ヒュッレムが牢にいると知ったスレイマンは・・ヒュッレムの軌跡9 オスマン帝国外伝シーズン1

 マヒデブランに口答えして牢に入れられたヒュッレム。

そこは真っ暗で小さな窓があるだけだ。

誰もが怖いはずだが、ヒュッレムは

「コルクマヨク ベン ヒュッレムイム」 

といった。

(直訳すると

恐怖 ない 私は ヒュッレムです

となるがコルクマヨクとはあんまり聞かない言い方で、外国人ぽくてかわいい感じがする)

そして私はヒュッレムよと繰り返し、恐怖を取り除こうと必死だたt。

BGMにはロシア語の子守歌が流れていた。

 

マヒデブランの部屋では

嬉しそうにマヒデブランとギュルシャーが牢に入ったヒュッレムのことを話していた。

そこは真っ暗でネズミも出るのだ。

マヒデブランは「彼女はダンスをネズミと一緒にするわね」と言って鏡を眺めた。

いい気味だわと言った感じだったが

こんなことをして大丈夫なのだろうか?

なんせヒュッレムは今のところ皇帝のお気に入りなのだから、

牢ではヒュッレムは疲れ果て眠りについたようだった。そして夢を見た。

夢を見た。

それはタタール人に襲われたときのおそろしい夢だった。

トラウマになっているのは明らかだ。

襲われたときのショックで目が覚めるとそこにはマヒデブランがいた。

謝ればここから出してあげるわ

というとヒュッレムは

「アフヨク:ゆるしなんていらないわ!」

申し出をとはねのけた。

マヒデブランは

ないですって?

「赦しはいらない、恐怖もない、私の名はヒュッレム。皇帝が名付けたのよ。それも木曜日にね」と言い返した。

どうやらヒュッレムの得意とするところは相手の弱みをよく知っていて。そこをついてしっかりと言い返すところだ。

マヒデブランにはこの木曜日という言葉が響いた。

木曜日は本当だったらマヒデブランが一緒に過ごす日だったのにそれをヒュッレムに取られたことを思い出すきっかけとなる言葉だったのだ。

案の定マヒデブランは怒った。

水も与えてはだめよ、干からびてしまえばいいわ」

と言い残して牢を去った。

 

どのくらい時間がたったのだろうか?

ヒュッレムはどこにいるの?」とスレイマンと空に話しかけると、

まるでその声が聞こえたかのようにスレイマンは彼女のことを思い出した。そして

スンビュルに「今晩ヒュッレムに準備させよ」とめいじた。

するとスンビュルは

「彼女は今牢にいます。罰のためにです」

といいにくそうに答えた。

「誰が与えたのだ?誰の権限で?!と

怒ったような口調で聞いた。

「母后様です」と答えた。

すると「すぐにそこから出すんだ!」と怒鳴った。

スンビュルは強いて出ていった。

 

スンビュルは母后と皇帝の間に挟まれた。

皇帝の怒りはスンビュルだけにとどまらず、イブラヒムにまで追う恩田。

何故知らなかったのかと激怒したのだ。

 

だがイブラヒムはなかなか正当なことを言った。

私がハレムに入ることは禁止です。どうやってすることができますか?女婦人たちのあいだで何か起こったようですが」

と答えたが、スレイマンは

「可能だ。お前が小姓頭ならばすべての情報を把握せよ。できなければお前の過ちとみなすぞ」と息巻いた。

イブラヒムは黙っていることしかできなかった。

(スレイマンもできないことをやれというんだなあ)

 

スンビュルは急いでヒュッレムを牢から出したが彼女は憔悴していた。彼女は起きれそうになかった。そこへスレイマン突然やってきた。

彼女はスレイマンを見ると泣き出した。男はこのような涙に弱い。

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