新・オスマン帝国外伝~影の女帝キョセム~ シーズン1 28の2 キョセムとオスマンが決別
悲しいメロディーが流れる。
オスマン皇帝は部屋に戻りターバンを脱ぎ捨てた。そしてオスマン皇帝のナレートがはじまる。
「私はオスマンだ。オスマン皇帝だ。私は冷たい現実に突然直面した。
皇帝であることは、 人間の心を凍り付かせるものであり、良心の声を打ち消すものであり、耳をつんぼにしてしまうさけびのようなものだ。
なんと不幸なのろいか!
皇帝であるとは、兄弟を互いに敵とし、無実を盗むやくざな泥棒のようなものであるということだ。
そしてやけどをするのをしりながらも 、手を火にのばさないわけにはいかないおろかな、酔っ払いみたいなものだ。深い穴からもどるここのできない道のようであり、災害をもたらす鳥のようなものだ。
私はオスマン。弟を殺めたその日から冬の大嵐が心の中で暴れだした。私の終わりを運命づけるかのように・・・」といいながら部屋を出て雪の中を歩いていた。
向かった先はメフメトの遺体のある墓だった。中には育ての母キョセムがいるようだ。キョセムは中で祈りをささげた。そしてメフメトのことを思い出していた。
「メフメトなぜこんなことをするの?なぜ私を悲しませるの?」
とキョセムがメフメトにきくと彼は
「あなたにとって私は何の価値もないのです。特にオスマンにくらべては・・ 」
なんてことをいうの。私にとって子供はみなおんなじよ。みんなを愛しているわ。」
「愛してなんかいません。それを受け入れて。なにがあってもオスマン、オスマンだから。いつも彼のことばかり・・・あなたにとって手いつも彼が上なのです。授業では彼はすべて成功しているし、剣を上手に使える。何もかも彼がすぐれいているんです!さらにあなたさえ私よりも彼を寄り合いしているのです、そうでしょう?!彼ではなくまるで私が義理の息子のように・・・」
というメフメトの言葉を思い出しながらキョセムは泣いた。 メフメトの傷ついた気持ちを気持ちを考えると悔いても悔いても悔やみきれない。
やりきれなさにキョセムは泣いていた。そこへオスマンがはいってきた。オスマンも後悔していた。だが皇帝であるということが彼に後悔させることさえ許さなかった。
オスマンは自分が弟に手をかけたことで天が怒って罰として降らせていると巷では噂されていることをはなし、
「あなたも彼らと同じように考えているのですね。でも、あなたは?あなたの罪はないのですか?秘密の議会をつくり、ひそかに政府を支配しようとして私の弟を火に投げ込まなかったのですか?私の罪よりもあなたの罪のほうが大ききいです。あなたは私にほかの方法を残さなかったのですから、母上」
とキョセムに言った。するとキョセムは
「もう私はあなたの母ではありません。あなたはもう私のむすこではないわ。選んだ道を一人で歩いていくのよ。もしハレムに幽閉した子供たちに手を出したら、彼らもメフメトと同じようになったら誰にも任せずに私があなたの命を取るわよ!」と答え手出ていった。こうして二人は完全に決別した。
残ったオスマンは
「お許しください父上、私はあなたとの約束を守れませんでした」と悲しそうに告白した。
ところでサフィエはイスケンデルに会っていた。外は大雪。ビュルビュルがそのせいでイスタンブルは大変なことになっていると伝えた。そうなのだ大雪のせいで民衆は窮地に陥っていた。
サフィエはもうすぐ春が来るわ、オスマン皇帝は遠征に出かけるわ。 そして二度と戻ってこないのよ」と言った。多分何か罠を仕掛けるつもりだろう。するとそこへヒューマシャー夫婦が入ってきた。
サフィエとイスケンデルは驚くが、ヒューマシャーは夫のズルフィキャルが味方に付いたと伝えた。だがサフィエは信じなかった。 ズルフィキャルは混乱した状況を打破し、皇位継承問題をおわらせるためにはイスケンデルが皇位につくべきだと考えたようだ。ヒューマシャーはズルフィキャルを使ってイェニチェリを味方につけようと考えていたがサフィエは言葉だけでは信じられないと思った。そして「信じられるようになるまではあなたにも彼にもイスケンデルの場所は教えないわ」と言った。
だがズルフィキャルはイスケンデルが差し出した手に忠誠を誓う口づけをした。
キョセムは大雪で寒さと上に民衆を助けようと食べ物をみんなに支給していた。だが人々は亡くなっていった。人々がオスマンに不平を言っているのを聞いた。
オスマンは視察をしていると、一人の女性が人々の世話をしているのをに気が付き近づいた。彼女は老人をキョセムのワクフの病院に連れて行った。
キョセムは民衆を助けることだけでななく次の手立ても考えていた。まずハリメに サフィエ側につかぬように説得しようとした。ハリメはムスタファを皇位にしようとしていたが、イスケンデルの存在を知らなかったのだ。キョセムはイスケンデルのことを話した。もしイスケンデルがいるのならムスタファにとっては強敵になるとハリメは思った。