ハイルニサに好意を持ち始めたと直感した彼女はこのままではいけないと思い、問題の根源のある故郷の村へ出かける。
そこで無事健全なん心を取り戻し家に戻る。その後はヤシンと二人の子供たちと幸せに暮らす。
・ペリ (デフネ・カヤラル)メルエムのカウンセラー
最初はメルエムを嫌う。理由はヒジャブ。ヒジャブに対する強い偏見の持ち主だったが、メルエムと話しを重ねるうちに、ペリの持つ心の闇の部分を克服する。
ペリはカウンセラーをしているが、自分もカウンセルをしてもらう必要があり、カウセラー・グルビンのところへ2年も通っている。ユング系のカウンセラーたちは必要があってもなくても必ずカウンセルをした場合、自分もカウンセルしてもらう決まりがあるらしい。このようのにカウセラー自身のストレスをためないように工夫しているが、ペリの場合はヒジャブ女性をカウセルするのに強い抵抗があり、仕事が困難なため、メルエムの話をグルビンに話すことで自分の心のバランスをとっている。
メルエムにあったことで彼女は 心が少し穏やかになったようで、女優メリッサにも共感し笑いかけることができるようになる。
・グルビン(トゥリン・オゼン) ペリのカウンセラー
ペリのカウンセルをする。彼女の姉との確執があり、弟病気で、彼女の家族はいつもつらい思いをしている。姉は現代医学(特に精神科医)を信用していない。グルビンが弟を医者に見せることに猛反対する。グルビンの家族それぞれが弟のことを考えているのだが、治療法が一致しないため、問題を抱えたまま時が過ぎていく。メルエムの雇い主シナンと付き合っていたが、別れる。
・アリ・サディ・ホジャ(セッタル・タンルオエン)メルエムとシナンのホジャ
メルエムの兄ヤシンが心から慕うホジャ。相談者がやってくると毎回必ず同じ花の話をする。故郷の村へ行く途中同行した妻が急死する。その後娘のハイルニサと二人で暮らすつもりだったが、娘はコンヤへ勉学のため戻るというので、自分はトレーラーにのって旅にでる。
・シナン(アリジャン・ユジェソイ)メルエムの雇い主
母親が1人暮らしをしている。メルエムが好意を持っているが、シナンはグルビンとメリッサと付き合っている。自分の話はしないが、グルビンの話はよく聞く。グルビンはそこに少し物足りなさを感じていた時、メリッサと鉢合わせしたためシナンからはなられていく。
・ハイルニサ(ビゲ ・オナル)ホジャの娘(養女)
外国の音楽を好み、ダンスに行ったり、西洋的な生活に基づいていきたいと思っているのだが、親がホジャであるため、ヒジャブをしている。8話でヒジャブなしで友人とコンヤへ出発する。ショックを隠し切れない父親は娘をちゃんとそだてられなかったと思い、その罪を償うために旅に出る。
・メリッサ(ネスリン ジャヴァドザーデ)メロドラマの女優
ヨガ教室でペリと知り合う。その後時々あっていた二人だが、率直な言葉でペリをタジタジさせる。もう関係は終わったかと思っていたが、しばらくしてペリから電話があり、仲直りする。シナンとも真剣ではないが付き合っている。
・ヒルミー(ギョクハン・イキルカン)
ホジャのところで働いているユングを信奉しているちょっとかわったムスリム。ユングの考え方とムスリムであることに矛盾を感じない。よく話す人。
街で見かけたメルエムに好意を持ち接近する。最初はいまいちだと思っていたメルエムも、次第に彼に近づいていく。ヒルミーのプレゼントがメルエムを失神させるほど驚かせる。多分メルエムと結ばれるのではないかと思う。
・ギュラン(デルヤ・カラダシュ)ホジャの娘ハイルニサの友達
激しい気性の持ち主だが、ハイルニサにはとてもやさしい。二人は一緒にコンヤヘ行くことになる。
・ラマザン(アズィズ・チャプクルト)ルイヤの昔付き合っていた人?
ルイヤの病気の原因はラマザンにある。彼と結婚前に付き合っていたことをヤシンに話したころから、ルイヤのうつ病は始まった。ルイヤが後に村へ行った時、ラマザンはヤシンに手足を動けないほどぶたれ仕事も十分にできない体になっていた。
感想
出演者にはオイキュ・カライェルÖykü Karayelさん、トゥリン・オゼンさんのような続オスマン帝国外伝キョセムにも出演していた実力派の女優さんが演技しました。
オイキュ・カライェルは続オスマン帝国外伝でメフメト3世の娘役ディルルバ(Dilruba)を演じ、トゥリン・オゼンさんはメフメト3世の妃 ハンダン皇帝妃を演じていましたが、「エートス」では二人とも全く雰囲気が違うのでびっくりしました。
特にオイキュさんはキョセムでは皇女役だったので、かなり気位の高い自信あふれる女性でしたが、エートスのメルエムは全く逆のキャラです。いつも兄の暴言に心を痛めながら、病気の義姉やその子供たちの面倒を看つつ、家政婦もしている自分の心を外に出さないようにして窮屈そうに生活しています。彼女がなぜセラピーに行ったことをホジャに言い出せなかったのか気持ちが少しわかるような気がしました。(メルエムがセラピーで話したことはホジャには言えないことばかりだから・・・)
ペリさんとメルエムさんがお互いにわかりあっていく姿を見てなんだかとてもうれしくなりました。