「ヒュッレムの軌跡」6 オスマン帝国外伝シーズン1
スレイマンの私室のドアまで行ったのに、そこから戻らなければならなくなったアレクサンドラは怒り狂い暴言を吐いた。「戻れ」というスンビュルの指示に抵抗したため部屋に入れられ鍵をかけられた。
スンビュルはわかっていた、この子が何か変なことをするだろうことが・・・
部屋に入れられたアレクサンドラにギュルニハルがやさしく
「どうしたの?何かあったの」と聞きながら頬をなぜた。ギュルニハルはアレクサンドラの同郷の人で、彼女にはいつもやさしい。
他の女奴隷たちもなぜ戻ってきたのかしらと気になり、そのあとで彼女に対する誹謗を口々に言った。
そして女奴隷の一人が「彼女を観たら皇帝様は彼女のことを悪魔だとわかったのよ」と最悪のことを言ってののしった。
アレクサンドラがそれに黙っているわけがない!きっと彼女たちをにらみ
そして枕を投げた。
その晩みんなが寝静まった後もアレクサンドラは起きていた。
実はみんなも起きていた。そして枕をさっき投げつけられた人が アレクサンドラに投げつけたのをきっかけに、みんなが一斉に枕を投げはじめた。
そこいら中が羽だらけ!
枕投げというと修学旅行を思い出すけれど、羽枕で派なかったなあ)
朝になった。
ニギャールがやってきて部屋を見た。
勿論怒鳴った。「はやく片付けなさい」と言ってからアレクサンドラのところへ向かい
「お前がやったのだね」と
問い詰めた。彼女は否定したが、ニギャールは「みんなが罰を受けるのよ」と言った。
それはそうだろう。それにしてもあの壊れた羽枕はどうなるのだろうか?
「一本の羽毛が見つかってでもしたら、牢に入れるわよ。そこで蛇やネズミと友達になりなさい。それから夕食まで食事は抜きですからね!」
それからアレクサンドラを見て
「何を教わったの?恥を知りなさい」と言って出ていった。(このころのニギャールは良い中間管理者だったなあ)
羽毛はきれいに片付き、スレイマンがタシュルクの通りに入ってきた。
一同が並びお辞儀をしていた。そこにアレクサンドラもいたが、無視された。
それだけでなくニギャールはそれ以後アレクサンドラに厳しくした。
その夜アレクサンドラは最悪の気分だった。
なぜならせっかくのチャンスも逃し、その後スレイマンには無視され、ニギャールからの風当たりも強くなり、さらに空腹だったから・・・
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