ヒュッレムのおちこみ そのわけは ヒュッレムの軌跡11 オスマン帝国外伝シーズン1
ヒュッレムにアイシェが甘い飲み物をを勧めた。
「ありがとう」と言って飲もうとするヒュッレムにアイシェは嬉しそうに
「シェフザーデのための飲み物よ」と伝えた。
ヒュッレムが
「ムスタファ皇子のための?」と聞くと
「いいえ、皇帝妃様がご懐妊なさったのよ」
それを聞いたヒュッレムは飲み物を落とした。そして気を落として座った。慰めるのは同郷のマリヤだった。
先ほどのアイシェは、あろうことかまたまたヒュッレムにつかかってきた。
「あなたは灰になって捨てられるよ」とか言って、ヒュッレムにのみものをわたした。
皇帝にとって後継ぎが大事だ。皇子がいないということは自分の地位が安泰ではなくなるのだ。オスマン家の血が絶滅する危機も長い600年というオスマン帝国の歴史の中で起こったこともあった。その時はクリミアの王子がなる可能性も考えられたりした。だからスレイマン皇帝が皇子を産むマヒデブランを優遇し、ヒュッレムは捨てられるということになるとアイシェは言ったのだ。
2人の喧嘩が始まった。
アイシェは「ここから出ていくことになるわよ」と言うか言わないうちに
ピシャ!
ヒュッレムの平手打ちが飛んだ。
アイシェも負けてはいない
バシン!
とやり返した。
今度は取っ組み合いが始まった。
ニギャールは止められなかったと怒られ、二人は部屋へ戻るようにダイェに厳しくおしかりを受けた。
ジャーリエ(女奴隷だが皇帝と共に過ごした人)にはふさわしくないふるまいだということで罰を受けることになるようだ。
一方二階の廊下からは金貨が祝いのために投げられた。喜んで我先にそれを拾う女奴隷たちの姿を見ながら小さなムスタファ皇子は
「弟なんて欲しくない」と言った。
ムスタファがなぜそういったのかわからないが、普通子供たちは兄弟姉妹に嫉妬するものだ。自分への視線がかわいい赤ちゃんにむけられ、自分が無視されたような気がするからだ。
でも弟を望まないという考え方は特に皇子たちにはありかもしれない。
メフメト2世のときに承認された「国のためには皇子の命を取ることは合法」
という決まりがあるからだ。皇子たちが大きくなると後継者争いが始まる。
皇子たちは生まれたその瞬間からサバイバル作戦が開始されるのだ。皇帝につく一人以外の皇子たちの命の保証はなかった。
(兄弟がいなかった場合は別として(スレイマン皇帝はは兄弟がないとドラマではなっているが、実際は弟か兄が1人いた。だが彼は皇位争奪戦の圏外にいたため死ぬことはなかった)
それなのに皇帝妃や女奴隷たちは必死で皇子を欲しがった。ヒュッレムも例外ではなかった。
(実は女の子が生まれたときにはその子を最初拒否するほどの落ち込みようだったのだこともある)
感想
ヒュッレムとアイシェの争いの原因も皇子のことだったが、生まれてくる子供に対してこんな風に様々な考えが沸き起こるハレムという場所は、どこか異常な感じもする。
当たり前のように思えていたが、みんなが生まれてくる赤ちゃんを祝うことができる環境は何て素晴らしいんだろう!
と思う。
でも私の妹は子供を産むことに経済的理由から反対されたことがあるので、現在でもそのような恵まれた環境で出産ができる方ばかりではいのかもしれない・・・
生まれてくるすべての赤ちゃん!おめでとう!