新・オスマン帝国外伝~影の女キョセム~ シーズン2 E56ムラト皇帝の死
ムラト皇帝には時間がなかった。
彼は自分を最後のオスマン家の血を引く皇帝としようとした。彼はオスマン帝国の宮廷は腐敗しており、権力を望むのみのキョセムが統治することはよくないと考えた。
そこで彼はある決心をした。普通では考えられないことだが、これが彼にとって、オスマン帝国の良い未来を創ると思ったのだ。
すぐに行動を開始した。
まずは叔父のムスタファに会いに行き、自由にして船に乗せてあげるといった。
伯父はよろこんでついていった。
船に乗り、舵をきった時の叔父の顔は忘れられない。本当にうれしそうな素敵な表情だった。船はこうして沖へ・・・
だが次の瞬間背後からなわが彼の首に巻かれた。
そして・・・
次は皇子だ。
唯一残った心は優しいがいつも恐怖におびえているイブラヒムだった。彼の元にはデリフセインが言った。ところが異変に気が付いたアティケが弟を多雨s家ようとする。とはいえ部屋の前には門番がいて外には出られない。
途方に暮れていると一緒にいた女奴隷が「方法があります
というのだった。
危機一髪3人は逃げた。皇子が去った後デリムスタファは到着した。
部屋を見て回るが皇子はいなかった。
だがさすがデリ。
床の下にあった隠し通路を発見した。
イブラヒムは急いで怖がりながらも逃げた。そしてようやく外に出られた。
そこにはデリフセインが、待っていた。
彼は抜け道がどこにつながっているのかを調べたようだ。
デリは命じた。だがアティケが抵抗した。
とはいっても女の力ではどうにも守れるものではなった。
その後デリは皇帝に処刑したことを報告した。
キョセムも罠にかけられ自分のワクフに出かけた。
そこに現れたのはシナンパシャとペルシア出身のユスフだった。
彼らはキョセムを処刑するように命じられていたのだった。
キョセムとハジュアーが絞殺されようとした途端、ケマンケシュとハリルパシャが突然現れてキョセムの危機を救った。
その4人はイブラヒムの身が危ないことを知って、宮殿に乗り込んだ。
すでに時遅し、
皇帝の最期
皇帝が「イブラヒムはもうあの世にいる」というと、キョセムは倒れた。そしてケマンケシュとハリルは捕まった。
次の日二人の処刑が行われようとしていた。キョセムはイェニチェリを使いこの処刑を阻止しようと考えた。
ケマンケシュの命だけが助かった。キョセムはイブラヒムの死を知って、絶望はしたが、その後デリによって彼が生きていることを知ると元気が出たのだ。
このような中、かくまわれていたイブラヒムが発作を起こした。そこで医者を呼んだのだが、その医者が皇帝に密告した。
そのため場所がばれた。
イブラヒムは連れて行かれそうになった。
皇帝は肝硬変を患っていた。それがバグダッドの戦いの後悪化したのだ。そのころにはお酒も飲むようになっていた。
(あれほど民衆には禁止したお酒で彼は様々な苦しみから逃れようとしていた。 なんとも皮肉なものだ。でもお酒を理由に処刑された民衆たちは納得いかないだろう。)
このように皇帝の臨終のときは刻々と近づいていた。キョセムはずっとそばについていた。最後にムラト皇帝の気持ちが変わったようだ。
彼は最期には母親の腕に抱かれてあの世へ逝った。それは彼が27歳の冬のことだった。