新・オスマン帝国外伝 キョセム(Muhteşem Yüzyıl: Kösem)エピソード15の3あらすじ

キョセムが亡くなったと聞いた皇帝は遺体置き場にかけつけた。そこには白い布でかぶされた遺体が何体も寝かされてあった。
初めにオスマンの母を見つけ、その顔を確かめやさしく口づけした。それから一枚一枚白い布をはがしていく。彼はキョセムは探していたのだが、そこにはキョセムはいなかった。 
小姓頭が「皇帝様、皇帝様」と声をかけ止めようとするが、皇帝は気が狂ったように探し続ける。絶望のあまりたっていることもできなくなった。座り込んでしまう皇帝を励ます小姓頭。
「お立ち上がりください。あなたを必要としている者たちがいます。皇子たちのためにもお立ち上がりください」と勇気づけるが、「いいやいいや」と言いながら、小姓頭の胸に泣きくずれる皇帝。
しばらくすると皇帝は悲しみをこらえてついに立ち上がり、家来の前に姿を現した。皇帝の後ろに控えるのは小姓頭と10人ぐらいの兵士たちだった。
廊下にはキョセムたちを助けるために戦ったメフメトがいた。皇帝を見ると彼は皇帝のすぐ後ろ、小姓頭の左側に並び歩き始めた。

世の中はほんとに奇妙なものだ。先ほどまで頂点に立っていた者たちはみなつかまり、苦難の中で皇帝の側に立ち戦った者たちが今宮廷を制しているのだから。ところで皇帝の弟ムスタファはどうなったのだろう?

彼はおなかをさされた母ハリメと姉のところに戻された。そして、どうなったかと聞かれると、
「私は皇帝ではない。玉座にはつかなかったよ。兄がやってきたから」と答えた。
それを聞いた一同は一瞬にして絶望に見まわれた。
そうなのだ。彼は謀反を起こしたトップなのだ。謀反の罪は死罪だ。 
ムスタファの死は間にがれないだろう。

メレキがバケツをもって道を歩いていと、小姓頭がやってきた。喜んで知らせに家に入るメレキ。メレキの家にはハンダン母后と皇子たちがかくまわれていた。

家に入ろうとする皇帝は驚く。中からなんとキョセムが出てきたのだ。
???
キョセムは確かに絞殺されたのだが、なぜここにいるのだろう?

理由はともかく二人の再会を喜ぶ皇帝と小姓頭とメフメト。
再会の抱擁をしながらキョセムは思い出していた。あの最後の悪夢の時間を。死の瞬間!
だが悪夢の瞬間はビュルビュルの出現で自由の扉を開く瞬間に変わった。
そうなのだ、ビュルビュルが最後の最後でキョセムを助けたのだった。

ビュルビュルは「最後の一息までサフィイェスルタンに忠誠をつくします。これを変えることはできません」 と言ってキョセムの縄をほどいた。
「ここから、でて行け、はやく逃げろ、さあ」とキョセムを逃がしたのだった。 ビュルビュルは興味深い。サフィイェに忠誠は尽くすものの、キョセムへの親愛の情も消すことはしなかった。

皇帝はそのあと皇太子と母と会うことができて皇帝はほっとした様子だった。それから外へ出て二人の忠臣にお礼を言うと、2人は笑顔になった。

宮廷に戻った皇帝はムスタファとハリメの元を訪れた。
「何をしたのか」とハリメを攻めると、ムスタファの姉とハリメが言い訳した。
だが皇帝は
「みんながしたことの報いを受けるのだ」と言って出て行った。
ということはムスタファの命はなくなるのか?

皇帝はキョセムの行った勇敢な行動をほめると、
「小姓頭にお礼をいうわ。彼がいなかったらできなかったわ」そして「今まででいちばん長い夜だったわ」と答える。

皇帝がムスタファたちのことをたずねると、
「ハリメ・スルタンが加担していたかどうか話わからない」と答えた。なぜならハリメは重傷だったからだ。ハリメは謀反に加担したが最後にサフィイェに裏切られたというのが真実だ。
その後ハリメの様態は悪化した。

皇帝は謀反人たちの処置だけでなく今後のことも考えなければならなかった。
「遠征は続けないほうが良い、まず初めに宮廷内を整えることがたいせつだ」というムラトパシャの進言を聞き、アフメト皇帝は遠征を中断した。ムラトパシャはさらに「ムスタファ皇子の存在が宮廷を脅かしている」と付け加えると皇帝の顔が険しくなった。

ハンダンは宮殿に戻るとデルヴィシュの元をおとずれる。彼は皇帝を助けるために代わりに弓を背中に受け重傷だった。ハンダン母もムスタファを恐れている。彼がいる限り常に皇位は脅かされているからだ。サフィイェがいいなくなっても、誰かほかの者たちが彼を担ぎ上げる恐れがある。

母を亡くしたばかりのオスマンは母乳を飲まず泣き続けていた。そのことを知ったキョセムはオスマンに自分の乳を与えると、彼は黙った。
その後キョセムはオスマンを自分の部屋に連れていき世話をすることにしたようだ。
だがジェンネトは母后に許可なく連れてくることはいかがなものかと忠告する。それにキョセムは耳を貸さなかった。
牢ではサフィイェにビュルビュルが話しかける。「広い広い世界のなかで孤独のナイチンゲールの心と忠誠はあなたに捧げます。死ぬときはあなたのしもべとして死にます」

するとサフィイェは「後悔していないのね。わかりました。私たちもよ」と答えた。ビュルビュルもサフィイェも謀反には失敗したが後悔をしていないようだった。
だが二人の罰は重い。

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