ヒュッレムを励ますスンビュル オスマン帝国外伝シーズン4 41話ハイライト

 ンビュルは市場をふらふらしていた。市場は活気があふれていた。遠征の音兵士たちの懐には十分のお金があった。そのためインフレ―ショーンが起こる。そのことをスンビュルは店主に文句を言うが、店主たちは久しぶりのにぎわいを喜んでいた。

それからスンビュルは自分の店のコーヒー店を訪れた。

「人がいっぱいなので違う店に来たかと思ったよ。ちょうちょのようにみんなが集まってきているじゃないか。あんたは誰ものまないといっていたのに!」とスンビュルが共同経営者にいうと

「いやのまないよ。苦いといっているよ。中にミルクを入れたらどうかな?」と答えた。

 「何ミルクだって! 飲まないならなぜ彼らはきているのかい?」

「彼らはのんでいないよ、ただ話に来ているだけだよ」

「なんてばかげたことを!話にだって?」

「宮殿が揺れているといわれているよ。皇帝スレイマンの体調がよくないらしいよ。片足が墓に入っているとみんないっているよ」

とヤコブがいうとスンビュルは怒って

「なんてことを!やめろ!」と唾を飛ばしヤコブに怒鳴った。

「なぜ私に怒鳴るのだ。ここに来た兵士たちが話しているのを聞いただけだよ あの3人さ」

と言って兵士たちを指した。

スンビュルはその話を聞いていてもたってもいられなくなって宮殿にいるヒュッレムの元へ駆けつけた。

ヒュッレムは「座って座って」とスンビュルを歓迎し、

「おもいもかけなかったわ」といった。

「そうですね、ですが市場で皇帝様のご容態が良くないと聞いて我慢できませんでした。本当かどうかわからないので・・・」

「残念ながら本当です。皇帝は戻って以来ずっと寝込んでいます。痛風と高熱で・・・」

「神が皇帝様をお助け下さいますように」

すると「どんなに強くなろうとしても、どんなに冷静になろうとしても、最も悪いことが耳元でささやかれるのよ。かれにもしものことがあったら・・・」と半泣きで心のうちを話し始めた。ヒュッレムはスンビュルには弱い一面を見せる。スンビュルは

「神が彼を守りますように、私たちの唯一の希望は皇帝様が元気になられることです。心にささやかれる声に耳を傾けてないでください。助かる望みの方に耳を傾けてください」と勇気づけた。するとヒュッレムは旧友にでも語るかのように

「彼は私の世界そのものなの。スンビュルよ、

私の月、私の太陽、私の星は彼なの、

私の春、私の夏、私の冬は彼なのよ。

私が吸う息、私が食べる糧、私が飲む水は彼なの

神はご存知よ、私の心の中を・・・

彼は私の命、私の愛そのものなの」と話し続けた。

スンビュルはいたたまれなくなった。でもこういった。

「あなたの痛みはよくわかります。あなたがここで涙を流している間にも敵たちが行動を起こしていることを忘れないでください。もうすでに準備を終えているかもしれません。皇子ムスタファが皇位につくために準備を彼らは整えましたよ。これは私たちの皇子様たちの終わりを意味します。

「この恐れをずっと持ち続けてきたわ。何十年も考えてきたことよ。もしのその日が来たらどうしようと何度も自問自答してきたわ。でも一つだけ救いの道があるわ。それは皇子ムスタファが皇帝様より先に死ぬことよ」

というと、スンビュルは「まだ望みがあります、帝妃様。あなたは今までも敵たちを負かしてきました」と答えた。

「皇子たちのために強くならなければ、誰にも屈しないわ。けれどもこの戦いの結果は明らかよ、皇子ムスタファはとても強力よ。このような状況では皇位は彼のものになるわ」

とかなり弱気だった。メルイェムさんのヒュッレムの時にはこんな弱音を聞いたことがない。若きヒュッレムは成功の確率が1%以下でも決して弱音を吐かなかった。(でも弱気なヒュッレムもどこか人間らしくていいなあ)

スンビュルは弱弱しい皇帝妃を見て

「状況をかえなければなりません」と、言い続けた。スンビュルはけっしてあきらめていなかった。ヒュッレムはどのような手立てを考えるのだろうか?

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