新・オスマン帝国外伝～影の女帝 キョセム～ 32話前半

32話前半

皇帝がハレムの前を通るが、彼は素通りし、キョセムのことに目もくれなかった。キョセムと皇帝の中はこのまま冷えてしまうのだろうか？

しばらくしてキョセムのお産が始まった。そのニュースを知らせにジェンネトが皇帝のところへ行くと彼の顔はよろこぶ。だがキョセムのお産は難産だった。なかなか生まれてこなかった。それでも陣痛と陣痛の合間にキョセムはただ「皇帝に知らせたか」とジェンネトにきく。陣痛の合間に声を話すなんて並大抵ではないことだが、キョセムはそれほど皇帝のことを気にかけていたのだ。

赤ん坊を見に来た皇帝は、うまれたばかりの息子を抱き上げると、彼にメフメトと名前を付ける。キョセムがアフメトと呼びかけるが、彼はキョセムに一言もかけずにそのまま去ってしまった。

赤ちゃんは二人の仲を修復することができなかった。キョセムは悲しそうに息子メフメトのおでこに口づけし頭をなぜる。今でも泣き出しそうなキョセム・・・ 

もちろん皆にも噂される、皇帝にとってキョセムはもう価値がないのだと・・・
キョセムも「自分を彼の心からけし去ったんだわ」と自信を無くしていた。

この出産のエスキサライにも届いた。ハジアーが知らせに行ったのだ。ハンダン母后はよろこぶが、サフィエ前母后は悲しんでいた。ファフリイェのこともある。

そのことについてビュルビュルが「娘は会いに来てくれなくてもいいからせめて手紙の返事を下さいと言っていいます。」と伝えるが、サフィイェの心は動かなかった。会いに行こうとはしない。ただ悲しそうにしているばかりだった。

がまんのできなくなったキョセムは無理に会いに行くが、途中でマフィールゼに会い、言い合いが始まる。

デルヴィシュと大宰相の中は悪いようだ。デルヴィシュは彼に遠征に出かけるようにという皇帝の言葉を伝えると、彼は血圧が上がったのかみんなの前で倒れてしまう。
ハスオダバシは皇帝にそのことを伝えにいく。 そこへキョセムが現れるが、皇帝は無視して部屋に入ってしまう。
キョセムがも言う世界は終わったという気持ちで戻ろうとすると、「入ってもよい」という許可がなぜかおり、キョセムは中に入るが、どうするつもりなのだろうか？

キョセムは謝ったが、皇帝は「お前は私の心をこわしてしまったんだよ、キョセム。部屋に戻りなさい。そして子供と過ごしなさい」と言い、心を開こうとはしなかった。

すると、「アフメト　あなたはもうすでに父親よね。父親が子供を愛する気持ちをよりよくわかるわよね。」ときりだすと、「どこからそんなはなしがでたんだ？」

と聞く。キョセムはついに話し始めた。今までずっと隠していたことをだ。

「ババは私を探しに世界の果てからイスタンブルにやってきました。けれどもババは私を見つける前にサフィエ・スルタンにつかまってしまいました。サフィエ・スルタンはその時このサライに残れるようにすれば、父親の命を助けると言いました。望んだとおりのことをしたのに、サフィイェスルタンはババの命を取りました。初めから正直にいうべきだったのですが、私はこわかったのです。

そのためにファフリイェスルタンをサフィエスルタンをサライから追い出すために使いました」

と真実を話すと、皇帝は彼女のそばに寄ってくる。二人は分かり合えた。よかった。持つと早く言えばよかったのにと思うのは私だけ？

さてファフリイエはどうなったんだろう？

彼女にメフメトが会いに行くが「もう２度と逃げないわ、もうつかれたのよ、あなたをもう好きではないわ。あなたが私の代わりに兄を選んだ時、すべては終わったのよ。もう二度と近づかないで」と言っていってしまった。

残されたメフメトは唖然とするが、それは当然だろう。メフメトはなぜまだ会いに来るんだろうか？希望があると思っているんだろうか？私にはわからない。

外へ出ると、シャーヒンが現れる。シャーヒンは追われているのにまだイスタンブルに残っていた。 メフメトは心配して彼をかくまうが、しばらくして宮廷に呼ばれる。そしてハスオダバシシャーヒンを連れてくるように言うが、メフメトはどうするのだろう？

部屋に戻ったキョセムはみんなに吉報を伝える。

皇帝が彼女を許したのだ。キョセムと和解した後すぐに皇帝はサフィエを訪れる。

そして「忍耐が終わった」といい、サフィエの給金をすべて打ち切ると宣言した。さらに母后を宮殿に戻すことにきめた。エスキサライに残されたのはサフィエスルタンのみだった。

 
ここまで来てしまっては仕方がない。

サフィイイェはついに戦うことを決意した。アフメトを皇帝の座から引きずり下ろすことに決めたのだ。

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