新・オスマン帝国外伝~影の女帝~キョセム シーズン2 E44  イスラム長老の死

イスラム長老には自分は殺されないという自信があった。実はそう思うだけの地位であったのは間違いない。だがこの時代皇帝さえも処刑されるという物騒な時代だったことを彼は忘れていた。さらにこの時彼はムラト皇帝の暗殺が確実に成功すると考えていた。なのでシナンパシャが逃亡するようにと忠告したときにまだ帝都へ残った。

イズニクへ行った皇帝と二人の皇子はそこで命を狙われた。これはギュルバハルの指示によるものだった。もし刺客を装ったムラト皇帝の味方がいなかったらムラト皇帝の命はなかったかもしれない。

イスラム長老は皇帝暗殺が未遂に終わったことを知ってもまだなお、自分は大丈夫だと思っていた。

そのために皇帝の行っている行き過ぎる粛清をいさめる忠告書をキョセムに提出したのだった。

キョセムはそれを読んだ。

だがそこにはムラト皇帝を廃止バヤジト皇子を皇位につけようと秘密の集会の時に言った言葉はなかった。

キョセムは読みおわるとその言葉を突きつけ、彼に沙汰を待つようにときつく申し付けた。

それでもなイスラム長老は不安を感じていなかったようだ。

そして皇帝に面会し、彼はキプロスへ島流しとなった。

息子と二人船に乗り帝都を去ろうとしたとき、ケマンケシュがきた。海岸に彼を連れていき、そこでイスラム長老は絞殺された。

なんとも暗黒の時代のようだ。刑は下された通り執行されず、すべては結局最後は死だった。

残るギュルバハルも、バヤジトの嘆願は聞き入られず、明日処刑されることに・・・

そこで母を助けようと必死だったバヤジトは何かシナンパシャに命じたが・・・

もう一人このこと位で罪を犯していたものがいた。それはアイシェ妃だ。キョセムの花押を盗んだのは彼女だった。盗んだ結果 キョセムの忠臣たちが一名を除いてみな焼け死んだのだ。

その事実をギュルバハルは最後に暴露しようと手紙を書いた。そしてそのことをキョセムにでもなく皇帝にでもない、アイシェ妃の宿敵ファルヤ王女の元へと届けたのだった。

ファルヤ王女はその手紙でアイシェ妃が自分のおなかの中を蹴り殺させたことを知った。復讐の火がまた宮殿に内にめらめらと燃え上がった。

キョセムのドラマは何な暗い感じがする。いつも誰もが問題を抱えていて、そのどれも解決する見込みのなんさそうなものばかりなのだ。

唯一笑いを運んでいたエヴリヤと科学者は今はアナトリアに派遣されて帝都にはいない。

もう少し笑いがあるといいなあと思う。

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