ジェヴヘルの最期 毒入りパイ オスマン帝国外伝シーズン4 24話ハイライト
スンビュルがドアのノックした。誰も出なかった。もう一度ノックしたがやはり応答がない。戻ろうとしたとき中からジェヴヘルが出てきた。
スンビュルは青ざめた顔で
「あいたくて我慢できなかった。市場に用事があるといって出てきたのだよ」とうそをついた。 ジェヴヘも[
「よかったわ、私もよ」と答えた。そして
「料理人がパイをつくったんだ。あなたが作すほどおいしくないが…あなたにも持ってきたヨ、だいすきだろ?」というと、彼女はよろこんで中にいれた。
宮殿ではリュステムがこの女性のことを見張るように腹心に命じた。
スンビュルは元気がないがジェヴヘルは嬉しそうだ。彼は作り笑いをしてからパイ(ボレキ)を取り渡した。すると彼女はそれを食べながら、二人の将来のことを話し始めた。
「私には叔母がいるの。彼女は病気で、私は彼女を訪問しようと思っているの。彼女は年老いていて、もう仕事は何もできないわ。私は彼女の面倒を看なければならないの」
というとスンビュルは
「いってしまうのかい?ほんとは逃げ出すんだね」と聞くと、彼女は黙ってしまった。どうやらのどをつまらせたようだ。それからスンビュルのそばにより
「私と一緒にきて、ここから出ていきましょう。遠くへ行きましょう。誰にも見つからないところへ行きましょう、とっても遠いところへ・・・」と言い始めた。スンビュルのことを本当に好きになっていたのだ。
「隠れる場所を見つけるわ。あなたは私を愛し、私はあなたを愛したわ。これは真実よ。私たちには子供ができないわ。でも違った道があるわよ。他の人から養子にもらうこともできるわ。何人かを家に引き取って育てましょう。そうすれば子供たちができるわ」と必死でスンビュルにお願いした。
スンビュルはどんな気持ちで聞いていたんだろうか?まだ自分を裏ぎったこの女性を愛しているんだろうか?彼女の提案にYESと言うんだろうか?
彼女は少し息が苦しそうになり、それでも話し続けた。
「子供たちができて、家庭ができるわ私たちの家族ができるのよ。大家族が・・・幸せな家族になるわ」というと、彼女はせき込み始め、話ができなくなった。そして
「アーム アーム スンビュルアーム」と叫びながら長椅子に倒れた。
するとスンビュルは彼女に詰め寄り厳しく聞いた。
「誰にお前はやらされたのだ?誰にやとわれたんだ?ムスタファ皇子か?」
そこで、初めてジェヴヘルはスンビュルが彼女はスパイだという事実を知っていることが分かった。実はこのパイには毒がヒュッレムから渡された毒が入っていた。
「ムスタファ皇子とは関係がありません、彼は何も知りません」
と行く絶え絶えに答えると、スンビュルは
「だれのしわざだ?」と問い、それから大声でもう一度「誰の仕業だ?!」と叫んだ。
「しらないのよ。ほんとにしらないの。ただ彼らはとても強力よ。ムスタファ皇子を皇位つけようとしているの。ヒュッレム妃とリュステムの敵たちよ」というと、
「名前を言え、名前が知りたいのだ!」と大声で聞いた。
ジェヴヘルは「ヤヴズ・・・」ととうとう名前を答えた。そして最後に私はあなたをとても愛していたわと言って息を引き取った。(ヤヴズはアトマジャと共に伝令を務めムスタファに今は仕えていた)
彼女の頭をなぜながら、スンビュルは目をうるわせた。しばらくして外に出た。周りの者たちは忙しく歩いているが、スンビュルの時は止まったかのようだった。この時の彼の顔は今でも強く印象にのこっている。
それでもスンビュルはその足で宮殿に戻りヒュッレムに報告しなければならなかった。
ヒュッレムは
「死んだの?彼女と話したの?何かわかった?」と聞いた。 スンビュルは力なく
「わかったことはムスタファ皇子を皇位につけたがっている有力者たちがいるということです。ムスタファ皇子を守るために働いていいるようです。皇子様もこの人々について知らないそうです」
というと、「誰なの?」と再びヒュッレムは聞いた。
「彼女はトップの者たちが誰かは知らないようでした。ただヤヴズと言う名前を言っただけでした」と答えた。それを聞いてヒュッレムはすぐにでも行動を起こさなければならないと考えた。
ジェヴヘルの家では彼女の隣人たちが集まっていた。そこへヤヴズが尋ねてきた。彼が隣人たちにきくと隣人は「彼女をあまりよくしらないのですが、ある男が尋ねてきて、お金を渡し、この者の葬儀をしてくれと頼んで行ってしまいました」ヤヴズは驚いてすぐに立ち去った。
葬儀の手配を頼んだのはスンビュルだった。 スンビュルはやはり彼女を愛していたのだ。スンビュルはひゅうレムを不本意ながらも窮地に追い込み、愛する人を手にかけてしまったがこれからどうやってい生きていくのだろうか?
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