ヒュッレムの軌跡10 グリーンの指輪を手に入れたヒュッレム オスマン帝国外伝シーズン1より
スレイマン私室のバルコニーから海を見ていた。そこに緑のドレスでヒュッレムがバルコニーにあらわれた。そこは風がかなり吹いている。髪が揺れよりチャーミングなヒュッレム。
スレイマンは彼女に微笑み 彼女のスカーフで目隠しを、彼女の手を取り中へ入っていった。
そしてマヒデブランにあげるつもりだった緑の指輪を彼女の指にはめた。
スカーフを取り除き、ヒュッレムは指輪を眺め喜んだ。
それから食事の時間になった。その時のヒュッレムがスンビュルに教わったというトルコのことわざを使った。そのことにスレイマンが喜んだ。
こうして彼女はスレイマンを虜にしていった。
スレイマンが彼女のことを「ヒュッレムスルタン」と呼んだ。
「私をからかっているのね。私はスルタンではないわ」
と答えて微笑むと、スレイマンはうれしオスに、
そんなことはない。あなたは私の心のスルタンだ」と答えたのだ。
「私はじょうおうになっとの?」
と素直に聞くヒュッレムだった。
そんなやり取りの一つ一つがスレイマンには楽しみを与えていた。
(よく高校時代に友達とたわいないことをしてもすべておかしくて笑ったものだ。はしがころがっても笑いあった楽しいひと時か、それににた感じの心地よさだった。)
それからスレイマンは詩をよんだ。ヒュッレムは「美しいわ」と答えた。
スレイマンがしごとに行く時間が来た。ヒュッレムは「いかないで」と頼むが、もちろん政務に忙しいスレイマンはずっと彼女といっしょにいるわけにはいかなかった。
その後ヒュッレムが廊下に出ると、男の子がはしって彼女にぶつかった。男の子は廊下を走りスレイマンの私室へ入ろうとした。
この男の子がマヒデブランの息子皇子ムスタファだった。
これがヒュッレムとムスタファの初めての出会いのシーンだ。
ムスタファが亡くなるまで長い長い戦いがこの時始まった。そうとも知らずムスタファはヒュッレムと仲良く話していた。
それを見たマヒデブランはあわててムスタファを彼女から引き離そうするが、その時ヒュッレムの指にはめられた指輪を見てしまった。
マヒデブランはこれは
「私のよ」と言って指から外そうとするが、ヒュッレムは
「これは私のよ、スレイマン皇帝が私に下さったのよ」と言い返し去っていった。
マヒデブランは
「泥棒」と去っていくヒュッレムの後ろ姿に叫びながら、倒れてしまった。
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感想
一度誰かのために作ったものを、違う人にあげちゃうのは最悪だと思います。それをもらってもうれしくないだろうと思うのですが、ヒュッレムは違いましたね。
ほしいものは人のものでも手に入れるって感じで、マヒデブランに悪いと思う気持ちも一切なさそうでした。マヒデブランが少しかわいそうになりました。