オスマンと兄サヴジュが格闘! 創始者オスマン エピソード30の4
サヴジュ兄がカイのトップに!
今までオスマンがカイの邑を父親の代わりに取り仕切っていたが、今回エルトゥールルはサヴジュにその地位を任せた。
オスマンの前には弟のデュンダルがその地位についていたのだが、いろいろあってオスマンになったのだった。
だがそれはエルトゥールルベイがコンヤにいるときの出来事だった。
オスマンはこの決定に不服気味だったが、父親を絶対的に信頼していたために 沈黙を守った。
一方サヴジュはビザンツの居城イネギョル城に侵入し、敵を混乱させた。ニコラは地団駄踏んで悔しがっていた。スパイがいることは明らかだったからだ。
スパイが誰かを突き止めようと躍起だった。だが彼は今回の事件はオスマンの仕業ではないことをよく知っていた。
家来がサヴジュではないかという。
エルトゥールルは
「オスマンではなく彼を次期トップにつけようとしているのではないか」と彼はいうが、ニコラは
「いや、オスマンにはサヴジュにない何かがある」ときっぱりと言った。
ニコラは強いだけでなく、人を見る目もあ確かなようだ。
オスマンがサヴジュのテントに入った。その時ちょうど妻のレナがサヴジュに吉報を知らせているところだった。
彼女は何となく気まずくなり、妻のレナは出ていった。
その後オスマンは今まで邑で会ったことを話すが、サヴジュは
「昨日は昨日今日は今日だ。これからは止まれ言ったら止まり、歩けといったら歩くのだよ」というと、オスマンは言い返した。
そこで兄のサヴジュが先に手を出して頬を殴りつけた。オスマンは黙ってなぐられていたかって?
いや!そんなことはなかった。
反射的に殴り返した。
こうして兄と弟の取っ組み合いが始まった。
それテントの外まで拡大してしまった、そのため邑の人々がみなあつまってきた。
なんとまあ、どうしたことか。
二人が真剣そうなのでカイの人々は心配になってきた。
後継者争うが始まったのではないかと感じたのだ。
それに気が付いたサヴジュ兄は急に親しそうにオスマンに話しかけた。
二人が喧嘩をしているのではなく腕試しをしていたとみんなに思わせようとした。
オスマンもその意が分かった。そして兄をやさしい言葉でほめ、二人は抱き合った。
見た目は仲よさそうな二人だったが、心の仲は穏やかではなかった。村人一部の者たちはこの様子に安心したようだった。
そして一部の者たちは、争いが始まったのだと理解した。
ゲイハトゥが出陣
コンヤのモンゴル軍のトップ・ゲイハトゥがオスマンの優に向かって出発したという手紙がエルトゥールルに届いた。
ゲイハトはアルスラーンに殺された息子モンケを探しに出陣したのだった。彼の目的は息子を探すことだけでなく、自分名誉を傷つけたオスマンを打倒することもあった。
これは間違った情報で、ゲイハトゥが息子を傷つけたのがオスマンであると思ってしまったのだ。
モンゴルが迫ってくる中、エルトゥールルは 攻防する者を命じた。オスマンは今まで通り、自分が戦争に出かけると思い込んでいただが父親は、彼ではなく兄のサヴジュを任命した。
オスマンの顔が曇り始めた。
さてオスマンはどうするのだろうか?
このまま戦もせずに父の命令に従順に従うのだろうか?
いや引き下がるとは思えない。
だってそれがオスマンがオスマンたるゆえんだから。彼は目の前に打ち寄せてくる侵略者を黙ってみていることはできないだろう。
(なんだか兄サヴジュとの仲が危ぶまれるが、 できたらみんなで協力してモンゴル軍と戦ってほしなあ・・)